**********************************************************************      ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■           第 086号 2000年 3月27日発行         〜総配信数 1,630部(含抄録版) Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中から  厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。             by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan ********************************************************************** <お知らせ>  電網かわら版をご講読いただきありがとうございます。前号でご案内したよ うに、来月よりかわら版の位置づけや発行形態を見直し、新たにスタートいた します。主な変更内容は以下のとおりです。 1.かわら版の位置づけ  “全文版”を、サイバー・プランニング・カンパニー「マイクルプラン」の 機関紙とします。全文版の講読は、原則としてマイクルプランへの加入が必要 となります。  *“抄録版”は、これまでどおり「まぐまぐ」「Macky!」を利用し、無料で   配信いたします。  *マイクルプランも、リニューアル、再スタートいたします。詳細はホーム   ページをご覧下さい。 http://www.micle.co.jp/plan/ 2.発行頻度  月2回(隔週)の発行といたします。次号は4月10日配信予定です。 3.変更後の講読手続きについて  ・マイクルプランにご加入の方:   ご面倒ですが、4月末日までに上記ページで再度メンバー登録をお願いい   たします。新たな会費は不要です。   退会する場合はメールにてご連絡下さい。 plan@micle.co.jp  ・カンパ(購読料)をいただいた方:   講読を継続される場合は、マイクルプランにご加入下さい。会費は不要で   す。中止される場合はメールにてご連絡下さい。 wata@micle.co.jp  ・無料講読中の方   引き続き講読を希望される場合は、マイクルプランにご加入下さい。会費   は以下のとおりです。中止される場合はメールにてご連絡下さい。    個人メンバー会費: 1,000円(1口)    法人メンバー会費:10,000円(1口) 4.経過措置について  5月発行分より、全文版をマイクルプランのメーリングリスト上にて配信し  ます。4月末までに上記のご連絡がない場合は、全文版から抄録版に切替え  「まぐまぐ」にて配信させていただきます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【最近のマルチメディアニュースから】 01.NTTの新事業関連の話題から  ・NTT、東京/大阪ガスと共同で電力小売事業に参入  ・NTT東日本、BSデジタル放送の受信システム運用管理業務会社設立  ・NTT-MEと衛星チャンネル、CSテレビ番組のネット配信事業で提携  ・日商岩井とNTT-X、日本初の“総合ネット商社”を共同設立 02.“聞く”メディアにビジネスチャンス  ・米で“耳で聞く本”人気。通勤時間にも娯楽や啓発  ・あらゆるニュースを音声でお届け。米で新放送サービス登場 03.ネット検索は、マシンよりも人で  ・人の手によるネット検索サービス発展中  ・無料でボランティアが質問に答えてくれる情報サイト「AskMe.com」 【お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ】 01.郵政省「21世紀の情報通信ビジョン」最終答申骨子案 02.日経BP「Find'X」統計/調査データリンク集 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●NTTの新事業関連の話題から ─────────────────────────────────── ○NTT、東京/大阪ガスと共同で電力小売事業に参入  http://www.ntt-f.co.jp/news/frame-news21.html  NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガス3社は、電力自由化に伴い、電力 小売事業へ共同で参入する。従来のコージェネレーション(熱電併給)システム による高効率エネルギーに加え、天然ガスや風力、太陽光発電などクリーンエ ネルギーによる低廉な電力の販売や、省エネルギーシステムを構築する。  電力小売事業には、外資や大手商社などが名乗りをあげているものの、発電 設備や販売先確保などが課題で、電力業界では「まずはお手並み拝見」といっ たムードが強かった。国内電力消費量の0.6%を占める日本最大級の電力ユーザ ーNTTグループの参入には「いよいよ横綱登場」と警戒を強めている。  