**********************************************************************      ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■           第 087号 2000年 4月10日発行         〜総配信数 1,700部(含抄録版) Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中から  厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。             by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan ********************************************************************** <お知らせ>  電網かわら版をご講読いただきありがとうございます。前号でご案内のよう に、来月よりかわら版の位置づけや発行形態を見直し、再スタートします。  主な変更内容は以下のとおりです。 1.かわら版の位置づけ  “全文版”を、サイバー・プランニング・カンパニー「マイクルプラン」の 機関紙とします。全文版の講読は、原則としてマイクルプランへの加入が必要 となります。 http://www.micle.co.jp/plan/  *“抄録版”は、これまでどおり「まぐまぐ」「Macky!」を利用し、無料で   配信いたします。 2.発行頻度  月2回(隔週)の発行とします。次号は4月24日配信予定です。 3.変更後の講読手続きについて  ・マイクルプランにご加入の方:   ご面倒ですが、4月末日までに上記ページで再度メンバー登録をお願いい   たします。新たな会費は不要です。   退会する場合はメールにてご連絡下さい。 plan@micle.co.jp  ・カンパ(購読料)をいただいた方:   講読を継続される場合は、マイクルプランにご加入下さい。会費は不要で   す。中止される場合はメールにてご連絡下さい。 wata@micle.co.jp  ・無料講読中の方   引き続き講読を希望される場合は、マイクルプランにご加入下さい。会費   は以下のとおりです。中止される場合はメールにてご連絡下さい。    個人メンバー会費: 1,000円(1口)    法人メンバー会費:10,000円(1口) 4.経過措置について  5月発行分より、全文版をマイクルプランのメーリングリスト上にて配信し  ます。4月末までにご連絡がない場合は、全文版から抄録版に切替え「まぐ  まぐ」にて配信させていただきますのでご了承下さい。 【最近のマルチメディアニュースから】 01.仮面が剥がれた?ネット成金  ・光通信、「寝かせ」商法破綻で、赤字転落&株価大暴落  ・ソフトバンク、スピードネット事業化で東電と不協和音 02.新生DDIのなぜ?  ・新DDI、合併契約に調印。トヨタなぜか及び腰  ・次世代携帯電話にドコモ方式採用。DDIなぜ変節? 03.地域ポータル関連の話題から  ・角川、地域ポータルサイト運営会社設立  ・NTT東日本、地域ポータルソリューション構築へ 04.Webリンクが犯罪に。FLMASK作者、わいせつ画像閲覧ほう助で有罪 【お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ】 01.「法律」関連サイト特集 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●仮面が剥がれた?ネット成金 ─────────────────────────────────── ○光通信、「寝かせ」商法破綻で、赤字転落&株価大暴落 http://www.zdnet.co.jp/zdii/0003/31/hn_005.html http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/97830  光通信は2002年2月中間決算で、130億円の営業赤字に転落した。同社の営業 損益が赤字になるのは、中間期・通期を通じて96年の株式公開以来初めて。こ の発表により、2月以降下落を続けていた同社の株価はさらに急落、ピーク時( 24万円)の5分の1近くの5万円を割り込んだ。  同社の主力事業は、フランチャイズ形式で全国に約2000店出店する携帯電話 販売店「HIT SHOP」。NTTドコモ以外の事業者の販売台数の3分の1近くを占め る最大手。携帯電話の普及が一巡する中、「寝かせ(*)」商法疑惑もあり、通 信会社から受け取る手数料収入が、予想より大幅に落ち込んだのが要因。  高株価による豊富なキャッシュフローを武器に、国内外のネット企業に出資 するなど拡大路線を突っ走ってきた光通信が、存亡の危機を迎えている。 (*)寝かせ  通信業界の隠語で、代理店が新規購入者を架空名義を使って水増して獲得し たように見せかけ、手数料を取ること。 ─────────────────────────────────── ○ソフトバンク、スピードネット事業化で東電と不協和音  http://www.hotwired.co.jp/news/news/3938.html  http://www.zdnet.co.jp/zdii/0004/07/hn_002.html  ソフトバンク、東京電力、米マイクロソフト3社が合弁で設立したインター ネット通信会社「スピードネット」の先行きに、暗雲が立ちこめている。  「世界最先端の速くて安価なインターネット」を目指し、日米のビッグネー ム3社が鳴り物入りで会社を立ち上げたものの、通信の品質や採算面で計画ど おりにいかないおそれが出てきた。今夏のサービス開始の延期や計画の見直し ・縮小の他、事業自体の空中分解を懸念する声も出ている。  スピードネットは、東電が敷設している光ファイバー網を活用、NTTの回線 を使わず電柱などに無線の基地局端末を取り付けて家庭や企業を結び、接続料 と通信料をあわせて月額数千円の定額制サービスを提供する計画だった。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  光通信の“悪徳”商法や、ソフトバンク・孫氏の“虚業”商法については、 都度かわら版で指摘、警鐘を鳴らしてきた。スピードネットについても、計画 発表時に“虎の威を借る”戦略に過ぎないと断定した。  036号「ソフトバンクのCS受信機“無料配布”計画に思わぬに波紋」     http://www.micle.co.jp/kawara/kawara036.txt  052号「“事業家”から“虚業家”に変貌した?孫正義氏」     http://www.micle.co.jp/kawara/kawara052.txt  059号「“虎の威を借る”戦略の狙いは?」     http://www.micle.co.jp/kawara/kawara059.txt  これまで両氏については、一部の週間誌などがスキャンダラスに取り上げる のみだった。日経ビジネス誌が3月20日号「光通信、超拡大主義の歪み」と題 し特集したのを始め、最近、賢明な大マスコミもようやく重い腰をあげたよう である。両社の株価は連日ストップ安が続いている。  「ソフトバンクや光通信は、いったいどんな会社と評価されているのだろう ?」参照 http://www.zdnet.co.jp/zdii/0004/04/an_004_2.html  両氏の実態が白日のものとなることにより、多くの犠牲者が救われる。両氏 に群がることで甘い汁を吸おうとした輩達にも鉄槌が下されるであろう。マイ クルにとっても極めて嬉しいことである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●新生DDIのなぜ? ─────────────────────────────────── ○新生DDI、合併契約に調印。トヨタなぜか及び腰  (日経産業新聞4月6日付記事より)  http://www.ddi.co.jp/release/000405b/ (プレスリリース)  DDI、KDD、IDOの3社は、10月1日を合併期日とする合併契約を締結した。昨 年12月に発表された内容とほぼ同じで、存続会社はDDI、代表取締役社長には、 奥山雄材氏(DDI代表取締役社長)が就任する他、名誉会長にはトヨタの豊田章 一郎氏と、京セラの稲盛和夫氏が就任する。  新会長には、経済同友会の前代表幹事である牛尾治朗ウシオ電機会長が就任 する。会長職は京セラに次ぐ第二位株主のトヨタ自動車のポストとの見方も強 かったが、「財界代表」に席を譲った。  通信自由化をけん引してきた異業種参入組の代表選手・トヨタの“及び腰” はなぜか。 ・トヨタのモノ作りの発想は通信事業に馴染まなく、テレウェイ(長距離)、  IDC(国際)、IDO(移動体)3社とも整理・統合せざるを得なかった。 ・国際再編の加速、環境対応など本業がかつてない大競争にさらされる中、投  資に見合う利益を生まない通信事業にこれ以上の巨費を投じ続けることに社  内の反発も。  トヨタは会長職に固執せずに新DDIへの過度の肩入れを避けたことで、通信 事業で生じるリスクを減らした。しかし、通信はITS(高度道路交通システム) の中核技術であり、将来はトヨタ車の商品力を左右する。リスク軽減がITSの 展開などでマイナスに働く可能性もある。 ─────────────────────────────────── ○次世代携帯電話にドコモ方式採用。DDIなぜ変節?  (日経産業新聞3月16日付記事より)  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc1451.html  DDIは、2002年に開始予定の次世代携帯電話サービスの技術規格に、NTTドコ モが欧州企業などと共同で考案した「W-CDMA方式」を採用する。同社は現行サ ービス(cdmaOne)の延長線上の「cdma2000方式」を採用すると見られていたが、 最大の競争相手ドコモが核になってまとめた規格を採用する。  