********************************************************************** ■□■ 電網かわら版『必読!ITメディア』 ■□■ 第 101号 2000年10月31日発行 〜総配信数 1,820部 Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中   から厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。  ◇当メルマガは電網企画会社「マイクルプラン」の機関紙として発行して   います。マイクルプランについては下記URLをご覧ください。   http://www.micle.co.jp/plan/                   by マイクル渡辺 plan@micle.co.jp ********************************************************************** 【お知らせ】  クルマ情報市場「くるまーと」のオープン告知が、「日経産業新聞」自動車 面や、「INTERNET WATCH」「Venture Now」などで紹介されました。ご連絡・お 問い合わせも多数いただき、アクセス数も順調に伸びています。 http://www.nikkei.co.jp/car/carlife/20001022eimi047222.html  是非、ご訪問下さい。 http://www.kurumart.com/ 【最近のニュース&トピックスから】 01.松下/東芝/ソニー/日立、デジタル放送普及で大同団結 02.三菱商事、日テレ、WOWOW等、次期CSプラットフォーム事業へ参入 03.民放キー局等、次期CS委託放送事業に相次ぎ参入申請 04.スカパー、マザース上場。公募価格大幅に下回る 05.BSデータ放送は、「Tコマース」には力不足 06.難しいデジタル放送への完全移行、米国の轍踏むおそれも 07.通信と放送の融合〜追いつめられたフジテレビ ********************************************************************** 【最近のニュース&トピックスから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●松下/東芝/ソニー/日立、デジタル放送普及で大同団結 http://www.toshiba.co.jp/about/press/2000_10/pr_j2301.htm  松下電器産業、東芝、ソニー、日立製作所は、放送各社や電通、住友商事な どと、次世代デジタル放送サービスの事業化を進める企画会社「イー・ピー・ エフ・ネット」を11月に設立する。デジタル放送の早期普及に向け、ライバル 4社が“大同団結”した。  企画会社の資本金は2億円で、技術面で主導する松下と東芝がともに25%、ソ ニーと日立は各々10%、放送各社など10社が3%ずつ出資する。来春事業会社に 移行、同年末にサービスを開始、2004年には300万世帯の利用を目指す。  新会社は、BS・CS共用の新型受信機の共通規格を策定するとともに、顧客管 理・課金システムなどのサービス基盤「eプラットフォーム」を構築する。ユ ーザーは、簡単なリモコン操作で、受信機のハードディスクに蓄積した番組を 好きな時に取り出したり、高速のインターネット接続を利用したショッピング などの双方向サービスを楽しんだりすることができる。  4社は、自らもEC番組を提供する委託放送会社「イー・ポート・チャンネル」 も2001年1月に設立する。出資比率は、松下と東芝が38.5%ずつ、ソニーと日立 が4.5%ずつとなっている。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  「カラーテレビ以来の大型商品」と期待されるデジタルテレビに対し、「ベ ータ対VHS」の反省から各社の大同団結となったようだが、今後の戦略をめぐっ ては微妙な意見の違いが早くもみられた。  委託放送会社の出資比率に端的に見られるように、受信機の規格統一では足 並みを揃えたものの、受信機を使ったサービスについては意見が割れた。松下 と東芝は次期CS放送局も4社の協力で立ち上げようとしたが、ソニーと日立はサ ービスは各社の競争でやればいいと一歩引いている。  サービス開始までには、まだまだ紆余曲折がありそうだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●三菱商事、日テレ、WOWOW等、次期CSプラットフォーム事業へ参入 http://www.mitsubishi.co.jp/ndesk/newsr/001018_02.html  三菱商事、日本テレビ、日本衛星放送(WOWOW)、NTTコミュニケーションズ、 NTTドコモの5社は、2001年後半に始まる予定の東経110度CSデジタル放送(次期 CS放送)事業に参入するための企画会社「ワン・テン企画」を設立する。  番組の送出や料金徴収などを代行するプラットフォーム事業を手がけ、現行 CS放送で同事業を独占するスカイパーフェクTVに対抗する勢力を目指す。  資本金は4億円。