**********************************************************************      ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■           第 085号 2000年 3月13日発行         〜総配信数 1,680部(含抄録版) Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中から  厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。             by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan ********************************************************************** <お知らせ>  電網かわら版をご講読いただきありがとうございます。  昨年4月、全文版を「読者登録&カンパ制」に変更、抄録版は従来どおり無 料講読にて運営してまいりました。1年が経過し、マイクルを取り巻く諸環境 も大きく変化しました。そこで来月より、かわら版の性格や位置づけ、発行形 体を再度見直し、新たにスタートしたいと思います。  つきましては、次週は休刊とし、27日発行予定の086号で新運営体制をご案 内させていただきますので、よろしくお願いいたします。 【最近のマルチメディアニュースから】 01.プレステ2関連の話題から  ・初回販売台数は98万台、うち約40%がネット販売  ・DVDプレーヤー機能、画質は満足、操作性には難あり  ・メモリーカード不具合等リコールの噂で、ソニー株が暴落 02.ゲーム機関連の話題から  ・任天堂と電通、携帯電話&携帯ゲーム機向けゲームソフト開発会社設立  ・セガ、ドリキャスの国内販売不振で、業績予想を下方修正  ・マイクロソフト、家庭用ゲーム機「X-Box」を正式発表 03.ソニー関連の話題から  ・So-net、新年度事業計画を発表。CS放送と連動、メディア企業へ脱皮  ・ソニーと東急、トヨタ、共同でCATV向けコンテンツ配信事業会社設立  ・SME、有料音楽配信サービス「bitmusic」で別会社の音源を配信  ・家電ネット直販「ソニースタイル」、立ち上げ1ヶ月経過 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●プレステ2関連の話題から  http://www.scei.co.jp/ps2/index3.html (SCE PS2公式ページ)  http://findx.nikkeibp.co.jp/ws/sp00ps21.html (日経BP Find'X PS2特集) ─────────────────────────────────── ○初回販売台数は98万台、うち約40%がネット販売  http://www.scei.co.jp/corp/pdf/000306.pdf  ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、3月4日に発売を開始し たプレイステーション2(PS2)の販売台数が、6日までに98万台に達した。  内訳は、既存取扱店約7,900店とコンビニ約18,500店の合計約26,400店が60 万台、インターネットによる販売が2週間先の配達分まで含めて38万台。  6日までの生産出荷台数は累計72万台。ゲーム内容を記憶させるメモリーカ ードの部品不足で、発売後2日間で100万台という目標は達成できなかった。 ─────────────────────────────────── ○DVDプレーヤー機能、画質は満足、操作性には難あり  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20000309/ps2.htm  予定通り、無事発売されたプレステ2。もちろんメインの使い方は華麗なグ ラフィックを使ったゲーム。しかし、DVDプレーヤーとしての機能も備えてい たからこそ、PS2が一般メディアにまで注目されたことは確かだ。  DVDプレーヤーとしての機能と性能を検証すると、 ・画質 :入門機としては満足できるレベル ・音質 :映画を普通に鑑賞するには問題ないが、光出力で音飛びが発生 ・操作性:必要機能はほとんど搭載しているが、専用機に負ける ・結論 :ファームウェアで随時アップデートできるため、今後に期待 ─────────────────────────────────── ○メモリーカード不具合等リコールの噂で、ソニー株が暴落  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20000310/ps2p.htm  SCEは、9日までのPS2に関する問い合わせ状況を発表した。総数は約12,300 件で、本体の使用方法に関するものが全体の約26%を占め、メモリーカードの 不具合に関するものは約340件。  ゲームを遊んだ後にDVDビデオが再生できなくなるなどの現象は、特定のPS2 対応ソフトウェアに起因するものではなく、メモリカード個別の不良だと推定、 一部海外などで報道された「メモリーカードの生産中止あるいはリコール」と いう噂を否定した。  この噂も影響して、ソニーの株価は10日一時ストップ安まで暴落、今回の発 表は、これに対応する意味も含まれていると推測される。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  Eコマースサイト「プレイステーション・ドットコム」で2月18日に開始され たプレステ2の予約受付は、最初の1分間で10万ヒットという前代未聞の記録的 アクセスでサーバーがパンク。