********************************************************************** ■□■ 電網かわら版『必読!ITメディア』 ■□■ 第 121号 2001年 8月27日発行 〜総配信数 1,950部 Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中   から厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。                   by マイクル渡辺 info@micle.co.jp ********************************************************************** 【「くるまーと」の話題から】 ・ガソリン価格調査より、「アルコール系燃料の???」 【最近のニュース&トピックスから】 01.ブロードバンド&ネットビジネスの話題から ・国内ブロードバンドユーザーは2005年に1,200万人 ・ブロードバンドでモノは売れるか? ・ブロードバンドでネットビジネスは消耗戦に陥るか? 02.お勧め調査、レポート ・ゲームのゆくえ〜ゲーム産業はどこへ向かうのか〜 ・社会学の理論で斬る「ネットの不思議」 ・第12回「インターネット・アクティブ・ユーザー調査」 ・日経パソコン「e都市ランキング 2001」 ・野村総研「P-Commerceの普及に向けて」 ・国土交通省「ソフト系IT産業の実態調査」 ********************************************************************** 【「くるまーと」の話題から】 http://www.kurumart.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ガソリン価格調査より、「アルコール系燃料の???」  ガイアックスなどアルコール系燃料の使用により、一部車種においてアルミ 製部品が腐食し火災や燃料漏れなどが発生、自動車メーカー各社が使用を避け るよう呼びかけています。 http://www.honda.co.jp/customer/info/010809_fuel.html (ホンダ) http://www.toyota.co.jp/News/2001/Aug/nt01_166.html (トヨタ)  販売会社の「ガイアエナジー」が直ちに見解と対応を発表する一方、同社の 九州地区総代理店で製造委託先でもある「ガイアックス」が、新アルコール系 燃料「エピオン」の発売を発表するなど内紛状態に陥り、事態は複雑化の様相 を強めています。 http://www.gaiaenergy.com/ (ガイアエナジー) http://www.gaiax-jp.com/ (ガイアックス)  この件について、日経ビジネス最新号(8月27日号)が、ガイアエナジー金濱社 長のインタビューと解説記事を掲載しています。  同社は、前述「ガイアックス」や、北海道地区などの販売を手がけるディス カウントストア大手「カウボーイ」など外部資本の力を借りて事業を急拡大し てきたが、新型燃料の製品化の遅れや資金繰りの混乱などでこれら取引先との 関係が悪化、トラブルが生じたようです。  ガイアックスに関しては、「低価格」に反発する石油業界の要望を受けた軽 油引取税課税問題、環境省が疑問を呈した「低公害」性問題、そして今回の「 安全」性問題と???だらけです。 http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=2478 (環境省)  国土交通省など関係官庁は、「ガソリン自動車の高濃度アルコール含有燃料 使用に関する安全性等調査委員会(仮称)」を設置し、不具合事例についての事 実関係の精査や使用実態の把握、安全性等に関する試験・検証を行うことを決 めました。 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha01/09/090820_.html (国土交通省)  アルコール系燃料の使用は、この調査結果を待ってから判断したほうがよさ そうですね。 ★価格情報をお寄せ下さい。抽選で毎週1名様に商品券(3000円分)をプレゼン トします。先週は、ユッキーさん(秋田県)が当選しました。 http://www.kurumart.com/gs/ i-mode携帯電話からも入力が可能です。 http://www.kurumart.com/i/gs/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【最近のニュース&トピックスから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ブロードバンド&ネットビジネスの話題から ─────────────────────────────────── ○国内ブロードバンドユーザーは2005年に1,200万人 http://www.idcjapan.co.jp/  IT専門調査会社IDC Japanは、国内のブロードバンドインターネット加入者数 の推移予測を公表した。2001年末までに260万人に到達、今後年間平均81%の高 成長率で拡大、2005年には1,242万人に達するとしている。  最も拡大するサービスはxDSLで、ヤフーにより拍車がかかったADSL値引き攻 勢等により、2005年には500万人を上回りトップに立つ。現在最も普及している CATVインターネットは2番手となり、FTTHが350万人と、今後5年間で年間平均 成長率166%の高成長率で拡大する。  一方、FWA(Fixed Wireless Access 加入者系無線アクセスシステム)は、価格 ・通信速度など他インフラとの競合に苦戦を強いられ、2005年末で28万人程に とどまるとしている。 ─────────────────────────────────── ○ブロードバンドでモノは売れるか? http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20010724/1/  ブロードバンド時代になれば、電子商店でのビジネスのやり方にも影響が出 る。これまで画像や動画の質を落とさざるを得なかったが、今度は逆に様々な 工夫を凝らせるようになる。Webサイトだろうがカタログだろうが、モノを多く 売るには、美しいプロモーションをした方がいいに決まっている。  パソコンやカー・アクセサリなど3次元CGを活用した販促ページ、自分の体型 をCG化したバーチャルモデルによる試着サービスなど、企業もブロードバンド 時代を前提として動き始めた。  個人的にも、ADSLを導入したとたんにネットで買い物をする回数が増えた。 書籍やCD、DVDはもちろん、スーツやお中元などなど…。さくさくページが切り 替わるので、注文書を手書きしてファクスというパターンより早くて便利と心 底思えることと、通信料金が定額制なのでじっくりと商品説明が読める、この 2点が大きい。 ─────────────────────────────────── ○ブロードバンドでネットビジネスは消耗戦に陥るか? http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20010822/1/  新しいビジネスの創造には自由が必要である。インターネットはまさに“自 由の翼”だった。従来のビジネスに比べコストがほとんどかからず、地域や国 の枠組みをあっさりと越え、自由な発想で立ち上げることができた。  そのネットビジネスが今、“ネットバブル崩壊”の後遺症から立ち直れずス ランプ状態にある。そのためか、ECブームがシュリンクするのに反比例するか のように、ブロードバンドに対する期待が高まっている。いわく、インターネ ットの普及に匹敵するネットビジネスの起爆剤になる。いわく、VOD(ビデオ・ オン・デマンド)型の新しいコンテンツ・ビジネスが生まれる。いわく、ECサイ トで動画を活用すれば売り上げアップを図れる…。  しかし、ネットビジネスに関する限り、ブロードバンドへの過大な期待は禁 物だ。むしろ、今以上の消耗戦へと引きずり込む“つまずきの石”になりかね ないとすら考える。  映像や音楽は、文字や静止画ぐらいしか使えない今のWebサイトに比べ、表現 の自由度が広がるはず。しかし、文字や静止画は誰でも手出しができたが、ビ ジネス利用に耐えうる映像や音楽は多くの場合、特定のスキルを持つその道の プロしか作れない。自由な発想で企画・制作というわけにはいかない。  ネットでは、現実世界以上にデフレが進行しており、コンテンツを再生産で きるだけの収益をネットから上げることができるかは、はなはだ疑問だ。  テレビCMだけを使い回せるとは限らないし、著作権処理も大変。制作コスト や配信コストなど気が遠くなる。しかし、ライバルが映像や音楽の活用に踏み 切れば、自分のサイトも対抗上…。これでは常時接続ユーザーの来訪が増え、 売り上げが伸びたとしても、とてもペイできないだろう。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  未来の読み方には「予感」「予想」「予測」の三つのレベルがあるという。 「予感」は、勘や経験に頼るもので精度は低い。予感に情報収集を加えた「予 想」の精度は中程度。情報を様々に加工・解析した「予測」は、精度が最も高 い(ハズである)。  しかし、コンピュータを駆使するなど最も的中度が高いはずの「予測」が、 数多の市場予測がそうであるようににしばしばハズれ、人間の勘と経験に基づ く「予感」の方が当たるケースがままある。  さて、ブロードバンドがネットビジネスに及ぼす影響について、日経IT Pro 「記者の眼」から本間康裕、木村岳史、両日経ネットビジネス副編集長のレポ ートを要約してご紹介した。  前者は楽観的にとらえ、後者は悲観的にとらえているようだ。マイクルはど うみる?  ブロードバンドがネットビジネスの起爆剤になるためには、文字と静止画の Webサイトと同様、誰でもがコンテンツを作り発信できる環境や“文化的土壌” が必要だ。ブロードバンドの果実を本当に享受できるようになるのは、家庭の ビデオカメラが「子供の運動会を録画するだけの機械」でなくなったとき…、 そんなふうに思う。  との木村氏の「眼」に同感である。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お勧め調査、レポート ─────────────────────────────────── ○ゲームのゆくえ〜ゲーム産業はどこへ向かうのか〜 http://webguide.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/redir.pl?href=/topic/tl0711a.html  日経BizTech「WebGuideコラム」より。コンテンツプロデューサー浅野耕一郎 氏のレポート。 第一回「家庭用ゲーム機がなくなる日」 第二回「プレイステーションの牙城が崩れる日(は来るのか?)」 第三回「ケータイとゲーム--携帯電話とゲームの未来像を考える」 第四回「常時接続時代のゲーム」 ─────────────────────────────────── ○社会学の理論で斬る「ネットの不思議」 http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/column/socio/index.htm  INNTERNET WATCHより。