DDIはなぜ、“変節”したか?。 ・性能面では差が無いが、インフラ設備が異なる。cdma2000を採用すれば現行  設備が利用できるが、W-CDMAは全く新たな設備投資が必要。 ・W-CDMAは2002年から欧州各国でサービスが始まる。cdma2000は北米での採用  が見込まれているが、デジタル化が遅れ未だアナログ方式が主流の米国は、  次世代型は2005年頃のサービス開始の見込み。cdma2000は当分国内限定サー  ビスになりかねない。  ドコモ方式採用の副作用は大きい。有利子負債1兆円を超すDDIの財務改善を 遅らせる。NTT方式を採用したデジタル携帯電話では、新端末やサービスの投 入でことごとくドコモに遅れを取った。挽回のチャンスであるcdmaOneも販売 シェアで大きくリードされ、iモードに代表されるインターネットサービスで も出遅れた。  三社合併のテーマである「NTT対抗軸の形成」に課題は山積している。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  なぜなぜばかりじゃ、NTTに対抗できっこない!。ますます進むNTTの巨大化 =マルチメディア反革命が、いずれこの国を蝕みそして滅ぼす予兆を感じるの だが…。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●地域ポータル関連の話題から ─────────────────────────────────── ○角川、地域ポータルサイト運営会社設立  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/NEWS/20000406004.html  角川書店は、米オンラインチケット販売最大手チケットマスター(TMCS)、 JCB、住友商事等と共同で、地域ポータルサイトを運営する新会社「ウォーカ ープラス・ドット・コム」を設立した。  角川の地域情報誌「Walker」などの情報をベースに、各地域ごとにエンター テイメント情報やレストラン情報、コミュニティ、チケット販売などを提供す る。当初は、Webサイトで紹介する店舗から情報掲載料を徴収するビジネスを 中心に、EC事業や次世代携帯電話向けサービスも展開する。  6月に横浜から開始し、10月には東京、大阪、神戸のサイトを立ち上げ、以 降順次提供地域を拡大する。 ─────────────────────────────────── ○NTT東日本、地域ポータルソリューション構築へ  (日経産業新聞4月3日付記事より)  NTT東日本は、インターネットを通じて地域密着型の生活情報を提供したり、 中小企業向けのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)事業を支援す る「地域ポータルソリューション」の構築に取り組む。  パソコンに精通していない主婦や高齢者向けの「日常生活ポータル」、中小 企業向けASP事業が対象の「スモールビジネス」、地域の教育委員会と小中学校 を対象とする「教育ネットワーク」の3つの事業スキームを検討する。  イベント情報などコンテンツを持つ民間企業へも参加を呼びかけ、9月を目処 に事業モデルを構築、ネットワーク構築に必要な常時接続型サービスや情報端 末などを提供するビジネス機会を増やす。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  「情報リテラシー向上による、地域コミュニティ復興と新産業創出」を目指 し、“地域”関連の話題について、かわら版でも随時取り上げて来た。  角川の地域ポータルサイト新会社設立についても、081号「“地域”関連の 話題から」で取り上げた。 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara081.txt  さて、本日未明、妻の愛猫「メリ」が老衰(10才)&病気(病名不明)で、看護 の甲斐もなく永久の眠りについた。今日あるを予期して、NTTの電話帳やネッ ト版「タウンページ」で、ペット霊園について調べた。いずれも住所や電話番 号、サービスや料金概要はわかるものの、詳細については不明。  鎌倉にある大規模?な霊園にしようとしたが、ホームページを確認すると、 火葬場は厚木にある。一方、電話帳広告にあった小規模?な霊園のページを見 ると、連絡先住所とは異なり、火葬場・霊園は何と自宅から15分。フリーダイ ヤルは24時間。火葬場のオープン時間は朝8時から夜7時まで。  ということで、今朝早速お世話になりました。“ネット”と“地域”のあり 方の実体験の一例でした。(合掌) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●Webリンクが犯罪に。FLMASK作者、わいせつ画像閲覧ほう助で有罪  http://w3.scan.or.jp/sonoda/data/fl_link01.html  「Webページからのリンクが、事と場合によっては犯罪行為となる」という 趣旨の判決が大阪地裁で下された。