4日の発売当日も量販店の店頭に徹夜組みを含 め長蛇の列ができるなど、たかがゲーム機の発売にしては、あまりにも異常な 過熱状況が現出した。  サーバーダウンや、顧客情報流出などのトラブルにもかかわらず、ネット販 売台数は38万台と全体の約40%を占め、ソニーの狙いどおりに推移している。  プレステ2とSCEの位置づけ、ソニーグループでの役割について日経産業新聞 3月3日付記事は、以下のように解説した。  ソニーグループはプレステ2を単なる高性能ゲーム機として売り出すだけで なく、インターネットを利用した直販や、最先端半導体技術の蓄積といったグ ループ戦略を進めるための“先兵”として活用しようとしている。実験的製品 を次々と投入したソニーはかつて、松下電器産業との対比で“モルモット”と 評されたことがあった。今ではソニー自身が巨大化し、暴れん坊のSCEがグル ープ内モルモットとして業界の“憎まれ役”を演じているように見える。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ゲーム機関連の話題から ─────────────────────────────────── ○任天堂と電通、携帯電話&携帯ゲーム機向けゲームソフト開発会社設立  http://www.nintendo.co.jp/n10/news/000229a.html  任天堂と電通は、ゲームソフト開発の新会社「エヌディーキューブ」を共同 で設立した。資本金は3億円。出資比率は任天堂78%、電通13.3%他。  新会社は、コミュニケーション・ツールとしての携帯電話と携帯型ゲーム機 を組み合わせ、従来のゲームソフトの枠にとらわれない、新しいゲームソフト を開発・提供する。  また、メディアミックスによるプロモーションの実施や、広告メディアとし てのゲームの可能性を開拓する。 ─────────────────────────────────── ○セガ、ドリキャスの国内販売不振で、業績予想を下方修正  http://www.sega.co.jp/sega/corp/news/nr000229_2.html  http://www.sega.co.jp/sega/corp/news/nr000229_3.html  セガ・エンタープライゼスは、主力の家庭用ゲーム機ドリームキャストの国 内販売不振など、2000年度3月期の業績予想を大幅に下方修正した。  ドリキャスは、米国、欧州市場では計画を上回る好調が継続、販売累計は期 末で500万台以上としているものの、国内の2000年度下期の販売実績は、年末 年始商戦で苦戦したため、本体60万台・ソフト430万本と、当初計画(110万台、 875万本)を大きく下回る。計画未達により、最終赤字は109億円から250億円近 く増えて353億円になるという。  同時に、筆頭株主CSKと、大川功会長(CSK会長兼務)個人を対象とした第三者 割り当て増資を実施する。各々が約500億円を引き受け、約1000億円の資金を ネット事業への投資や、転換社債の償還資金に充当する。 ─────────────────────────────────── ○マイクロソフト、家庭用ゲーム機「X-Box」を正式発表 http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/031000xbox.htm http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20000310/xbox.htm http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/gen/96637  米マイクロソフトは、家庭用ゲーム機「X-Box(仮称)」の開発を正式発表し た。パソコンに代わってゲーム機が家庭のインターネット端末の主役になると の見方もあり、コンピュータで培ったノウハウを生かし高性能ゲーム機を開発、 先行するソニーなど日本勢を一気に追い上げる構え。  X-Boxはパソコンと似た仕様で、現行のゲーム専用機が備えていないHDDやイ ーサネット等を標準装備する点が特徴。ソニーのPS2を意識し、描画速度はPS2 の約3倍の速さという。  発売は2001年秋。価格はPS2並み(標準小売価格39,800円)になると見られる。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  「プレステ2」のライバル達の最近の主なニュースを取り上げた。先行した セガ「ドリキャス」に加え、来年には任天堂の「ドルフィン」そしてマイクロ ソフトの「X-Box」が加わり、熾烈な戦いが開始される。先代同様プレステ2が 独走するのか、それとも?  任天堂は、一世を風靡した家庭用ゲーム機スーパーファミコン後継機「NINT ENDO64」では苦戦するものの、携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」やポケモンシ リーズの大ヒットで相変わらず絶好調。松下電器と共同開発する次世代ゲーム 機「ドルフィン」でプレステ2に対抗する。  セガの社運を賭けたドリキャスは、海外では米AT&Tや英BTとの提携など好調 なようだが、如何せん国内が悪すぎる。ネット接続機能の標準装備などPS2と の違いや優位性を強調するものの、更なる苦境に追い込まれる可能性も。  そして、一時はセガとの共同開発も検討された、噂のマイクロソフトの「X- Box」。しかし、パソコン業界の巨人といえどもゲーム機業界では新参者。将 来性ある全ての分野に参入するのがマイクロソフト流のやり方だが、X-Boxに 関しては前途多難との見方が強い。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ソニー関連の話題から ─────────────────────────────────── ○So-net、新年度事業計画を発表。