**********************************************************************      ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■           第 084号 2000年 3月 6日発行         〜総配信数 1,680部(含抄録版) Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中から  厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。             by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 01.BS/CS衛星放送の話題から  ・スカパー・ディレク、CS事業を統合  ・スカイエンター、放送免許6つ一気に返上の荒療治  ・アクションTV、視聴料を月額500円から198円に値下げ  ・NHKのBS放送契約件数が1000万件を突破  ・BSデータ放送会社「メガポート放送」発足、目玉のECサービスは3年後に 02.通信・放送の融合が加速  ・NHKとNTT、通信・放送に相互参入  ・経団連、「新情報通信法」を提言へ 03.コンビニ、キオスク端末の話題から  ・ローソン、コンビニ決済・物流サービス「econtext」開始  ・コンビニ5社、電子商取引でトヨタと提携、共同の端末開発検討へ  ・三洋電機、キオスク端末による音楽配信実験を3月中旬に開始 【お勧めホームページ】 01.さくら総研、産業レポート「デジタルラジオの行方」 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●BS/CS衛星放送の話題から ─────────────────────────────────── ○スカパー・ディレク、CS事業を統合  http://www.directv.co.jp/event/script1.html  http://www.skyperfectv.co.jp/info/release/20000302_dirc.html http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/95840  CSデジタル放送「スカイパーフェクTV」を運営する日本デジタル放送サービ スと、「ディレクTV」の経営を主導する米ヒューズは、ディレクTVのサービス を、スカイパーフェクTVに移行させる事業統合を発表した。  1.スカパーへの移行を希望するディレク加入者に、スカパー用受信機を無料   配布し、加入料を無償にする。  2.日本デジタル放送は、ヒューズとディレクの日本側株主に対して3月末ま   でに91億円(株式総数の10.213%に相当)の第三者割当増資を行う。  3.ディレクのサービスを本年12月末で終了、ディレクは清算手続きに入る。 ─────────────────────────────────── ○スカイエンター、放送免許6つ一気に返上の荒療治 http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/95406  ソニー、フジテレビ、ソフトバンク、豪ニューズが均等出資する委託放送事 業大手のスカイエンターテイメントは、前例のない大量の放送免許を返上し、 大規模な事業再構築へ踏み切る。  スカイパーフェクTVで放送中の12チャンネルを、黒字が見込めるスポーツ3 チャンネルと日本映画2チャンネルに経営資源を集中する。北野たけし氏がプ ロデュースする「北野チャンネル」など残りの7チャンネルは、釣り番組を除 きすべて放送免許を返上、3月末に放送を中止する。  放送権購入に多額を費やした結果、資本金40億円に対して180億円弱と言わ れる累積損失を抱え大幅な債務超過に陥っていた。 ─────────────────────────────────── ○アクションTV、視聴料を月額500円から198円に値下げ  (日経産業新聞2月14日付記事より)  ソニー系のチャンネル運営会社SPTVJは、スカイパーフェクTVで放送してい るアクション専門チャンネル「AXN/アクションTV」の月額視聴料を、3月より 500円から198円に値下げする。  1月から期間限定で実施した視聴料値下げキャンペーンが好評で、新規加入 者が急増しており、恒常的に値下げすることでさらなる加入拡大を狙う。 ─────────────────────────────────── ○NHKのBS放送契約件数が1000万件を突破  http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/toptalk/  NHKのBS衛星放送の契約件数が2月末時点で1000万件を突破した。1989年8月 の有料化開始以来、10年7カ月で1000万件の大台に乗せた。 ─────────────────────────────────── ○BSデータ放送会社「メガポート放送」発足、目玉のECサービスは3年後に http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/94890  毎日新聞社や角川書店など15社が共同出資したBSデータ放送専門会社「メガ ポート放送」が発足、12月から提供するサービスの概要を発表した。  サービス開始当初は、文字や静止画によるニュースや生活情報など無料コン テンツを配信、広告を収益源とする。双方向性を生かした通信販売やチケット 予約、音楽のダウンロードなどECサービスは3年後に着手する。  