**********************************************************************      ■□■ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ■□■           第 083号 2000年 2月28日発行         〜総配信数 1,660部(含抄録版) Thanks!〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  インターネット、情報通信、放送関連の話題を、氾濫する情報洪水の中から  厳選、平易かつ簡明に要約・解説してお届けします。             by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 01.iモード加入400万突破。益々進む“ドコモ不況”?  ・iモード、発売1周年で420万人。夏までに全機種にiモード機能搭載  ・メールに偏るケータイ利用。コンテンツより“メル友”ツール  ・音楽用CD、出荷・数量金額とも初の前年割れ 02.定額ネット接続サービスの話題から  ・イー・アクセス、ADSL接続の実験サービスを4月から開始  ・NTT、定額IP接続サービスを月額4,500円に値下げ、提供地域も拡大  ・PHSでも定額ネットサービス。北海道総合通信網が提供開始 03.ネットオークションの話題から  ・イーベイジャパンがNECと組んでいよいよ始動  ・オークションサイト8社が連合へ。会員・商品情報を共有  ・ネットオークション評価サイトがオープン  ・買いたい値段でストップをかける、競り下げ式ネットオークション開始 ********************************************************************** 【最近のマルチメディアニュースから】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●iモード加入400万突破。益々進む“ドコモ不況”? ─────────────────────────────────── ○iモード、発売1周年で420万人。夏までに全機種にiモード機能搭載  http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/2000/02/23/imode1y.htm  (インプレス Mobile Centralより)  NTTドコモの携帯電話サービス「iモード」が、インターネット接続対応端末 の先駆けとして昨年2月に登場してから、22日で1周年を迎えた。  特別な手続きなしで電子メールが使える点や、ネット接続の手軽さが受け、 サービス加入者は423万人(21日現在)を突破、大ヒット商品に成長した。メー ルの利用数は1日当たり1,200万通と、我国最大のプロバイダーとなった。  同社は都内のホテルで記念式典を開催。席上、今年夏までにドコモの携帯電 話すべてにiモード機能を搭載する方針を表明した。 ─────────────────────────────────── ○メールに偏るケータイ利用。コンテンツより“メル友”ツール  (日経産業新聞2月17日付「流行ウォッチング」より)  “ドコモ不況”という言葉がある。若者のプライオリティが携帯電話料金支 払いにあるため、その他の出費が二の次、三の次になっている現象を指す。ス キー、カラオケ、ビデオレンタル、飲食店、化粧品、CD店など、若者対象の業 界がこの“ドコモ不況”に見舞われている。  高校生・大学生は、携帯電話の利用料金として、平均で毎月1万円を自らの アルバイト代から支払い、料金節約のため使い方は電話よりもメールの送受信 が中心。iモードがネット接続端末として登場してから、コンテンツの話題が 目立つが、使っているのは精々終電時間の確認くらい。コンテンツより“メル 友”ツールとして、ポケベルの延長線で使っている。 ─────────────────────────────────── ○音楽用CD、出荷・数量金額とも初の前年割れ  http://ne.nikkeibp.co.jp/d-ce/2000/20000221cd.html  (日経エレクトロニクスより)  http://riaj.japan-music.or.jp/(日本レコード協会 情報未掲載)  日本レコード協会の発表によると、昨年の国内向け音楽用CDの出荷数量は前 年比93%の4億2376万枚、出荷金額は前年比94%の5513億円で、数量・金額とも 初の前年割れとなった。  95年に出荷数量が前年比116%,出荷金額が同112%と成長したのち、96年から 前年比101%〜104%と伸び悩んでいた。協会では「小子高齢化によるCD購買層の 中心である若年層の減少と消費動向の分散化」が原因としている。  800万枚を超えた宇多田ヒカルの「Fisrt Love」など、販売数量が100万枚を 超えたアルバム数が過去最高になった一方、シングルCDは前年比56%の8633万 枚と激しく落ち込み、特定商品に需要が集中する反面、それ以外の商品は売れ ないという状況がはっきりしてきた。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  浅学ながら、“ドコモ不況”という言葉を始めて知った。  昨年8月、iモードの契約者が100万人を突破した時点で、かわら版059号「移 動電話の普及が、情報リテラシー向上を阻害する?」というタイトルで、以下 のように解説した。  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara059.txt  「彼・彼女たちにとっては、“気軽”に使える携帯/PHSがあれば十分であり パソコン・インターネットを活用し、情報リテラシーそしてコミュニケーショ ン能力を向上させることなど無関心以外の何者でもない。悲しいかな!これが 我国の現状。