**********************************************************************      ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■           第 094号 2000年 7月17日発行         〜総配信数 1,740部(含抄録版) Thanks!〜 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 01.インターネット利用環境特集『インフラ』  ・NTT定額「IP接続サービス」、7月より全国の主な都市へエリア拡大  ・CATV大手ジュピター(1位)とタイタス(2位)が統合  ・ソニーと東急がCATVネットワーク事業で提携  ・三井物産など14社、xDSLサービス提供の新会社設立  ・無線インターネット接続、ソニーなどが相次いで開始 02.インターネット利用環境特集『プロバイダー』  ・マイクロソフト、MSNのネット接続事業をぷららに移管  ・フジテレビ、プロバイダーのピープルを傘下に  ・ニフティ、月額2,000円の定額サービスを9/1より開始  ・読売新聞社、無料のインターネット接続サービスを開始  ・プライベートプロバイダーで囲い込め 03.インターネット利用環境特集『ネット端末』  ・米Intel、Linuxベースのインターネット端末「Dot.Station」を発表  ・米Oracle、199ドルのインターネット端末「NIC」を発表 【お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ】 01.「読み、書き、パソコン・インターネット〜習うより慣れろ〜」 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●インターネット利用環境特集『インフラ』 ─────────────────────────────────── ○NTT定額「IP接続サービス」、7月より全国の主な都市へエリア拡大  http://www.ntt-east.co.jp/release/0006/000615.html  http://www.ntt-west.co.jp/news/0006/000615.html  NTT東日本・西日本は、東京23区と大阪全市で試験サービスしていた、ISDN向 けインターネット通信料定額制サービス「IP接続サービス」を、7月から8月に かけ首都圏や全国の政令指定都市などに拡大する。同時に、名称を「フレッツ ・アイ」とし、本サービスへ移行する。  今回のエリア拡大で、NTT東日本のエリアで50%、西日本のエリアで40%のユ ーザーが加入できるようになる。さらに、来年3月までにISDNユーザーの7〜8割 をカバーする計画で、年内に全国すべての県庁所在地でサービスを開始する。 ─────────────────────────────────── ○CATV大手ジュピター(1位)とタイタス(2位)が合併  http://www.titus.co.jp/release/2000/0627.html  国内CATV最大手ジュピターテレコム(J-COM)と、第2位のタイタス・コミュニ ケーションズは、9月1日に株式交換方式により合併する。タイタスはJ-COMの子 会社として存続する。  合併後の資本金は470億円。資本構成は、住友商事35%、米AT&T社傘下のCATV 会社リバティーメディアグループ35%、マイクロソフトグループ24%、東芝、伊 藤忠商事がそれぞれ3%。  5月末時点で両社合計で約75万世帯のユーザーを抱え、うちCATVインターネッ トサービスへの加入は6万3400世帯。設備の共用や受信端末の大量購入で投資効 率を高め「ブロードバンド」時代に備える。 ─────────────────────────────────── ○ソニーと東急がCATVネットワーク事業で提携  http://www.world.sony.com/JP/News/Press/200006/00-0630/  ソニー、東京急行電鉄、東急ケーブルテレビジョンの3社は、CATV網を利用し た広帯域ネットワーク事業で提携する。ソニーは東急ケーブルの10%(約100億 円)相当の株式を東急電鉄から取得、技術開発や運用面でバックアップする。  ソニーと東急はすでに4月トヨタ自動車と共同で、CATVインターネット向けに コンテンツ配信事業を行なう「AII企画」を設立。同社は、コンテンツ制作や流 通面で東急ケーブルのインターネット事業を補完する。 ─────────────────────────────────── ○三井物産など14社、xDSLサービス提供の新会社設立  http://www.mitsui.co.jp/tkabz/business/2000/000629d.htm  三井物産、米xDSL通信事業者リズム・ネットコネクションズ、住友商事、ケ ーブル・アンド・ワイヤレスIDC(C&W IDC)など14社は、インターネットプロバ イダー向けにxDSL回線によるアクセス回線を提供する通信新会社「ガーネット コネクションズ企画」を設立する。  NTTの定額ISDNサービス(月額4500円)と同程度の料金で、速度が10倍のサービ スを目指すとし、8月より東京、名古屋の数箇所で試験サービスを開始する。