********************************************************************** ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■ 第 098号 2000年 9月18日発行 〜総配信数 1,760部 Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中   から厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。  ◇当メルマガは電網企画会社「マイクルプラン」の機関紙として発行して   います。マイクルプランについては下記URLをご覧ください。   http://www.micle.co.jp/plan/                   by マイクル渡辺 plan@micle.co.jp ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 01.放送関連の話題から−総合・プラットホーム  ・BSデジタル、試験放送がスタート  ・郵政、東経110度CS放送の認定方針を公開  ・地上波デジタル音声放送、実用化試験開始へ 02.放送関連の話題から−端末・受信機器  ・東芝・松下・ソニー、デジタル放送受信機を規格統一  ・NEC、パソコンをBS放送の次世代端末に  ・お勧めサイト〜BSデジタル対応テレビの動向と関連リンク集 03.放送関連の話題から−番組・チャンネル  ・スカパー、2002年W杯サッカーのCS独占放送権獲得  ・楽天、CS放送に参入  ・BSデジタル、本放送へ向け番組制作本格化 04.放送関連の話題から−新サービス等  ・WOWOW、ネットで番組関連商品を販売  ・有線ブロードネットワークス等、衛星コンテンツ配信サービスを開始  ・マクドナルド、店内放送システムにPCMデータ放送を利用 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●放送関連の話題から−総合・プラットホーム ─────────────────────────────────── ○BSデジタル、試験放送がスタート http://www.nhk.or.jp/digital/ http://www.wowow.co.jp/info/testbroadcasting/  12月1日の本放送開始に向け、BSデジタル放送の試験放送が9月1日より始まっ た。12月までの3カ月、NHK・民放が共同制作するHDTV(ハイビジョン)放送1チャ ンネルと、NHKとWOWOWが提供するSDTV(標準画質テレビ)放送3チャンネル、合計 4チャンネルが放送される。  番組内容は現行アナログBS放送と同じだが、ハイビジョンでは、文字や画像 で番組の詳しい情報を伝える「データ放送」も利用でき、シドニー五輪番組で は、日本人選手の成績や当日の結果などが配信される。 ─────────────────────────────────── ○郵政、東経110度CS放送の認定方針を公開 http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/000906j705.html http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/000906j701.html  郵政省は、110度CS放送の認定方針を公開した。比較審査になった場合の審査 ポイントとして、「BSデジタル放送の普及及び健全な発達に寄与」「デジタル 放送の特性を活かしたサービスの高機能化」を優先するとしている。  22日から申請を受付け、10月19日に締め切る。12月中に委託放送事業者を決定 する予定で、SKYPerfecTVグループなどCS放送事業者始め、民放系BS放送各社、 BSデータ放送事業者などがこぞって申請すると見られている。  なお、トランスポンダは合計12本。受託放送事業者として、宇宙通信、JSAT にそれぞれ6本の予備免許が交付された。 ─────────────────────────────────── ○地上波デジタル音声放送、実用化試験開始へ http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/000912j701.html  郵政省は、地上波デジタル音声放送実現に向けた制度改正について、意見募 集を開始した。11月に免許方針案をまとめ、2001年初めにも免許申請受け付け を始める。  同放送サービスは、周波数不足から実用化のメドが立っていなかったが、こ れにより、2002年にも試験放送がスタートできる見通しとなった。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  しばらく放送関連の話題から遠ざかっていましたが、決して忘れたわけでは ありません。 ^_^;  本番まで3ヶ月弱となったBSデジタル放送だが、かわら版でも幾度となく指摘 してきたとおり、準備不測が随所に露見してきたようだ。  後述のような状況で、対応機器を買う気には到底なれないし、試験放送の番 組内容は既存アナログBS放送と何ら変わらない、データ放送も期待外れ…。  110度CS放送が開始され、BS/CS共通受信機が登場する来年後半までは、市場 は動きそうにない。マイクルの出番までには、まだまだ時間がありそうだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●放送関連の話題から−端末・受信機器 ─────────────────────────────────── ○東芝・松下・ソニー、デジタル放送受信機を規格統一 http://www.toshiba.co.jp/about/press/2000_07/pr_j0301.htm  東芝、松下電器、ソニーは、BS/CS/地上波などのデジタル放送に対応する次 世代受信機(ハードディスクを搭載した「蓄積型データ放送受信機」)の規格統 一で合意した。