ダウンロードコンテンツをプリンターで直接印刷する“電子新聞”の発行も 検討する。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  3年ほど前、「“混迷”衛星デジタル放送!〜第一楽章は“悪夢の序曲”、 避けられるか移動体の二の舞?」という小論を書いた。  http://www.micle.co.jp/jokyoku1.htm  第二楽章以降を執筆する機会がないまま1年が過ぎ、電網かわら版の発行を 開始した。以降、衛星デジタル放送については、かわら版に舞台を移し、メイ ンテーマの一つとして随時取り上げてきた。  98年5月のパーフェクTVとJスカイBの対等合併、そして今回のスカパーによ るディレクの救済併合は、まさに「来るべきものが来て」「成るべくして成っ た」のであり、正鵠を得た見解や先見性をいささか自負したいと思う。  スカパー・ディレク統合の最大要因は、上記「スカイエンター、放送免許6 つ一気に返上の荒療治」の記事中にもあるように、「今春以降本格的に動き出 す、通称“110度CS”の利用に備えるため」である。  今年12月に放送が始まるBSデジタル放送と同位置の東経110度に、今年8月新 たに打ち上げられる通信衛星をCS放送用に利用して、BSと受信機規格を共用化 すれば、1400万を超えるBS放送視聴者を潜在顧客として取り込める。  日経産業新聞3月3日付記事は、ディレクとの統合を決断したスカパーが最も 意識したのは「BSデジタルでも地上波デジタル放送でもなく、インターネット だった(同社幹部)」とし、「“コップの中のあらし”が収まった後、ネットや 携帯電話、ゲームなど強力なライバルが“1日24時間”という限られたパイを 巡りしのぎを削る中、新生スカパーの本当の戦いが始まる」と報じた。  口先だけでなく、腹の底から本当にそう思っているとしたら、CS放送の未来 は明るいのだが?。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●通信・放送の融合が加速 ─────────────────────────────────── ○NHKとNTT、通信・放送に相互参入 http://it.nikkei.co.jp/it/special/specialCld.cfm?id=20000221eimi062121  NHKが今春、子会社を通じ通信事業に参入する。国際映像の伝送に使ってい た衛星回線の空き容量を第三者に再販する計画で、3月にも郵政相に特別第2種 電気通信事業者の登録を申請する。  NTTの子会社も、BSデータ放送やCATVなど放送事業に参入する予定で、日本 の通信・放送市場に君臨してきた「2つのN」が同じ土俵で相まみえる。  両特殊法人による相互参入はどこまで許されるのか。行政当局による明確な 規定がないまま、デジタルの波が放送・通信の垣根を取り払おうとしている。 ─────────────────────────────────── ○経団連、「新情報通信法」を提言へ http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc1368.html  http://www.keidanren.or.jp/ (経団連 情報未掲載)  経団連は「新情報通信法」の制定を柱とする情報通信分野の抜本的改革案を まとめ、3月下旬政府に提言する。  素案によると、「インターネット時代への対応」「通信・放送の融合への対 応」「通信市場における競争の促進」の3点から、電気通信事業法、電波法、 放送法、有線テレビジョン放送法、NTT法など現行情報通信法制を全面的に見 直し、行政組織の壁を越えた改革が必要としている。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  上記記事は、両社の思惑や周囲の反応を以下のように解説する。  日本の通信市場13兆円のうち、NTTグループは10兆円超を占める。NHKも3兆 円の放送市場のうち6000億円を占める巨人だ。NHKの目から見れば、グループ の株式時価総額が60兆円を超すNTTの放送参入は大きな脅威に映る。  2つの“N”が互いにけん制しあいながら、相互参入を進めれば、あおりを受 けるのは他の民間企業。日本民間放送連盟は相互参入による肥大化を警戒、強 く反発している。  通信と放送の融合を促すデジタル化の波はとどめようがない。特殊法人の業 務範囲はどこまで認められるべきか。郵政省も難しい判断を迫られている。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●コンビニ、キオスク端末の話題から ─────────────────────────────────── ○ローソン、コンビニ決済・物流サービス「econtext」開始  http://digital.garage.co.jp/newsdirect/ (デジタルガレージ)  http://www.econ.ne.jp/ (econtext)  ローソンは、デジタルガレージと提携、全都道府県7,300店のコンビニ店舗 及びキオスク端末を利用し、決済・物流サービスをメインとするECプラットホ ーム事業を開始した。  オンラインショッピングと実際の店舗での代金決済を連携させたもので、ま ず音楽CDやビデオなどを販売しているデジタルガレージの「WebNation」で利 用される。今夏までに約200社の参加企業を募る。 ─────────────────────────────────── ○コンビニ5社、電子商取引でトヨタと提携、共同の端末開発検討へ  (2月26日 時事通信社より)  ユニーグループやファミリーマートなどコンビニ5社は、トヨタとEC事業で の提携について交渉していることを明らかにした。