CS放送と連動、メディア企業へ脱皮  http://www.so-net.ne.jp/corporation/release/2000/000307.html  インターネット接続サービス「So-net」を運営するソニー・コミュニケーシ ョン・ネットワーク(SCN)は、2000年度事業計画を発表した。インターネット と放送メディアとの融合を進め、会員数を2000年度250万人、2003年度1,000万 人突破を目指す。  ADSL対応など接続サービスの高付加価値化、エンタテインメントコンテンツ の拡充、決済機能等の強化によるECビジネスモデルの確立に加え、更なる飛躍 を目指しCSデジタル放送事業にも参入、放送とインターネットを連携させ総合 メディア企業への脱皮をはかる。 ─────────────────────────────────── ○ソニーと東急、トヨタ、共同でCATV向けコンテンツ配信事業会社設立  http://www.world.sony.com/JP/News/Press/200003/00-0309/  ソニー、東京急行電鉄、トヨタ自動車3社は、CATV網などの広帯域インター ネット向けに、コンテンツ配信やオンラインサービスを行なうための企画会社 「AII(エー・アイアイ)企画(仮称)」を設立することで合意した。  資本金は1億5千万円。出資比率は各社1/3づつ。代表取締役には、ソニーの 堀籠俊生・上席常務が就任する。  4月上旬に企画会社を設立し、10月頃をめどに事業会社へ移行。同時期から 試験サービスを開始し、2000年1月頃から商用サービス開始を目指す。 ─────────────────────────────────── ○SME、有料音楽配信サービス「bitmusic」で別会社の音源を配信 http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0309/bitmusic.htm http://bit.sonymusic.co.jp/ (bitmusic)  ソニー・ミュージックエンタテイメント(SME)が運営する有料音楽配信サー ビス「bitmusic」は、新たにアンティノス(アンチソニーの意味)レコード所属 アーティストの楽曲を配信する。同社はSMEの100%子会社ではあるが、別法人 として活動する独立レコード会社で、bitmusicにとって初めての別会社の音源 の配信となる。 ─────────────────────────────────── ○家電ネット直販「ソニースタイル」、立ち上げ1ヶ月経過  (日経産業新聞3月6日付記事より)  ソニーが家電メーカー初のネット直販事業を立ち上げてから1ヵ月が経過し た。SCEのネット直販ではゲームソフトなどの値下げ戦略を打ち出す一方、AV 機器では価格差戦略は取らない。動揺する流通業界への配慮も働くとみられる が、価格以外の何を魅力とするのか。  佐藤社長は、「ネットを使ったからといってコストはそんなに下がらない。 それよりも色々な消費者の色々な要望にこたえられるネットパワーを生かし、 色々な売り方ができる電子商取引の基盤を確立することが目標」「オーダーメ ード要素を強めたネット独自のカスタマイズ商品で、物の作り方や工場の仕組 みも変えていきたい」と語った。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  我国そして世界の家電市場をリードしたのは、まぎれも無く“モルモット” ソニーである。そのビジネスは今や音楽・映画などのエンターテインメント事 業から、ゲーム機やパソコン・インターネット、通信・放送事業まで、まさに マルチメディア企業と言うに相応しい陣容を誇る。  So-netの新年度事業計画にもあるように、高速・定額接続環境の整備、モバ イル利用者の拡大、ECビジネスの飛躍的拡大、デジタル放送の本格化等、ネッ トを取り巻く環境が大きく変革する中、再び“モルモット”としての新たな役 割を果たそうとしている。  “ソニータイマー”という言葉があるようだ。愛機「VAIO 505X」を購入し てから、ちょうど2年経つ。自宅とオフィスで手を触れなかった日は一日たり ともない。もちろんこのかわら版もVAIOで執筆・発行している。  先々週、液晶画面と本体とをつなぐヒンジ部の片方に亀裂が入り、ぐらぐら になってしまった。一瞬真っ青になった。新品を買うのは早すぎるし、何より 手慣れている。サポートセンターに電話すると、部品・修理代で何と2万6千円 とのこと。ガムテープを貼るなどの処置で恐る恐る使っている。持ち運び用バ ッグもより堅牢なノートPC専用タイプに買い換えた。  “モルモット”は良いが、“タイマー”は止めて欲しい。 ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メール  マガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登  録メンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無  く転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■□企画・制作・発行■□ (有)マイクル http://www.micle.co.jp/        231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406             TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 **********************************************************************