インターネットの根幹ともいえるリンク機 能が犯罪のほう助にあたると判断された初めてのケース。  モザイク画像処理ソフト「FLマスク」の作者が、ソフトを販売するホームペ ージから、わいせつ画像のあるページにリンクを張り、無修正のわいせつ画像 を閲覧させる手助けをしたとして、わいせつ図画公然陳列ほう助罪に問われた 裁判。「インターネット上にわいせつな情報を氾濫させた刑事責任は軽視でき ない」として、懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡たされた。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  ネット初心者時代に大変お世話になったソフトである。下記に当時の雑感が アップしてある。  「FLMASKについて−アダルトサイトのデファクトスタンダード登場か」   http://www.micle.co.jp/inetzak2.htm  「ネットライフ&続FLMASK−私のネットワーク生活、続FLMASKについて」   http://www.micle.co.jp/inetzak5.htm  「過度な規制や検閲は百害あって一利無し。人類史上“性”文化・産業が果 たした役割は、好む好まざる、公然非公然、公認非公認に関わらず極めて大き かった。FLMASKの登場、そしてデファクトスタンダード化が、遅れている我が 国のインターネットの発展・普及を加速させるかも知れない」と記した。  当件についての解説及び判決の影響等は、以下が詳しい。 ・日経BizIT「Webリンクも場合によっては犯罪に--大阪地裁が初判断」 http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/editor/backnum/2000/1h/20000403.html ・日経Pc-Gaz「どこからがネット犯罪(その1) http://pcgaz.nikkeibp.co.jp/pg/pcgaz/minicol/1/col_5.shtml ・日経Pc-Gaz「どこからがネット犯罪(その2) http://pcgaz.nikkeibp.co.jp/pg/pcgaz/minicol/1/col_6.shtml ********************************************************************** 【お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●「法律」関連サイト特集  前記に因み、お勧め「法律」関連サイトをご紹介する。 ○法庫:http://www.houko.com/  六法、条約、法律、省令、政令、規則までが網羅され検索できる。 ○インターネット弁護士協議会:http://www3.justnet.ne.jp/~ilc/  法律問答集やレポートなど。法律関連検索エンジン、関連リンク集も充実。 ○電脳世界の刑法学:http://w3.scan.or.jp/sonoda/  不正アクセスやサイバーポルノ等について詳細な検討と裁判例を掲載。 ○予防法務ジャーナル「そよ風」:http://www2.justnet.ne.jp/~soyokaze/  貸借、相続、離婚、隣近所とのトラブルまで、事例別対応策を掲載。 ○サイバースペースの法律:http://www.law.co.jp/okamura/index.html  岡村弁護士のページ。「電子ネットワークの知的所有権法FAQ」など。 ○河原崎法律事務所:http://www.asahi-net.or.jp/~zi3h-kwrz/law2.html  婚姻、相続、労働、賠償等を事例別に解説。弁護士費用計算機も便利。 ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、サイバー・プランニング・カン  パニー「マイクルプラン」の機関紙です。加入メンバーにマイクルより直接  配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、 plan@micle.co.jp 宛ご連絡下さい。 ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無  く転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■□企画・制作・発行■□ (有)マイクル http://www.micle.co.jp/        231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406             TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 **********************************************************************