共同で、伝送方式やデータの蓄積方式、暗号・課金方式など基 本システム技術の検討を進め、業界標準を目指す。  商品開発は各社で行うが、規格段階の開発費や価格を抑えるとともに、方式 の違いによる利用者の混乱を避け、普及を促すのが狙い。  また、デジタル放送受信機を核とした、放送とインターネットの連動サービ スを実現する「eプラットフォーム」の構築に向け、3社に日立製作所を加えた 「eプラットフォーム準備会」設立も発表した。 ─────────────────────────────────── ○NEC、パソコンをBS放送の次世代端末に http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/F_NEWS/20000807001.html  NECは先月、テレビ受信・録画機能を内蔵したパソコン「VALUESTAR T」を発 売した。通常のPC機能に加え、EPG(電子番組表)や番組録画、動画編集機能を備 えるなど、デジタル家電を意識した製品で、今後の主力製品としてシリーズ化 していく計画。  同社は「デジタル放送でのソニー、松下、東芝の家電3社連合に、PCメーカー 最大手としてどう立ち向かっていくかを示したのが、今回の新製品」「家電メ ーカーが『PC in TV』でくるなら、我々は『TV in PC』でいく」と表明。3社連 合が策定する次世代受信端末の規格を取り込んだ製品も開発する意向で、イン ターネットとの高速接続機能やコンテンツ編集機能などで差別化を図る。 ─────────────────────────────────── ○お勧めサイト〜BSデジタル対応テレビの動向と関連リンク集 http://findx.nikkeibp.co.jp/ws/sp00bs1.html 日経Find'Xの「BSデジタルテレビ、離陸」と題した特集。対応受信機の現状と 動向について詳しく説明している。  「放送事業者」「データ放送事業者・関連企業」「テレビ受像器・チューナ ー」「動向・標準化」 に分類された関連リンク集もお勧め。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  今現在、BSデジタル放送を受信するには「どんな機器が必要で、購入費用は どれくらい?」をまとめて見た。  1).チューナー内蔵型テレビ(価格40万円前後)を新規購入  2).専用チューナー(価格10万円前後)を新規購入    1.BSデジタル対応型テレビ(価格20万円前後)を新規購入・接続    2.既存テレビに接続(画質は従来どおり)  上記の3つの方法のうち、2)-2が最も手軽で安価だが、それでもCSチューナー の実売価格(2万円前後)と比べると遥かに高く、既存テレビの場合、画質は従来 のまま。しかも、各社が相次いで発売したにもかかわらず、深刻なタマ不足状 態で、予約分ですらオリンピックに間に合わない状態という。 http://ne.nikkeibp.co.jp/DTV/2000/000906bs.html  来年後半には、BS/CS/地上波に対応した統一規格の次世代型受信機が登場す る。これまでに買うのは、余程の物好きか関係者であろう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●放送関連の話題から−番組・チャンネル ─────────────────────────────────── ○スカパー、2002年W杯サッカーのCS独占放送権獲得 http://www.skyperfectv.co.jp/info/release/20000904_3.html  スカイパーフェクTVは、日韓共催の2002年サッカー・ワールドカップ(W杯) の全64試合のCS独占放送権を取得した。放送権料は明らかにしていないが、W杯 とワールドユースチャンピオンシップなど国際サッカー連盟(FIFA)主催の4大会 のセット契約で、150〜160億円とみられる。  10ほどの専門チャンネルで全試合を完全生中継するほか、国別などに編成し た再放送や解説番組など、24時間放送する。視聴金額は無料にするか他チャン ネルよりも安くする方向で検討、W杯を契機に加入者増を狙う。  なお、決勝戦や日本チームが出場する試合など約40試合は、NHKと民放連で構 成するジャパン・コンソーシアム(JC)が別途、放映権を獲得する見通し。 ─────────────────────────────────── ○楽天、CS放送に参入 http://www.rakuten.co.jp/ir/pdf/2000_09_04.pdf  インターネット上でショッピング・モール「楽天市場」を運営する楽天は、 スカイパーフェクTVで教養、娯楽、テレビショッピング関連の2チャンネルを放 送するベターライフテレビを買収した。買収金額は5億円で、楽天の三木谷社長 が新社長に就任した。  ブロードバンド時代に備え、従来のインターネットに加え、携帯電話、CS放 送等他メディアとの連携による事業拡大を図る。東経110度CS放送への参入も視 野に、ネットとテレビの本格的連動サービスを検討する。 ─────────────────────────────────── ○BSデジタル、本放送へ向け番組制作本格化  NHK、WOWOWに加え、民放系列のBS放送会社5社と、映画専門のスター・チャン ネルで、本放送は約10チャンネル。各社の番組制作も本格化してきた。  フジテレビ系「BSフジ」は、番組の9割以上を独自制作、10月から2ヶ月間、 地上波の番組枠を借りて連続ドラマなど独自番組の一部を放送する「フライン グTV」作戦を開始する。  