一億総白痴化が、嫌がおうでも進む。」  そして10月の契約数200万突破を取り上げた067号では「データ通信料は、現 在利用者平均月千円で、音声通話の7分の1程度に過ぎない。このままでは“豊 作貧乏”に陥る可能性も。」と指摘した。  上記CDの例にも見られるように、iモードなどネット端末としての携帯電話 の急増は、ドコモや携帯各社が豊作貧乏に陥るだけでは到底済みそうにない事 態を招来しそうである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●定額ネット接続サービスの話題から ─────────────────────────────────── ○イー・アクセス、ADSL接続の実験サービスを4月から開始  http://www.eaccess.net/ (イー・アクセス)  DDIの共同創業者で、慶応義塾大学経営大学院教授の千本倖生氏らによって 昨年11月に設立された通信ベンチャー「イー・アクセス」は、ADSLによる高速 データアクセスの試験サービスを東京、大阪で4月より順次開始する。  同社は、ADSLのほか、データセンター事業や、自前のIPネットワークの構築 を事業内容としている。今回投資銀行のゴールドマン・サックスなどから、資 金調達を受け、株主資本は47億2千5百万円に増加した。 ─────────────────────────────────── ○NTT、定額IP接続サービスを月額4,500円に値下げ、提供地域も拡大  http://www.ntt-east.co.jp/release/0002/000218.html (東日本 発表資料)  http://www.ntt-west.co.jp/news/0002/000218.html (西日本 発表資料)  NTT東日本とNTT西日本は、試験サービスとして提供中のインターネット接続 専用の定額制ISDNサービスの料金を、5月より現行の8,000円から月額4500円に 値下げする。プロバイダがNTT局内に直接ネットワークを接続する場合は、月 額2900円で提供する。提供エリアも東京23区と大阪府の全市に拡大する。  NTTは、当初定額サービスの料金を1万円前後で予定していたが、「高すぎる 」との批判を受け8,000円でサービスを開始、それでもまだ「高すぎる」との 批判は変わらず、値下げに踏み切った。 ─────────────────────────────────── ○PHSでも定額ネットサービス。北海道総合通信網が提供開始  http://www.hotcn.ne.jp/dup/dup.html (HOTCN 発表資料)  北海道総合通信網が運営するネット接続サービス「HOTCN」は、PHSによる定 額ネット接続サービスを3月1日より我国で初めて開始する。  PIAFS規格による32kbpsデータ通信技術を利用、家の中でも外出先でも利用 できる他、料金体系が月額固定(4,800円)で、別途電話料がかからないため、 安心して利用することができる。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  ご存知の方もあろうが、DDI創業時に稲盛氏のもとにNTTから馳せ参じ、DDI 副社長、DDI東京ポケット電話社長を歴任した千本倖生(せんもとさちお)氏。 氏は、新電電の技術的リーダーとしてまた対NTT戦略の要として、通信自由化 後の激しい競争時代を、先頭となって担ってきた。  PHSを提唱したのも千本氏である。残念ながら、PHS事業は本来の“屋外でも 使えるコードレス電話”という当初のコンセプトではなく、立ち上がり時に“ 簡易型携帯電話”という誤った訴求をしたことが大きく響き失敗した。これに より稲盛氏に事実上更迭されたわけだが、氏去りし後のDDIの迷走ぶりを見れ ば、氏の存在が如何に大きかったかがわかるであろう。新事業に期待したい。  さて、高速・定額のインターネットアクセスサービスの話題が賑わいを見せ ている。先行した「CATV」や最近話題の「ADSL」の他、「ISDN」によるIP接続 サービス、ソフトバンクや東京電力が出資するスピードネットが予定する「無 線LAN」技術を使ったサービス、そして「PHS」のサービスも開始された。  如何にも、もうすぐ手の届くという感じではあるが、どっこい、そうは簡単 に問屋が卸さない!。以下が指摘するように、日本の隅々にまで快適なインタ ーネット利用環境が整うのは、まだまだ先の話である。 「激化するネット定額接続サービス競争」 http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comp/94868 (日経Biz TECHより) 「ADSLだけでは快適なインターネット環境は手に入らない」 http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/editor/backnum/2000/1h/20000216.html (日経Biz IT 「記者の眼」より) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ネットオークションの話題から ─────────────────────────────────── ○イーベイジャパンがNECと組んでいよいよ始動  http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/0002/1701.html(発表資料)  http://www.ebayjapan.co.jp/ (イーベイジャパン)  http://channel.goo.ne.jp/ch11/ (gooのebayオークションチャンネル)  米ebayの子会社「イーベイジャパン」は、ネットオークション事業でNECと 協業、今春よりサービスを開始する。NECが展開する「BIGLOBE」を日本での事 業パートナーとして選択、NECはイーベイジャパンに出資する。  