85年の通信自由化以来、電力会社の通信事業参入に防戦一方だったNTTに、 攻守交代の好機がようやく訪れた。かつて独占を謳歌してきた公益事業者同士 の垣根を超えた戦いの幕が切って落とされた。 ─────────────────────────────────── ○NTT東日本、BSデジタル放送の受信システム運用管理業務会社設立  http://www.ntt-east.co.jp/release/0003/000323.html  NTT東日本は、今年12月に始まるBSデジタル放送用限定受信システムの運用 管理業務会社「NTTメディアクロス」を設立した。資本金は52億円で同社が全 額出資する。  BSデジタル放送では、ICカードを利用して特定の契約者に対してのみ番組の 視聴やメッセージ送信を実現する仕組み(限定受信システム)が統一的に提供さ れる。当面、ICカード利用情報等の維持管理や放送事業者へのフィードバック などの運用管理業務を担当するとともに、将来は、有料放送の視聴者情報管理 等、放送関連プラットフォーム事業を企画・運用する。 ─────────────────────────────────── ○NTT-MEと衛星チャンネル、CSテレビ番組のネット配信事業で提携  http://www.ntt-me.co.jp/news/news2000/nws000323a.html  NTTエムイーは、CSデジタル放送でニュース専門チャンネル「朝日ニュース ター」を放送する衛星チャンネルと、テレビ番組の中高速インターネット向け 配信事業で提携した。  記者会見情報等CS番組をネット配信する他、CS放送とインターネットを融合 させた番組づくりや、企業や個人ユーザを対象とした情報提供サービスなどの 新ビジネスを開発する。  関係強化のためNTT-MEは、衛星チャンネルに1億5千万円(2.68%)出資する。 ─────────────────────────────────── ○日商岩井とNTT-X、日本初の“総合ネット商社”を共同設立  http://www.ntt-me.co.jp/news/nttx2000/nws000317.html  日商岩井とポータルサイト「goo」を運営するNTTエムイー情報流通(NTT-X) は、ネット上での企業間取引(BtoB)を仲介する総合ネット商社「イービストレ ード(ebisTrade)」を共同で設立する。資本金は4億円。日商岩井が66%、NTT-X が34%出資する。  主な事業内容は、産業別「業界ポータルサイト」の開設による総合的ECプラ ットフォームの提供。3年後の目標取扱高は3兆円。2003年には国内市場規模が 68兆円にまで成長するとされる企業間EC市場でイニシアチブを握るのが狙い。  サイト構築に必要な企業に対する審査/与信ノウハウや決済機能、物流サー ビスなどを日商岩井が提供、WWWサーバーの構築やコンテンツ作成などのノウ ハウをNTT-Xが提供する。「業界ポータルサイト」が軌道に乗った段階で、当 該業界のパートナー企業からも出資を募り、別会社として独立させる。  両社は、この事業モデルをビジネスモデル特許として申請した。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  下記は、NTTグループのニュースリリースを集約したページである。  http://www.ntt.co.jp/gnews/index.php3  先週1週間で、NTTコム(コミュニケーションズ)やドコモ始め、何とグループ 全体で24件ものリリースが発表されている。  通信やネット関連はもちろん、放送事業始め、電力事業や教育関連、そして 金融や流通事業まで…。通信の巨像が、これまで蓄積したIT技術と人・物・金 を、ありとあらゆる分野へなりふりかまわず注ぎ込み様が見えるようである。  マルチメディア革命の真っ只中、その戦略は、他の通信事業者や保護・規制 に胡座をかく既存産業や大企業の遥かに先を行くようにも思える。(さぞかし 頭のよい企画屋を大勢抱えているのだろう)  しかし、“頭”でわかっただけでは決して成功できない。新時代・新事業に 適応すべく“体”(組織と社員)そのものを、変革できるか否かが鍵である。  「組織の盛衰」「大変な時代」など、堺屋太一氏の著作はいずれも素晴らし い。しかし経済企画庁長官としての氏を見ると、官僚としての体質が色濃く残 っているように感じられる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●“聞く”メディアにビジネスチャンス ─────────────────────────────────── ○米で“耳で聞く本”人気。通勤時間にも娯楽や啓発  (日経産業新聞3月23日付「流行ウォッチング」より)  米国では近年、“読む”代わりに“聞いて”本を楽しむ人々が増えている。 人々がますます多忙を極め、毎日の車での通勤時間でさえもが、貴重な憩いの 場、自己啓蒙の場となってきているのがその理由だ。  市場に出回った当初オーディオテープは、書籍の要約短縮版が主流を占めて いた。現在では1冊の書籍をオリジナルのまま楽しみたいというリスナーが大 多数。