********************************************************************** ■□■ 電網かわら版『必読!ITメディア』 ■□■ 第 133号 2002年 3月 4日発行 〜総配信数 1,990部 Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中   から厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。                   by マイクル渡辺 info@micle.co.jp ********************************************************************** 【お知らせ】  突然ですが、今後の「電網かわら版」の存廃について、読者の皆さんのご意 見をお聞きしたいと思います。  下記について、今週末(3/9 土)までにメールにてご回答下さい。忌憚の無い ご意見をお待ちいたします。 宛先 : info@micle.co.jp タイトル(件名):「かわら版について」 質問:「電網かわら版」の発行を継続すべきと思いますか?その理由は? ********************************************************************** 【「くるまーと」の話題から】 01.ニュース&トピックスから ・日産とドコモ、自動車向け情報サービスを共同検討 ・デンソー、PDA用カーナビキットを新発売 ・オートバックスなど11社、ITS総合研究所設立 ・マツダ、携帯電話向け「ドライブルート作成」サービス開始 ・車専門のオークション手続代行サービスがスタート 【最近のニュース&トピックスから】 01.ネット版タウン情報誌の未来。有料版地域情報サイトは成立するか? 02.BBCの五輪中継が実証する双方向テレビの可能性 03.不振の家庭向けソフト、“おまけ”で需要育たず 04.“ポストゲイツ”見当たらず。IT産業、主役はおじさん世代 ********************************************************************** 【「くるまーと」の話題から】 http://www.kurumart.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●「ニュース&トピックス」から http://www.kurumart.com/news/ ○日産とドコモ、自動車向け情報サービスを共同検討(2/19) http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/02/whatnew0219.html  日産自動車とNTTドコモは、自動車向けマルチメディアサービス(テレマティ クスサービス)で提携した。ドコモの次世代携帯電話「FOMA」とカーナビなどの 車載機器とを連携させた様々なサービスを開発、来年以降順次提供する。  ドコモは、同様サービスでホンダとも提携、一方トヨタは傘下のKDDIの次世 代携帯電話「cdma2000」を活用した車載情報サービス「G-BOOK」を今夏から提 供する計画で、業界は両陣営に二分された。 ○デンソー、PDA用カーナビキットを新発売(2/21) http://www.denso.co.jp/PRESS/020221.html  デンソーは、PDA用のカーナビキット「NAVISTANT(ナビスタント)」を初めて 商品化、3月下旬より発売する。実売価格は5万円前後の見込みで、初年度5千 台の販売を目指す。  Pocket PC規格に準拠したPDAを、GPSアンテナなどがつながった付属の小型車 載ロケータと接続するだけで本格的なカーナビとして使用できる。 ○オートバックスなど11社、ITS総合研究所設立(2/22) http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=18684  オートバックスセブンは、次世代ITSサービスシステムや、関連車載端末の開 発等に取り組むため、オムロン、翼システムなど11社と共同で、アイ・ティー ・エス総合研究所(ITS総研)を設立した。  顧客に一番近いポジションに位置している流通業サイドから、ITSの開発や標 準化へアプローチする。 ○マツダ、携帯電話向け「ドライブルート作成」サービス開始(2/28) http://www.mazda.co.jp/publicity/Public/200202/0228.html  マツダは、携帯電話だけでドライブの目的地までのルート作成や移動距離・ 時間の算出が可能なドライブルート作成サービス「ドライブ工房」を業界で初 めて開始した。iモードとJ-スカイ向けに提供、料金は3月末までは無料、4月か ら月間300円。 ○車専門のオークション手続代行サービスがスタート(2/28) http://www.regila.com/  スター・エスクローは、クルマの売買に伴う各種手続を仲介・代行する自動 車専門のエスクロー(*)サービス「REGILA(レジラ)」を開始した。  名義変更や、車庫証明等などの各種手続だけでなく、クルマの輸送や代金決 済も請け負い、オークションへの出品、落札の負担を大幅に軽減する。 (*)エスクロー(escrow)  販売者と購入者の間で、代金と品物の交換を第三者の立場で代行し、トラブ ルを回避する業者。不動産取引やネット上の個人取引などで利用される。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【最近のニュース&トピックスから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ネット版タウン情報誌の未来。有料版地域情報サイトは成立するか? http://pcgaz.nikkeibp.co.jp/pg/pcgaz/minicol/2/col_95.shtml  現在、日本各地で様々な地域情報サイトが運営されており、それ相応の賑わ いを見せている。これらのサイトの大部分は、基本的に無料で閲覧できる。で、 サイト運営費用はというと、お店などからの広告費用や、登録会員情報の販売 などが当てられる。無料で配布されるコミュニティー新聞やタウン情報誌のよ うなものがあるが、それのインターネット版といったところだ。  実は、インターネットの世界では、以前から生活密着型地域情報で利用者か らお金を取れるか、という議論がされている。「他にも情報源がたくさんある のにお金を払ってまで…」と、その可能性を否定する人は多い。筆者もそう思 っている。だが、そのタブーに挑戦するサービスが開始された。 「まいさいど 私の生活便利帖 mai」 http://www.mai.to/  インターネットに限らず、iモードなどの携帯電話、今後登場する情報家電 などでも地域情報というジャンルのコンテンツが重要視されるだろう。だが、 その情報自体がお金を産む仕組みを作れるのか、それとも、いつまで経っても 無料配布のタウン情報誌の域を出ない形態のままであり続けるのか…。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  我が家にも、郵便ボックスに投函されたり、新聞の折り込みチラシと一緒に 配られたりと、毎週数種類のタウン情報誌が届く。  その内容は、コラムが言うように、いずれも“無料配布のタウン情報誌の域 を出ない”ものであり、一顧だにされず、ゴミ箱行きとなる。  地域情報は、“その地域で生活している人”が“相応のコスト”をかけて集 めた素材を、“相応のコスト”をかけて編集・製作して初めてお金を取れるコ ンテンツとなる。  しかし、コストに見合う“相応の対価”を得る仕組みと、そして何より、利 用者に“相応の対価”を払う意識がなければ、ビジネスにはなり得ない。何時 まで経ってもボランティアのままである。  地域情報に限らず、あらゆるコンテンツにあてはまる。「電網かわら版」、 そして「くるまーと」も。皆さんの評価は如何? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●BBCの五輪中継が実証する双方向テレビの可能性 http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020226205.html http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020227207.html  昨年夏の全英ウィンブルドン・テニス選手権で初めて行なった放送を発展さ せ、BBCは今回、ソルトレークシティーで行なわれている複数の競技のライブ映 像を同時に提供している。放送内容を支配するのは、リモコンを手にソファに 座っているオリンピック観戦者たちだ。テレビのプロデューサーが視聴者の観 るシーンを決めるのはでなく、視聴者のほうが、リモコンを使って観たい競技 を選択する。  リモコンの赤い双方向ボタンを押すと、映像が同一画面上に3種類表示され る。視聴者は、下にスクロールして観たい映像を選び、ボタンを押して全画面 表示に切り換える。あるいは、3種類の映像を同時に観ることもできる。  他にも、シンプルなテキスト表示があり、競技結果の最新情報、メダル獲得 数の表、競技のスケジュール、最新のスポーツ情報が提供される。もし見たか ったアイスホッケーの試合を見逃してしまった場合には、放送時間外に、リモ コンを使って試合のハイライトを呼び出すことも可能だ。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  レポートにあるように、ヨーロッパの放送局は、何年もかけて双方向テレビ の可能性を発揮させる方法を模索してきた。これまで、莫大な額の金とさまざ まな美辞麗句が、支配的だが欠陥のある「テレビがパソコンに、パソコンがテ レビに変身する」というアイデアに対してつぎ込まれ、「コンバージェンス」 (融合)をめぐる激しい闘いが行なわれてきた。  「民間の放送局の多くは、双方向テレビを、ウェブにおける数々の失敗を埋 め合わせる手段と考えていた。ウェブの代わりに双方向テレビで物を売ろうと いうのが彼らの考えだった。しかし、視聴者に何を販売するべきか、あるいは テレビの画面を介することがよいショッピング手段になるのかどうかわからな かった」。  「番組の質、そして番組が双方向サービスに向いているかどうかが、あらゆ ることの原点となる。双方向にできるからといって、そうすべきだというわけ ではない。テクノロジーのためのテクノロジーほどたちの悪いものはない」。  