(4).衛星データ放送サービスの動向
すでに、我が国でも地上波テレビ電波のすき間を使い、インターネットと同形式のデータを送信するデータ多重放送サービスが開始されている。テレビ朝日系列の[ADAMS]とTBSの「データパレード」。パソコンとテレビアンテナをつなぐ専用受信ボードがあれば、加入金や月額利用料は不要だが、伝送能力が40Kビット/秒といかにも力不足。 インターネット放送と呼ばれるプッシュ型情報配信サービスの場合、ユーザーは情報を取るためにインターネット上のサーバーにアクセスする手間が省けるばかりでなく、接続の際の電話代やプロバーダーへの接続料金を節約できる。動画像などのストリーム型データを衛星経由で送出すれば、テレビと同じサービスを実現できる。
最初のパソコン向け衛星データ放送サービスは、パーフェクTVが12月に予定している「PerfecPC!」。ディレクTVは当初はパソコンではなく、IRD(受信用チューナー)にテレビ番組と連動した「インタラクTV」を標準装備する。リモコンの操作で番組に付帯する情報(レースの最新オッズ・過去の競争成績、タレントのコンサート情報等)を映像画面に呼び出すことができる。
PerfecPC!で予定されているサービスは、下記のとおり
パソコンに内臓する受信ボードも11月には発売される。チューナー内蔵タイプと、チューナー機能を持たずIRDを利用するタイプがあり、価格はチューナー内蔵タイプが市販IRDより1〜2万程度のアップ、チューナー無しのボードは2万円代となる見込み。
前述のように来年にはウィンドウズ98にデジタル衛星放送や地上波データ放送の受信機能が標準装備される。モデムやLANの通信機能が標準になったように、データ放送の受信機能がパソコンの標準機能になる日も近い。