ニューヨーク市郊外の住宅地区に先月オープンした書籍のオーディオテ ープ専門レンタル/セールスショップは、毎日車で通勤する忙しいビジネスマ ン・ウーマンに重宝されている。  インターネットやテレビの“見る”メディア間の視聴時間争いは激化してい るが、“聞く”メディアにはまだ新しいビジネスチャンスがありそうだ。 ─────────────────────────────────── ○あらゆるニュースを音声でお届け。米で新放送サービス登場  http://www.hotwired.co.jp/news/news/3909.html  米コマンド・オーディオ社は、新聞雑誌からラジオ、テレビなどあらゆるメ ディアの主要なニュースを集めた200以上の音声番組を、携帯端末向けに放送 する事業を開始した。  端末には絶えず最新のニュースがアップデートされ、ユーザーはどの番組を ダウンロードするかを選択できる。カーオーディオ用接続コネクターも用意さ れ、当初はクルマ通勤者の利用が期待されている。  音声信号は衛星から各地域のFM放送局に送信され、そこからFM周波数帯の未 利用部分を利用して受信装置へ送られる。同社は、この技術をPDAや携帯電話 などにも組み込むことを目指し、モトローラのインターネット・カーラジオ 「iRadio」にライセンス供与した。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  かわら版041号「ラジオが復権する!」で、オールドメディア「ラジオ」の 可能性に言及し、電気通信大学の竹内教授の以下の見解をご紹介した。  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara041.txt  電話の帯域は4KHz程度、ステレオ機器でも20KHz程度で、テレビ放送の4MHz と比べると2ケタぐらいの情報量の差がある。映像や視覚が優れ、マルチメデ ィアの主役は画像または映像で、音は花形ではないと思いがちだ。  しかし音の役割は映像に劣らない。音は映像以上に臨場感をもたらす。受動 的かつ全方位的で守りの感覚の聴覚と、攻めの感覚の視覚が相俟ってこそ、同 じ部屋で一緒に仕事をしたり、会議をしたりという空間共有感覚が得られ、理 想的なコミュニケーションがとれる。  “聞く”メディアこそ、新たなビジネスチャンス! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ネット検索は、マシンよりも人で ─────────────────────────────────── ○人の手によるネット検索サービス発展中  http://www.hotwired.co.jp/news/news/3865.html  ネットサーフィンや、情報検索、電子商取引の注文などインターネットの手 助けに、マシンではなく人間を使う傾向が最近どんどん顕著になっている。  ユーザーをさまざまな分野の専門家と結ぶサイトが多数登場、電子商取引サ イトや旅行サイトでも、電話注文受付係やトラブル相談係を増強している。  調べものをする暇がない場合や、パソコンが手近にない場合でも、電話する だけで、専門家がユーザーの代わりにネットに接続して応えてくれる。  検索サービスで収入を得ることは、従来の検索エンジンでは、はるか以前に あきらめられていたが、人の手によるこのようなサービスで利益を上げること は夢ではなさそうだ。 ─────────────────────────────────── ○無料でボランティアが質問に答えてくれる情報サイト「AskMe.com」 http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0321/askme.htm http://www.askme.com/  サーチエンジンで情報を探すためには、ややこしい検索語をよく検討して入 力しなければならない。しかも、その結果吐き出されるサイトをいちいち見て 回るのは、非常に手間がかかる。  こんな不便にうんざりした元Microsoftのエンジニアが立ち上げたサイトが 「AskMe.com」。基本コンセプトは、「自分で探すよりも、そのことについて よく知っている専門家に質問すれば最善の答えが得られる」。  テクノロジー、コンピューター、教育、金融アドバイスから、宿題の手助け まで、およそ2,000のカテゴリーにボランティアの専門家が分類され、各専門 家が過去にどのような質問にどのように答えたか、その答え方に質問者は満足 したか、といった情報を見ることができる。  適当な専門家が見つかったら質問を入力すればよいし、逆に、自分のよく知 っている事柄があれば、自分を専門家として登録することもできる。サイトに は現在3万の専門家が登録され、これまでに20万の質問がなされてきた。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  ポータル競争に明け暮れ、本来の検索機能が疎かになった検索サイトの実態 については、かわら版036号「検索サイトの意外な実態!、情報量膨張で破綻 が迫る?」