マルチメディア(電話×テレビ×パソコン)について、私がこれまで言及して きたことは、やはり妥当だったようですね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●不振の家庭向けソフト、“おまけ”で需要育たず  日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会が昨年12月に発表したパソコ ンソフトの市場調査によると、2000年度の日本のパソコンソフト総出荷額は前 年度比9.0%増の7285億円となった。  サーバー用ソフト、業務用ソフト、特定分野向けのソフトが20%前後の伸び を示しているのに対し、家庭・趣味、教育・学習など個人が仕事以外で使うソ フトが軒並み7〜17%と大きく減少している。  最大の原因はパソコン業界自身にある。メーカーは、パソコンの本体に「お まけ」という形で多数のソフトを付けて販売してきた。ユーザーがソフトを追 加する苦労や手間を省く効果があり、市場の急成長を後押しした。反面、ユー ザー自身がソフトを追加しながら使いこなしていくという、パソコンの楽しみ を奪ってしましまった。  日本の家庭向けパソコン市場のぜい弱さは、不況色が強まった昨年夏以降20 %減になるという最悪の形で表れている。ユーザーを過保護に育てたつけが回 ってきたのである。(日経流通新聞2月19日付記事より) ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  同記事は米国との相違を下記のように解説している。  米国ではパソコンに基本ソフト(OS)以外の応用ソフトを入れて販売すること はほとんどない。ユーザーは使いにくいパソコンを苦労しながら覚えて、やが て自分の好きなソフトを追加しながら少しづつパソコンを使いこなしていく。  これはパソコン業界全体に良い影響があった。使いこなす喜びを覚えたユー ザーは次々と新しいソフトを購入する。その新しいソフトを使うためにパソコ ンを買い換えるという構造が生まれたのだ。米国のパソコン市場が比較的安定 しているのはこうした構造があるからだ。  「ビギナーパソコン事業企画」は日の目を見ませんでした。(>_<) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●“ポストゲイツ”見当たらず。IT産業、主役はおじさん世代  「ビル・ゲイツ、中年太りじゃない」。21日夜、家庭用ゲーム機「Xbox」日 本発売のため、急きょ来日した氏の姿を見た報道陣は口々にそうつぶやいた。  思えば、米国の若手起業家の代表といわれたゲイツ氏も46歳。マイクロソフ トを創業して4半世紀を超えた。ITビジネスの若さの象徴だったゲイツ氏のおじ さまぶりに「IT産業も成熟期を迎えてきたのではないか」という懸念を抱かざ るを得ない。  米国のIT産業をリードしたのはゲイツ氏を主役に、アップルコンピュータCEO のスティーブ・ジョブス氏、サン・マイクロシステムズ会長のスコット・マク ネリー氏などいずれもゲイツ氏と同年代の若手起業家たち。日本でもゲイツ氏 のビジネスパートナーだった元アスキー社長の西和彦氏、ソフトバンク社長の 孫正義氏が台頭、ベンチャーブームに火をつけた。  しかし、いくら今の日米のIT業界を見渡しても、ポストゲイツやポスト孫の 姿は見えない。ゲイツ世代もいずれは年を取る。猛スピードで走るIT業界では アクセルやブレーキを踏むタイミングが微妙にズレるだけで、取り返しのつか ない遅れや事故につながる。中年太りならまだいいが、目がかすみ、頭がぼっ として判断ミスすることは許されない。  日米は飽食のバブル時代を終え、米同時テロ、アフガニスタン空爆といった 再び混迷の時代を迎えつつある。今はポストゲイツ世代を育てる揺らん期と位 置付けられるのだろうか。(日経産業新聞2月26日付記事より) ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  明後日、51歳を迎える中年太りの私が、IT業界に身を投じたのは、無謀なチ ャレンジだったのでしょうか。(^J^) ********************************************************************** ◇電網かわら版は、『まぐまぐ(ID:0000005947)』『Macky!(ID:0079)』  『melma!(ID:m00017577)』で発行しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記でお願いいたします。バックナンバーも  ご覧いただけます。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇内容および広告掲載等のお問い合わせは、 info@micle.co.jp へ。 ◇電網かわら版『必読!ITメディア』の全文または一部の文章を、許可無く転  載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■ 企画・制作・発行 (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ ■□ 〒242-0006 大和市南林間2-8-12-203 046-271-3336(Tel),3337(Fax) **********************************************************************