4.MICと衛星インターネット

(1).MICの目指す衛星インターネット事業

 一言で衛星インターネット事業といってもその範囲は極めて多岐にわたる。インフラからコンテンツ、プラットホーム、そしてディストリビューションまで「マルチメディアビジネス一覧表」にまとめたほとんどの事業が関連する。この中からMICの理念と事業概要を基に当面の展開策とビジネスプランを検討する。

 考えられる切り口は「サイバー」「エージェント」「リテラシー」「コンテンツ」。そして「おじさんの、おじさんによる、おじさんのためのマルチメディア」

 「サイバー」については、企画から運営段階にいたるあらゆる面でのインターネットの活用であり、いわゆるSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)を自ら実践する。この企画書もすべて自宅で作成。

 「エージェント」とは、もともと代理人という意味の言葉であるが、コンピューター分野では、自律的に動作し、利用者が目的とする作業を行い、利用者の代理人として逐一指示されなくとも、利用者の意思にそった働きをするソフトをいう。この考え方をビジネス面に生かそうということであり、「おじさんのエージェント」を目指す。

 「リテラシー」とは読み書き能力のこと。したがって、パソコン・リテラシーとはパソコンを使いこなすための基本能力。メディア・リテラシーとは情報技術を理解し、情報メディアを駆使して情報を活用したり、考えを表現したりする能力。また様々な情報の本質的な意味を理解したり、氾濫する情報を的確に識別したりする能力のことである。パソコン教室やパソコン家庭教師が雨後の筍のようにできているが、リテラシーが身についたという話はほとんど聞かない。「おじさんのメディア・リテラシー習得」、この面でのビジネス展開も考えられる。

 「コンテンツ」は、いわゆるコンテンツ制作。ホームページもこの一環である。「おじさんの、おじさんによる、おじさんのためのコンテンツ」造りを目指す。

 上記を具体的事業展開に反映させることが、MICの目指す衛星インターネット事業であり、当面次の3テーマにアプローチする。

(2).事業企画(案)

  1. 番組・チャンネル事業
  2.  パーフェクTVのテレビ放送用のCS利用料は年間6000万円程度で、これに番組制作や調達コストがかかるわけだが、データ放送のPerfecPC!の場合、はるかに少ないコストでチャンネルを持ったり、番組を作ったりできる。また、はるかに多くのチャンネルや番組も提供できる。極端に言えばインターネットのホームページをそのまま番組とすることも可能。サイバーモールやメールニュース、メールマガジンを衛星インターネット上で展開するイメージでビジネスプランを検討。

  3. 端末機器関連事業
  4.  衛星デジタル放送を見る場合もアンテナの取付、チューナーとの接続、テレビ・ビデオとの接続、さらに電話との接続が必要であり、ある程度の技術的知識があれば自分でやれるが、「おじさん」には無理である。衛星インターネットの場合はさらにパソコンや受信ボードとの接続が必要となる。現在取付工事は家電系列のエアコン工事業者が主に担っており、衛星放送機器専門の取付工事業者も設立されている。

     すでにテレビや電話は一家に一台ではなく一部屋一台の時代であるが、テレビアンテナの端子と電話のモジュラージャックが未だ一家に一台の家庭も多い。また、これまでテレビ(家電)、パソコン(情報機器)、電話(通信機器)それぞれを専門とする取付工事業者はいたが、3つをまとめてやれる業者は存在しない。家庭にあふれる様々な放送・通信・情報機器を一つの「情報コンセント」ですべて使えるようにしようという「マルチメディア・ホームリンク(宅内情報配線)」計画も郵政省と建設省の共同で始まる。
     家庭における衛星インターネット関連機器の取付を総合的に請け負ったり、次のプランとも関連するが機器の使い方をサポートしたりするビジネスプランを検討。

  5. 機器・サービス活用支援事業
  6.  いわばパソコン教室、パソコン家庭教師の衛星インターネット(マルチメディア)版。現在のパソコンの本質は、計算処理や情報処理、ワープロ代わりの機器というより、ネットワーク(通信)端末としての役割にある。パソコン通信やインターネットに接続してこそパソコンの醍醐味が味わえるのである。さらに、テレビやデータ放送受信機能が加わればますます面白くなる。
     「おじさん」はパソコンの楽しさ、ネットワークの楽しさを知らないのである。知らないから操作も覚えない、買っても埃をかぶってしまうのである。今のパソコン教室や家庭教師はハードやソフトの操作方法を教えるだけで、具体的活用方法や楽しさを教えていないようである。(おじさんではないヤングが、おじさんに教えられるワケがない)
     パソコンそして衛星インターネットのおじさん向けサポートに関するビジネスプランを検討。

(3).今後の展開について

 上記3プランについて、事業内容、組織・運営体制、売上・利益目標、マーケティング戦略、必要資金・収支計画等を盛り込んだ具体的な事業計画を、3〜6ヶ月を目処に立案の上、事業パートナーを幅広く求める。

以 上


徒然草目次へ