大学院で社会学を研究する、鈴木"charlie"謙介氏の レポート。 第1回「他愛もないメール」の不思議−顔見知りとメールをすることの機能− 第2回「ネカマ」の不思議−誰もがジェンダーを無効にできる世界− 第3回「ネット読書」の不思議−ページをめくらない読書は読書なのか− 第4回「ネットオークション」の不思議−見えない相手の何を信頼するのか− 第5回「悪趣味ゲーム」の不思議−個別の動機付けは何を反映しているのか− 第6回「出会い系」の不思議1−「メル友」は友達以上になれるのか− 第7回「出会い系」の不思議2−見知らぬ人との出会いはずっと続けられるのか− 第8回「個人サイト」の不思議1−表出される自己意識− 第9回「個人サイト」の不思議2−あなたはプライバシーを売り渡せるか− 第10回「2ちゃんねる」の社会 第11回 インターネットは人を幸せにするのか(前編) 第12回 インターネットは人を幸せにするのか(後編) ─────────────────────────────────── ○第12回「インターネット・アクティブ・ユーザー調査」 http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/200107/f_nmmq12.html  日経ネットビジネスが、本年6月に実施した標題調査の全結果及び分析記事。 第1回〜第11回調査の結果も見れる。 ─────────────────────────────────── ○日経パソコン「e都市ランキング 2001」 http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/inet/137683  日経パソコンは、「ブロードバンドサービスの提供状況」と「行政サービス の情報化対応度」から、全国の市制施行都市レベルで情報化度を評価する「e都 市ランキング 2001」を算出、地域別の差を明らかにした。  ブロードバンド回線をほとんどのユーザーが使える首都圏と、普及が進むAD SLもなかなか来ない地方都市。都道府県や市町村の取り組みの差も、自治体の 情報化格差を生む要素になっている。  詳細は、日経パソコン8月20日号に掲載。 ─────────────────────────────────── ○野村総研「P-Commerceの普及に向けて」 http://www.nri.co.jp/report/r_news/2001/pdf/rn20010802.pdf  「P-Commerce(Positioning-based Commerce)」とは位置情報を活用したビジ ネスを言う。測定誤差10mという精度の高い位置測定が可能になる次世代携帯電 話。来年中の実現を目指す各社の展開方向と普及に向けた課題をレポート。 ─────────────────────────────────── ○国土交通省「ソフト系IT産業の実態調査」 http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/softIT/top.html  国土交通省が、全国のタウンページのデータで「ソフトウェア業」「情報処 理サービス」「インターネット」の3業種のいずれかに登録している企業を対 象に行った行なった全国調査。  事業所全体では、1999年9月の2万9,928件から2001年3月では3万5,207件と、 全国で5,279件増加。“ITバブル崩壊”後でも、ソフト系IT企業、特にインター ネット関連の事業所が増加している傾向が判明した。  全国の自治体が実施しているソフト系IT産業に対する支援策のリンク集も。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  98年8月に「おじさん瓦版」として発行を開始してから、いろいろ紆余曲折が ありましたが、「電網かわら版」もとうとう丸3年目を迎えました。  発行部数は、1年目の99年8月に1,550部、2年目の2000年8月に1,750部、そ して3年目の今回が1,950部と、僅かづつですが増えています。  読者数が減少し始めたら、かわら版のニーズが無くなり、役割が終わったと 判断、発行を止めようと常々思っているのですが…。(^^;)  今回は、お盆休みをはさんで3週間ぶりの発行。溜まっていた調査・レポー トからお勧めをご紹介します。興味のあるテーマがあったら、是非アクセスし てみて下さい。 ********************************************************************** ◇電網かわら版は、『まぐまぐ(ID:0000005947)』『Macky!(ID:0079)』  『melma!(ID:m00017577)』で発行しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記でお願いいたします。バックナンバーも  ご覧いただけます。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇内容および広告掲載等のお問い合わせは、 info@micle.co.jp へ。 ◇電網かわら版『必読!ITメディア』の全文または一部の文章を、許可無く転  載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■ 企画・制作・発行 (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ ■□ 〒242-0006 大和市南林間2-8-12-203 046-271-3336(Tel),3337(Fax) **********************************************************************