出資比率は三菱商事:35%、日本テレビ:25%、WOWOW:25%、 NTTコム:10%、ドコモ:5%。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  パーフェクTV、JスカイB、そしてディレクTVの3社体制でスタートでCSデジタ ル放送は、パーフェクとスカイの合併そしてディレクの併合を経て1社に集約 され、業界再編はようやく落ち着くかと思われた。  次期CSを巡り、商社や放送局、そしてメーカーを巻き込み再び勢力争いが始 まった。次期CSは、BSとの受信機共用化すなわち1000万以上のBS視聴者がユー ザーとなりうるからである。  新たな特長は、“NTT”グループの参入。スカパーの次期CSプラットフォーム 会社「データネットワークセンター(DNC)」は、スカパーとNTT東日本が共同出 資で設立。来月の第三者割り当て増資後の新資本金60億円の出資比率は、スカ パー:51%、NTT東日本:34%、NTTドコモ、NTTデータ、NTTコミュニケーション ズが各々5%で、NTTグループの持ち株比率は49%となる。  我国のマルチメディア(通信と放送の融合)は、やはりNTT抜きではありえない のか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●民放キー局等、次期CS委託放送事業に相次ぎ参入申請 http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/001019j701.html http://nnm.nikkeibp.co.jp/nnm/kiji/kiji.html#2  郵政省は、次期CS放送への参入を希望する企業からの委託放送業務の認定申 請結果を公表した。41社からトランスポンダ(電波中継器)約23.6本分の申請が 出され、伝送容量で見た競争率は2倍弱となった。  郵政は、トラポン12本の参入枠のうちテレビ放送に10本、データ放送に1本、 音声放送に1本を割り当て目標としていたが、申請された容量はテレビ放送がト ラポン20.1本分、データ放送が3.3本分、音声放送はトラポン4分の1本分と目標 枠に達しなかった。  申請者の多くは、既存放送事業者が参画するグループが占め、地上波民放キ ー局は電機メーカーなどの異業種とパートナーを組み、CS委託放送事業者も複 数で共同出資会社を設立するなどグループ化が進んだ。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  大手企業に混じり、41社の申請者や主要株主には、地方企業やベンチャーと 思わしき企業も名を連ねているが…。  郵政は認定基準として「高機能サービス」を条件にしている。相も変らぬメ ンバーが相も変らぬ番組を流すだけでは、“次期CS”も結局“現行CS”並に終 わってしまうだろう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●スカパー、マザース上場。公募価格大幅に下回る http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read?f=200010201953  スカイパーフェクト・コミュニケーションズが20日、東証マザーズに上場を 果たした。初値は公募価格32万円を下回る29万5000円で取引が成立したが、創 業来6期連続の赤字企業で、6月末時点での累積損失は777億円にも達しているこ となどが嫌気され、その後は値を下げる展開となり、大引けでは結局25万5000 円のストップ安比例配分で初日の取引を終えた。  スカパーは公募増資・売り出しを合わせて1300億円近い資金の吸い上げを行 ったことから、市場関係者の間からは上場後の需給関係の悪化を懸念する向き が強かっただけに、懸念が現実となった格好。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  ITバブル崩壊の影響?、それともこれが実力?。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●BSデータ放送は、「Tコマース」には力不足 http://www.asahi.com/tech/feature/20001006a.html  BSデジタル放送の開始を12月に控え、最大の「売り」であるデータ放送サー ビスをどこまで提供できるか、各社が苦慮している。  リモコンボタンを押すだけで、テレビ画面で買い物や銀行振り込みなどがで きる機能だが、各放送局が事前にPRしていたほどのサービスを展開するには、 各局に割り当てられた周波数の伝送容量が不足気味。  各社は本格的な双方向サービスは次のステップとし、ニュース速報など視聴 者ニーズに沿ったサービスに向けて、検討を重ねている。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  「eコマース」に「iコマース」、そしてお茶の間の本命が「T(テレビ)コ マース」だとか…。次の英文字は何だろう?。