コンビニ業界では同事業の 主導権をめぐる争いが激化しており、独自のEコマース事業「Gazoo(ガズー)」 を展開するトヨタと手を結ぶことで、今後の競争を有利に展開したい考え。  具体的な提携内容は固まっていないが、共同のマルチメディア情報端末の開 発なども検討しているとみられる。 ─────────────────────────────────── ○三洋電機、キオスク端末による音楽配信実験を3月中旬に開始  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0002news-j/0224-1.html  三洋電機は、キオスク端末「サウンドブティック」による音楽配信の実証実 験を関西圏で開始する。音楽をダウンロード販売するほか、CDやグッズのオン ライン販売も行なう。  ダウンロード音楽は1曲200円で販売され、実験ではMDに記録するが、将来的 にはメモリーカードの使用を計画する。端末はプリンターも装備しており、歌 詞カードなどをプリントアウトすることも可能。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  コンビニ及びキオスク端末に関する話題が花盛り?である。かわら版でも随 時取り上げてきた。 076号「セブンイレブン、NEC・野村総研等と共同でEC関連新事業会社を設立」  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara076.txt 077号「ローソン、セブンに続き、コンビニ各社も相次ぎEC事業強化」  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara077.txt 082号「キオスク端末の話題から」  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara082.txt  主要経済誌は、日経ビジネス2月28日号が「コンビニの未来」と題し特集、  「全国に3万6000店を数えるコンビニが、Eコマースや金融サービスの拠点と して注目されている。インターネットや店頭端末を通じて物を買い、コンビニ の店頭で代金の支払いや商品の受け取りをしたり、店内に設置したATMで24時 間いつでも現金の預け払いができるようになると期待されている。セブンイレ ブンがソニーやNEC、三井物産などと組めば、ローソンは三菱商事と、伊藤忠 と組むファミリーマートはサンクス、サークルKなどとコンビニ5社連合を結成 して、情報端末の拡充やコンテンツづくりを急いでいる」とまとめている。  また、週刊ダイヤモンド3月4日号も「コンビニE革命」と題し、「ネットと の融合で異業種殺到、過熱コンビニ争奪戦の舞台裏」「いまや“生活インフラ ”に成長、コンビニ25年の歴史と今後」「銀行も役所も要らない?!コンビニ最 新サービス一覧」「三大勢力の形成で問われるコンビ経営“規模の論理”」に ついてまとめている。  ネット上でも、日本経済新聞社電子メディア局が「動き出したネット革命」 と題したサイトの「Eコマース」の第一回目で取り上げ、「コンビニは日本独 自のBtoC型ECコマースのプラットフォームに」と題しまとめている。  http://rvsv-cus0.hi-ho.ne.jp/compaq/intv5_1_07.html ********************************************************************** 【お勧めホームページ】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●さくら総研、産業レポート「デジタルラジオの行方」  http://www.sakura.co.jp/sir/report/r_econom/00030101.htm  ラジオ(音声)放送は、テレビ放送に比べて地味だが、日頃の身近な情報源、 災害時の重要な情報源として、また個人の携帯利用や車など移動体でのモバイ ル情報メディアとして今後も進化しつづける。  標題レポートは、ラジオのデジタル化の動向やサービスの将来像、普及予測、 他の情報メディアとの競合関係についてまとめたもの。  デジタルラジオ受信機がモバイル情報端末となり、様々な情報・サービスを 提供することにより市場は大きく成長、2010年までに地上波デジタルラジオ受 信端末の普及台数は、携帯放送端末が累計2,800万台、車載端末が累計3,800万 台と見込まれるとしている。 ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メール  マガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登  録メンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無  く転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■□企画・制作・発行■□ (有)マイクル http://www.micle.co.jp/        231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406             TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 **********************************************************************