米国ebayは、世界200カ国で1,000万の登録会員を有し、常時400万点が出品 される世界最大のオークションサイト。285万人と我国No.2の会員数を有する BIGLOBEと提携し、日本でもNo.1を目指す。  現在検索サービスの「goo」のオークション・チャネルで提供している米国 ebayのサービスについては、対応を検討中とのこと。 ─────────────────────────────────── ○オークションサイト8社が連合へ。会員・商品情報を共有  (日経産業新聞2月15日付記事より)  リクルート、ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)など8社は、ネッ ト競売サービスで連合する。4月をメドに競売品情報を相互に流通させ、合計 約400万人の会員を共有しながら、急成長するネット競売市場を開拓する。  ビッダーズを運営するDeNAが、各社の競売品情報をリアルタイムで他のサイ トへ情報提供、相互に情報を共有化するシステムを運営する。 <連合参加サイト> 「DeNA BIDDERS(ビッダーズ)」 http://www.bidders.co.jp/ 「So-net to BIDDERS」 http://www.so-net.ne.jp/bidders/ 「じゃマール to BIDDERS」http://www.isize.com/jamar/bidders0207.html 「三菱商事 b-store」 http://www.b-store.com/ 「ネットプライス」 http://netprice.lab.co.jp/top.html 「アルチェ LIN(Ladies Information Network)」 http://www.lin.ne.jp/ 「HCN スーパーパセリ」http://ww2.hcn.co.jp/super/auction/auction.html 「OCN 情報未掲載」 http://www.ocn.ne.jp/ ─────────────────────────────────── ○ネットオークション評価サイトがオープン  http://www.stockresearch.co.jp/auctions/ (ストック・リサーチ)  マーケティング事業のストック・リサーチ社は、インターネットオークショ ンの評価サイトを開設した。Yahoo!オークションやMY-TRADEなど日本の総合 ジャンルのオークションを対象に、運営形態や出品状況、情報提供の充実度な どを評価し、特徴を比較しやすい一覧表形式にまとめている。  ビギナー向け情報や、実践的なハウツーをまとめたコーナー、希望の条件か ら自分に合ったサイトを選べるチャートなども掲載している。 ─────────────────────────────────── ○買いたい値段でストップをかける、競り下げ式ネットオークション開始  http://www.ehammer.net/ (イー・ハンマー)  オン・ザ・エッヂとイーマーキュリーの共同運営によるオークションサイト 「eHammer(イー・ハンマー)」に、新たに時間の経過と共に価格が一定額ずつ 下がっていき、入札者が「現在の値段で買う」と表明した時点で落札が決定す る“競り下げ式”オークション機能が加わった。  eHammerは昨年11月にスタート、オークションをオンラインショップのサイ ト内で開けることが特徴。現在トップページは2万ページビュー、登録ユーザ ーは1万6千人に上るという。 ─────────────────────────────────── ----☆マイクルの視点☆----  最近、ネットオークションがかなりの賑わいをみせている。専門サイトも続 々誕生、ポータルサイトはいずれもサービスメニューにオークションを追加、 世界最大のebayもいよいよサービスを開始する。  クルマを対象としたサイトもいくつか登場、中古車オークション大手のオー クネットはイーベイジャパンと提携、4月より同サイトに専用の競売ページを 設け、月間約100台の中古車と約300個の中古腕時計を出品するという。  http://it.nikkei.co.jp/it/soft/softCld.cfm?id=20000227evbi0206h26  マイクルはオークションは未経験だが、いずれプロデュースする「Car24」 でサービスの一つとして手がけて見たいと思っている。取りあえず、富士通総 研の「eBayの仕組みとビジネスモデル」や、上記ストック・リサーチのサイト で、仕組みやビジネスモデルについて研究しよう。  http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/fri/cyber/busex/ebay.html ********************************************************************** ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メール  マガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登  録メンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無  く転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ■□企画・制作・発行■□ (有)マイクル http://www.micle.co.jp/        231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406             TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 **********************************************************************