技 術検証が完了し、目標料金を実現できる見通しが立った時点で、商用サービスに 移行する。 ─────────────────────────────────── ○無線インターネット接続、ソニーなどが相次いで開始  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/news_top10/f_ncc1668.html  アクセス回線にFWA(fixed wireless access)と呼ばれる加入者無線アクセス システムを使う通信サービスを、ソニー、日本テレコム、ピーエスアイネット (PSINet)などが相次いで開始する。  ソニーの「bit-drive」や、日本テレコムの「ODNエアリンク」などで、いず れも最大1.5Mビット/秒のインターネット接続サービス。ベストエフォート型 の「ODNエアリンク」は、アクセス回線料を含め月額9万9000円。PSINetの常時 接続サービス「PSINet Wireless Access」は24万8000円。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  米国の例を出すまでもなく、お隣り韓国で、xDSL、CATV、光ファイバなどに よる高速インターネット・アクセス・サービスが爆発的に普及し始めているよ うだ。約1300万人のインターネット利用世帯(普及率30%程度)の約8分の1、150 万人以上が利用。ドメイン名の取得状況でも、韓国が日本を抜いて世界第2位に なったという。  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/hsia/column/contents/korea000526.html  これを受け、日経Biz IT「記者の眼」は、「お寒い状況が続く日本のアクセ ス回線」と題し論評している。  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/editor/backnum/2000/20000531.html  定額ではあっても64kビット/秒では高速サービスとは言い難いNTTの「IP接続 」、昨秋試験サービスが始まったものの未だ利用者が1000人止まりで遅々とし て進まない「ADSL」、NTTサテライトの個人向け「衛星インターネット」は挫折 し、スピードネットの「無線インターネット」はサービス開始すら覚束ない。  さらに、同「ネットワークからメッシュへ・・・IPの驀進」によれば、米国 では、高速アクセス・サービスの競争は新段階に入り、テラビット級の超高速 光ファイバで都市間をメッシュ状に稠密に結ぶ「オプティカル・コア・メッシ ュ」という構想も推進されようとしている。  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/editor/backnum/2000/20000627.html  中島 洋編集委員が言うように、「一方、日本ではいま“IT革命”という言葉 が氾濫し始めた。衆議院選挙の公約のなかには電子政府やらIT革命、インター ネット端末の無料配布など、どうもイメージが浮かばないままの言葉が飛び交 った。しかし、スローガンの時代が終わり、民間企業同士の激しい競争になっ た米国通信業界を見ると、この日本の状況は、春の日の心地よいうたた寝のよ うな、ひどくのんびりとした風景にみえる。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●インターネット利用環境特集『プロバイダー』 ─────────────────────────────────── ○マイクロソフト、MSNのネット接続事業をぷららに移管  http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/070600plal.htm  http://www.plala.or.jp/living/releases/nr00_jul/000706.html  マイクロソフトと、NTT東日本が76%出資するプロバイダーのぷららネットワ ークスは、インターネット事業で業務提携する。マイクロソフトはインターネ ット接続サービス「MSN Internet Access」を11月30日に終了し、同サービスを ぷららに移管する。一方、ぷららはWebサイトで実施してきたコンテンツなど情 報提供サービスを、MSNに統合する。  これにより両社はそれぞれポータルサイト事業とインターネット接続サービ ス事業に専念、強い分野に特化した上で、互いに補完し合う体制をとる。 ─────────────────────────────────── ○フジテレビ、プロバイダーのピープルを傘下に  http://www.peopleworld.co.jp/  フジテレビジョンは、日本IBM系のインターネット接続業者ピープル・ワール ド(会員数5万人強)の経営権を取得し、インターネット事業に本格参入する。ピ ープルを足場に、日本IBMとの協力関係を強め、テレビ放送とインターネットを 融合させたビジネス展開を目指す。 ─────────────────────────────────── ○ニフティ、月額2,000円の定額サービスを9/1より開始  http://www.nifty.com/corp/release/20000713.htm  ブロバイダー最大手ニフティ(会員数約370万人)は、ネット接続料金体系を 9月1日より、月額2000円で利用時間無制限に一本化する。  また、モバイルや電子メール利用が中心で接続時間が短い利用者向けの月額 250円で1時間までのコースや、昼間の利用が主体の利用者向け「デイタイムコ ース」を新設。超過料金も、従来の1分10円を1分5円に値下げする。 ─────────────────────────────────── ○読売新聞社、無料のインターネット接続サービスを開始  http://www.yomiuri.co.jp/free/  読売新聞社は、電話代のみでインターネット接続が利用できる「ヨミウリ・ フリーオンライン」を開始した。無料インターネット接続サービス事業を行な うオーリック・ウェブ・ジャパンのシステムを利用する。  サービスは広告収入で運営される。ブラウザーを立ち上げると、自動的に広 告主のサイトが30秒間表示され、この間は他のページにジャンプできない。そ の後10分おきにメイン画面の横に別の小窓で最新ニュースと広告が表示される。 ─────────────────────────────────── ○プライベートプロバイダーで囲い込め  会員制サービスの顧客やファンクラブのメンバーなど、特定ユーザーを対象 にした格安・無料インターネット接続サービスが相次いで登場している。  森永製菓は、同社のキャラクター「キョロちゃん」のファンを対象に「○○ @kyorochan.com」のような独自メールアドレスを入手できるサービスを開始。 住友クレジットや、結婚情報サービスのオーエムエムジーも、利用者や会員向 けに提供を始めた。  いずれも、既存プロバイダーの法人向け新サービスを活用、企業や団体「ブ ランド」を表に出しながら、実際にはプロバイダーがサービスを提供する。  「プライベートプロバイダー」とも呼べるこうしたサービスは、新規会員の 獲得や既存会員のつなぎ留め、メールを利用するマーケティングなどへの効果 を期待してのこと。会員囲い込みの新しい手段として、接続サービスが有力な 選択肢になりつつある。(日経パソコン7月10日号より) ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  日経BP「find'X」は、「どう選ぶ?無料プロバイダー」と題し、主要プロバ イダーの比較表やリンク集など関連情報を特集、選択の際のチェックポイント などを解説。「無料プロバイダーの使い方」として「メインで使う有料プロバ イダーを確保しておいた方が無難」としている。  http://findx.nikkeibp.co.jp/ws/sp00fisp1.html  読者の皆さんの耳にはタコが出来たであろうが、「タダより高いものはない」 のである。そして多くのネットユーザーは、やはり「賢」そうだ。  昨日開始した、サイトリニューアルを記念したプレゼント企画「Car24新ホー ムページ評価アンケート」の応募メールアドレスに、無料サービスのアドレス がなんとまぁ多いことよ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●インターネット利用環境特集『ネット端末』 ─────────────────────────────────── ○米Intel、Linuxベースのインターネット端末「Dot.Station」を発表  http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/in062200.htm  米Intelは、マイクロプロセサにCeleronプロセサ、OSにLinuxを使った家庭向 けインターネット端末「Dot.Station」を正式発表した。インターネット機能に 特化した端末で、Webやメールを利用できるほか、スケジュール管理機能や電話 機能が組み込まれている。  Intelでは、当製品の直接販売は行なわず、ISPなどを通してサービスと一体 で配布、EC企業、銀行、電話会社などに利用してもらいたいとしている。 ─────────────────────────────────── ○米Oracle、199ドルのインターネット端末「NIC」を発表  http://www.thinknic.com/  米Oracleは、インターネット端末「NIC(New Internet Computer)」を発表し た。7月後半に一般発売される予定。  本体価格は199ドルで、15インチのモニタがオプションで129ドル。無料のイ ンターネット接続サービスを提供するほか、既存のISPへも接続できる。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  上記ニュースを、日経Biz IT「X86の未来 Intelニュース斜め読み」は、「イ ンターネット端末は情報家電?」と題し解説している。  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/x86/VIEW/OUTSIDE/outside200022.html  (今号は「Biz IT」オンパレードですね)  ネット端末は、「サービス・プロバイダとの契約込みで提供される、パソコ ンと似た格好をした低価格のオールインワン型コンピュータ」で、現状では家 電製品とは言い難い。  