で取り上げた。 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara036.txt  望まれていた“賢いやり方”は、“マシン(コンピュータ)”の性能向上や、 新システムの開発ではなく、上記のように明らかに“人”に頼る方向を示して いる。アナログ的で非効率に見える“人”の介在だが、デジタル全盛の新時代 にとって、時代錯誤的ではあるが、極めて本質を突いていると思う。  “エージェント(代理人)”という用語は、コンピュータ分野では、自律的に 動作し、利用者が目的とする作業を行うソフトをいい、利用者の代理人として 逐一指示されなくとも、利用者の意思にそった働きをする。  人工知能の研究も進んでいるようだが、まだまだマシンより人の方がエージ ェントとして適しているようである。  起業に当たり新ビジネスの切り口として掲げたのは、「サイバー」「エージ ェント」「リテラシー」「コンテンツ」の4つのキーワード。初心に帰り、今 後のマイクルプランの展開を再検討したい。 ********************************************************************** 【お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●郵政省「21世紀の情報通信ビジョン」最終答申骨子案  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/tsusin/000310j501.html  21世紀の潮流の一つに「通信・放送の融合化」をあげた他、インターネット の高速化、常時接続化、低廉・定額化を一層推進するための総合的支援体制の 提案や、今後の課題として情報格差の是正とセキュリティ対策をあげている。 ─────────────────────────────────── ●日経BP「Find'X」統計/調査データリンク集  http://findx.nikkeibp.co.jp/data_0.html  「官公庁統計」「通信・情報業界動向」「インターネットユーザー調査」 「インターネット関連統計」「電子商取引・EC動向」「ビジネス情報源」に分 類されたリンク集の中から、ネット関連データの入手先を紹介する。 ○利用者数、利用者のプロフィールなどの基本データ  ・Yahoo! JAPAN 第6回ウェッブ・ユーザー・アンケート結果   http://www.yahoo.co.jp/docs/result/result6/  ・第11回CSJWWW利用者調査結果   http://www.csj.co.jp/www11/  ・日経ネットビジネス「第9回インターネット・アクティブ・ユーザー調査」   http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/200001/nmmq9.html  ・インターネット利用者動向情報サービス「Nielsen//NetRatings」   http://www.netratings.co.jp/press_releases.htm ○ウェブサイトの人気度データ  ・Japan Access Rating(ジャパン・アクセス・レーティング)   http://www.istinc.co.jp/jar/jar_sum/jar0013.html  ・インターネット視聴率センター   http://audit.nikkeibp.co.jp/audit/news.htm ○各種ネット関連データ  ・Internet Business Center   http://ibc.cmclub.com/  ・サイバービジネスの法則集   http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/fri/cyber/ ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、サイバー・プランニング・カン  パニー「マイクルプラン」の機関紙です。加入メンバーにマイクルより直接  配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、 plan@micle.co.jp 宛ご連絡下さい。 ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無  く転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■□企画・制作・発行■□ (有)マイクル http://www.micle.co.jp/        231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406             TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 **********************************************************************