TBS系の「BS-i」は、開局特別番組となる長編ドキュメンタリー番組の収録が 大詰めを迎え、データ放送の双方向機能を利用したスポーツやクイズ番組の準 備も着々と進んでいるという。  テレビ東京系「BSジャパン」は、看板のニュース、経済情報番組などを収録 する専用スタジオを都内に確保した。 (日経産業新聞9月4日付記事より) ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  スカパー(ソニー)は、生き残りをかけ本気でBS陣営(松下)と対決するハラを 固めたようだ。その土俵は受信機器(ハード)ではなく、あくまで番組内容(コン テンツ)。そのためには150億は安い投資ということだろう。  CS放送とインターネットとの連携・融合は、どうやら勢いのいいネット事業 者が、低迷するCS事業者を吸収するという形で進みそうだ。志あるCS事業者な ら、とっくにパーソナルメディアとしての本質に気づき、こうはならなかった だろうに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●放送関連の話題から−新サービス等 ─────────────────────────────────── ○WOWOW、ネットで番組関連商品を販売 http://www.wowowclub.com  WOWOWは、インターネット上で映画や音楽など番組関連の娯楽情報を提供した り、スポーツ選手などの関連商品の販売を行うサイト「wowowclub.com」を10月 1日に立ち上げる。ネットを使い、250万人の加入者へのサービス拡充と、新規 ユーザーの開拓を狙う。 ─────────────────────────────────── ○有線ブロードネットワークス等、衛星コンテンツ配信サービスを開始 http://www.sgi.co.jp/newsroom/press_releases/2000/aug/mstv.html  有線ブロードネットワークス、日本SGI、NTTサテライトコミュニケーション ズの3社は、共同で衛星によるコンテンツ配信の新サービス「MSTV(Multimedia Satellite TV)」を1日より開始した。  企業向けに大容量コンテンツを一括配信するサービスで、店内テレビ放送や 商品宣伝、社内広報や社員教育向けのコンテンツ配信などが行なえる。  専用のハードディスク内蔵マルチメディア衛星受信機(18.2万円)の他、基本 使用料3,000円/箇所(1台)/月、コンテンツ送信管理費150,000円/月、コンテン ツ送信費が必要。  すでに、すかいらーくより受注、ガストを中心としたグループ1,165店舗に 2,000台を導入するという。 ─────────────────────────────────── ○マクドナルド、店内放送システムにPCMデータ放送を利用 http://ne.nikkeibp.co.jp/DTV/2000/000907mac.html  マクドナルドは、CSデジタル音楽放送事業者のミュージックバードと共同し て、12月からCS-PCMデータ放送による店内専用放送「マックビジョン」を開始 する。年内をメドに500店舗に導入する。  CS-PCMデータ放送で送られるデータを専用チューナで受信、サーバに蓄積、 その番組を42インチ型のPDPで放映する。表示画面を4分割、そのうち29インチ 型相当のエリアを使い動画を放映する他、静止画情報orCMを2画面、見えるラジ オのリアルタイム文字情報を1画面表示する。動画の放送サイクルは、利用客の 平均滞在時間に合わせて25分とし、2週間に一度の割合で更新する。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  毎度お馴染みの日経Biz IT(「IT Pro」に名称変更)「記者の眼」は、「手軽 に安く配信できるようになったブロードバンドの映像コンテンツ」と題し解説 している。 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20000911/5/  1M〜6Mビット/秒の回線速度に対応したコンテンツを、月々50万〜60万円程度 のランニングコストで配信できるようになり、インターネットと通信衛星を目 的や用途に合わせて選択しながら、金融情報や新製品の宣伝、研修用といった コンテンツを高い画質で提供する企業は今後も増えるだろう。  ソニーは、10月から1Mビット/秒のストリーミング・ビデオ・コンテンツを提 供する「Mega-Channel」を開設する。大和證券やリクルート、JTBなどが映像コ ンテンツを置く予定で、映画紹介なども提供する。 http://mega-channel.com  NTTサテライトの個人向け衛星インターネットは、パッとしないうちにサービ スそのものが消滅してしまったが、企業向けサービスは果たしてうまくいくで あろうか。 ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん  『まぐまぐ(ID:0000005947)』、及びメールマガジン立ち読みスタンド  『Macky!(ID:0079)』を利用して発行しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可  無く転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■ 企画・制作・発行 (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ ■□ 〒242-0006 大和市南林間2-8-12-203 046-271-3336(Tel),3337(Fax) **********************************************************************