米国消費者の家庭用デジタル機器に対する意識調査の「米国消費者の1/3以上 が「手のひらが汗ばむ」「神経性の頭痛がする」「震える」など、『デジタル 苦痛(digital distress)』に悩まされている」は少々オーバーにしても、コン ピュータのスキルやリテラシが必要な機器にどうしても見えてしまう。  もう少し家電の臭いのするインターネット端末を望んでいるのは筆者だけだ ろうか。やっぱり餅は餅屋。家電メーカの本格参入を待たざるを得ないのだろ うか。かつて松下電器産業の幹部はこう語った。「家庭を制するものが最後は 笑う」と。 ********************************************************************** 【お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●「読み、書き、パソコン・インターネット〜習うより慣れろ〜」  http://www.netrunner.to/ (ネットランナー)  ソフトバンク パブリッシング(株)が発行している月刊雑誌「ネットランナ ー」8月号37ページに、標記タイトルのマイクルの寄稿が掲載されました。  「会社で評価を上げるインターネット必須スキル50」という特集の、「本誌 コラムニストが語るインターネット時代のビジネスパーソン像」というコーナ ーです。以下に原文をご紹介します。  最近、「情報リテラシー」という言葉をよく耳にする。流行語大賞にはなっ ていないものの、昨今のパソコン・インターネットの急激な普及と、それに伴 う情報化社会の進展が生み出した新しい言葉である。そもそも「リテラシー」 とは人間の知的生活に不可欠な「読み書き能力」をいい、「情報リテラシー」 とは、「膨大な情報の中から、必要とする情報を入手・分析・整理し、効率的 に活用する能力で、IT時代に身につけねばならない基本的素養」と説明されて いる。  これに関連する言葉に「読み、書き、ソロバン」がある。我国では、昔から 読み書きに加え、ソロバンの計算機能が社会人の基礎技能として重視されてき た。現代人にとっての「ソロバン」が「パソコン」である。しかも、パソコン には計算機能や情報機能だけでなく、「インターネット」という新たなコミュ ニケーション機能が加わった。  企業が求めるのも、外国語でのコミュニケーション能力、論理的な文書の作 成能力、情報機器・端末の活用能力、すなわち「読み、書き、パソコン・イン ターネット」に習熟した人材に他ならない。  さて、このパソコン、操作が簡単になったとは言え、家電製品のように素人 が買ってきてすぐに使いこなすにはほど遠い。玉石混淆、情報洪水のインター ネットも、必要情報にたどり着くのは容易でない。世帯普及率が3割を超えた とは言え、部屋の片隅でホコリを被ったパソコンも多い。米国ですら3分の1 近くがこうした状態という。ミスターや健さんのテレビCMなど全くのうそっぱ ちである。売らんがためのメーカーの姿勢にはいささか腹も立つ。  言うまでもなく、「読み書き」の上達には幼稚園や学校の授業以外に、読書 や作文などに日常的に慣れ親しむことが不可欠である。「パソコン・インター ネット」も然り!。  25年間のサラリーマン人生に終止符を打ち、SOHOベンチャーを起業したのは、 パソコンとインターネットがあったからこそである。今でこそ毎日パソコンに 向かい、日々の情報収集はネット上で行い、仕事の打ち合わせも電話よりメー ルが多い私であるが、ここまで来るには、習熟のための諸経験が必要であった。  ワープロでキーボード操作には慣れていたが、MS-DOS時代のパソコンは敷居 が高く、当初は「ダビスタ」や「三国志」「A列車で行こう」などパソコンゲ ームに熱中した。インターネットを始めた頃は、テレホタイムのアダルトサー フィンが日課であった。アダルトサイトには、良かれ悪しかれネット技術やe ビジネスの先端が集約されており、ネットの実態を知るよいきっかけとなった。 パソコンに触れる時間をひねり出すため、会社の残業は極力避けるようにした。  マシンやソフトの数々のトラブルにも遭遇したが、息子という貴重な先生が 身近にいたこともあり、多少のトラブルは自分で処理できる自信もついた。  要は、「習うより慣れろ」を実践したのである。ワードやエクセル、ブラウ ザーやメールの基本的使い方は、パソコン教室や通信講座でも教えてくれるだ ろう。しかし、パソコンやネットの具体的楽しみ方や、トラブルの具体的解決 方法までは教えてくれない。  情報リテラシーの習得は、読み書き同様、自分自身で努力して覚える以外に 無い。そのためには、ゲームであれネットサーフィンであれ、パソコンに触れ る時間を出来るだけ多くすることである。「好きこそものの上手なれ」、まず は楽しめるものから始めてはいかがであろう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■ 企画・制作・発行 (有)マイクル http://www.micle.co.jp/ ■□ 〒242-0006 大和市南林間2-8-12-203 046-271-3336(Tel),3337(Fax) **********************************************************************