<はじめに>

21世紀まで余すところわずか4年足らずとなった今、「マルチメディア」という妖怪・怪物が世界のあらゆる分野を徘徊している。

東西両ドイツ統合とソ連邦崩壊に象徴される冷戦の終結により、人類はさらなる成長と調和に満ちた社会の到来を信じかつ夢見た。しかし、現実は全く違った。湾岸戦争や旧ユーゴ、カンボジアなど民族・種族間紛争の噴出、激しさを増す環境破壊、そして多くの人々が不況、リストラ、失業に苦しんでいる。先進諸国では高齢化、少子化が急速に進む一方、発展途上国では急激な人口増加が続いている。

新世紀は豊かな新しい時代となるのか、それとも滅亡・終末に向かうのか?

我国も全く同様である。否むしろバブルとその後遺症で状況は一層深刻である。阪神大震災、オウムなど未曾有の出来事は世紀末の様相すら感じさせる。政治・経済における閉塞状況は止まるところを知らない。

希望に満ちた生きがいのある世の中にするにはどうすれば良いのだろう?

 鍵を握るのが「マルチメディア」に他ならない。

 ビル・ゲイツはその著「未来を語る」でこう語る。

「パーソナルコンピューター革命は何百万という人々の生活に影響を与え、私たちをかつて想像もしなかった世界に導いたのだった。いま、さらに大きな旅が始まろうとしている。今回もまた、その行く先は定かではない。それでもこの革命がさらに多くの人々の生活に影響を与え、すべての人をはるか遠くに導くものになることは、はっきりしている。最も大きく変化するのはコミニュケーションの方法だろう。」

 さらに語る。

「情報ハイウェー建設というゴールドラッシュは始まったものの、金を目にした者はまだどこにもいない。」「大衆が情報ハイウェーに何を望むのかは、まだ誰にもわからない。大衆自身にもわかっていない。」「このビジネスチャンスを前にして、大手企業の示す反応がそれぞれ大きく違っているのは面白い。(略)誰もがそれぞれに情報ハイウェー戦略を打ち出している。(略)なんだか`群盲象をなでる´という故事を思わせる状態だといってもいい。」

 そして語る。

「情報ハイウェーの主たる推進力になるのは起業化精神だ。パソコンビジネスが成立したときと同じことである。あのころ、メインフレーム用のソフトをつくっていた企業のうちでパソコンへ移行できたのは、ごく少数だった。成功したのは、新しい可能性に目を向けた人達の小さな新興企業がほとんどだった。」

私も20数年間のビジネス経験と、これからの新たな人生の構築をかけ、この一翼を是非とも担いたい。結果、宝の山が手に入れば望外の喜びである。

 堀義人氏の著「ケースで学ぶ起業戦略」に

「起業とは、ロマン(夢)であり、アート(芸術)であり、サイエンス(科学)である。しかし、一方では非常にヒューマン(人間的)なプロセスである。」の一文がある。肝に銘じて事にあたりたい。


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