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●難しいデジタル放送への完全移行、米国の轍踏むおそれも http://netbrains.nikkeibp.co.jp/wcs/nbr/leaf?CID=onair/net_b/c_up_dg/113713  国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの池田信夫教授の指摘 するデジタル放送の実態は。 ・地上波アナログ放送やCS放送があるのに、なぜBSや地上波のデジタル放送を  やらねばならないのか? →電波の有効利用。デジタル放送はアナログ放送に比べ周波数帯域の使用効率  が高い。現在のVHF/UHFのデジタル化により電波に空きが出来れば、高速無線  データ通信や次世代携帯電話などいろいろな用途に使える。 ・デジタルに地上波とBSがあるのはなぜか?。電波の有効利用が目的なら、地  上波がBSやCSに引っ越すだけで十分だと思うが。 →放送をBSやCSだけに集約すると、地方局は存在できなくなってしまう。 ・デジタル放送への移行は順調に進むか? →難しい。米国の地上波デジタル放送用チューナーの普及台数はいまだに数万  台。米国でもハイビジョンを売り物にしたが、実際は通常放送の番組を横に  延ばして再放送しているのが大部分で、視聴者にそっぽを向かれている。 ・日本も米国と同じ状況になる可能性が高いか? →ハイビジョン番組の制作にはコストがかかり、米国同様大半の時間は地上波  と同番組を流すだけになる可能性が高い。また、これだけ4:3の画面サイズ  が普及していると、ハイビジョンの16:9は使いにくい。かといって、映画上  映などの業務で使うには1080i(走査線1080本のインターレース)は力不足。 ・ハイビジョンは、デジタル放送の大きな売り物だが? →放送業界がハイビジョンを導入したのは、チャンネル数を少なくしたかった  から。チャンネル数が少なければ、他業種から放送業へ新規参入することが  難しくなる。放送業界は既得権を守りたかっただけで、ハイビジョンでなけ  ればならない積極的な理由はない。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  池田氏は、NHKでハイビジョン放送の制作に携わった経験があるという。 “現場”を知る氏の直截的指摘は、御用学者や評論家にない重みを感じる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●通信と放送の融合〜追いつめられたフジテレビ http://www.jmrlsi.co.jp/menu/case/index.html  インターネットが急速に普及し、放送と通信が融合するなか、CS、BS、地上 波放送3波を複合的に運用する“メディア・コンプレックス”を目指すフジテ レビの経営戦略とビジネスモデル、競争に勝ち残るための課題を下記項目ごと に分析、レポート。 1.地上波の危機  (1)インターネット放送  (2)インターネット利用者のテレビ視聴時間の短さ  (3)CATVの浸透 2.デジタルTVのインパクト 3.フジの通信と放送の融合−フジのビジネス構想  (1)メディア・コンプレックス戦略   @1社3波体制の確立   Aインターネット分野への進出  (2) コンテンツの充実−他企業とのアライアンス  (3)フジが構想するビジネスモデル 4.民放各社との競争と異業種からの参入  (1)日本テレビとTBSの動向  (2)NTTの放送への参入  (3)メーカーの放送への参入 5.フジが「融合」の時代で主導権を握るには  (1)フジの強みと弱み  (2)フジの課題 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  JMR生活総合研究所が有力企業の戦略ケースとして、9月にまとめたものであ る。先日までWeb上で公開されていたが、現在はメンバーのみが閲覧できる状態 となっている。  非常に力の入ったレポートであり、是非皆さんにも読んでいただきたかった のだが…。ビジネスである以上、しようがあるまい。 ********************************************************************** ◇電網かわら版は、『まぐまぐ(ID:0000005947)』『Macky!(ID:0079)』  『melma!(ID:m00017577)』で発行しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記でお願いいたします。バックナンバーも  ご覧いただけます。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!ITメディア』の全文または一部の文章を、許可無く転  載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■ 企画・制作・発行 (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ ■□ 〒242-0006 大和市南林間2-8-12-203 046-271-3336(Tel),3337(Fax) **********************************************************************