==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 072号 1999年11月30日発行        〜総配信数 1,620部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.ミドル・シルバーエイジ関連の話題から  ・ラジオ市場、中高年向け新製品で活況  ・ぴあ、団塊世代向け月間情報誌「おとなぴあ」創刊へ  ・NTT-MEなど、中高齢者向けインターネットサービス開始 02.携帯各社の業績明暗。ドコモ、J-フォン大幅増益、IDO/セルラーは減益 03.HP LXシリーズ生産中止で、愛好家自ら携帯端末を開発・販売 04.ブックマークは役に立たない ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.NEC、ノートパソコンでも利用可能な衛星インターネット受信機発売 ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.「サイバースペースで何が起きているか」 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ミドル・シルバーエイジ関連の話題から ◆ラジオ市場、中高年向け新製品で活況  デジタル化の急速な進展で、従来型アナログ家電は尻すぼみと思われがちだが、 最も古い世代に属する“ラジオ”の市場が久方ぶりに活況を呈している。  なぜ今ラジオなのか。背景には複雑・多機能化するAV機器とは一線を画し、聴覚 補完機能など、中高年層のニーズをきめ細かく掘り起こして製品開発につなげてい るメーカーの戦略がある。(日経産業新聞11月18日付記事より) (例)アイワ CR-AS33(5800円:集音マイク内蔵で補聴器のような使い方ができる   アイワ FR-T7(11500円):木製外枠、アナログ式つまみなどレトロ調デザイン   ビクター RM-AR110(5980円):テレビ音声がきけるラジオ付TVリモコン ◆ぴあ、団塊世代向け月間情報誌「おとなぴあ」創刊へ  出版・チケット販売大手ぴあは、40代後半から50代向けカルチャー・エンタテイ ンメント情報誌「おとなぴあ」を来年3月創刊する。72年のぴあ創刊時に20代前半だ った若者が今やちょうど50歳前後。子供たちが親の手を離れ、自分で自分の時間を 見つめ直す時期に差し掛かり、余暇参加率は飛躍的に高まっている。  「CanDo!ぴあ」(10代後半から20代)、「ウィークリーぴあ」(27歳前後中心)、 「こどもぴあ」(子供と親向け)という品揃えの中で、空白となっていた団塊世代市 場を、大きめの活字に縦書きの構成の「おとなぴあ」で開拓する。  また、再販制度の見直し後も睨み、一般の書店では販売せず会員向に宅配する直 販方式を同社で初めて採用する。(日経産業新聞11月22日記事より) ◆NTT-MEなど、中高齢者向けインターネットサービス開始  http://www.ntt-me.co.jp/news/news1999/nws991119.html  NTT-MEとパワードエイジ協会(PAA)は、インターネットを活用した中高齢者支援サ ービスを開始する。間近に迫る高齢化社会を迎え、新たなステージでの自己実現や 社会貢献活動など、充実感のある質の高い人生に挑戦する中高齢者を支援する。  会員が積極的に参加できる旅行やスポーツ、医療・健康、教育等々の活動の場(サ ロン)を設置するとともに、ホームページやメールマガジンで情報提供したり、会員 相互間のコミュニケーションの活性化をはかる。  会員向けに、操作の容易な簡易ネット端末(日本電算機 iBOX)や、インターネット を安価に利用できる基本料や特典をセットにした各種メニューも提供する。 >  補聴器の開発・起業を志していた知人がいた。当時はあまり関心がなく疎遠に > なってしまったが、親達が高齢となるにつれニーズを実感するようになった。 >  陽水、拓郎など段階の世代に人気の高い一流アーティストの公演情報、映画館 > やコンサート会場の近くにある良質なレストランや高原の美術館の紹介等を中心 > に構成するという「おとなぴあ」の読者は、まさに私そのものだ。 > >  かわら版065号「無料配布、貸与、設置サービス…、パソコンは顧客拘束・収奪 > マシン?」で指摘したように、“無料”を餌にしたビジネスは、詐欺まがい商法 > にも堕しかねない。 >  サービス事業者やメーカー、そして提携する資格取得専門学校、ネット証券会 > 社など、その標的は、まさにパソコン・ネット初心者の中高年層である。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara065.txt >  パワードエイジ協会の事務局は日本電算機内にある。この組織が売れないネッ > ト端末iBOXの販促のために創られたと見るのは穿ちすぎであろうか。 > >  日経産業新聞10月25日付「電脳ウォッチ」に、米国のフリーPCビジネスに関す > る以下のような会社が紹介されている。 >  「有料で会員数は700人と少ないがサービスを始めてから3ヶ月で黒字化し、今 > 年で3年目に入るKEPNETというプロバイダーがある。大手の半導体メーカーを退職 > した58歳のクリス氏が奥さんと二人で自宅の一室を使って運営する。広告は一切 > ださず自分の友人の口コミで顧客を獲得する。結果として顧客の平均年齢は45歳 > を超えるそうだ。 >  自分達と“同年代”の人と“地域”をキーワードに、大手にはできない顧客の > 顔が見えるサポートを行うので、フリーPCも無料接続サービスも何も全く怖くな > いと笑っていたのが印象的だった。」 > >  これこそ、ミドル・シルバーエイジ向けビジネスの本質であろう。 ───────────────────────────────────── ●携帯各社の業績明暗。ドコモ、J-フォン大幅増益、IDO/セルラーは減益  携帯電話各社の99年9月期中間決算と今年度の業績見通しが出そろった。通期で4 年連続1千万台増の可能性も指摘される加入者増を背景に、二ケタの増収が相次ぎ、 中でもJ-フォングループは記録的な伸びとなった。一方、セルラーグループとIDOは 販売促進費の増加などで大幅減益となった。  各社のキーワードと寸評は以下のとおり。(日経産業新聞11月25日記事より)  ・NTTドコモ  :iモード〜加入はや250万台、データ通信に自信  ・J-フォン   :藤原紀香〜通話品質向上で大躍進  ・セルラー/IDO:cdmaOne〜出足好調、従来機は減少  <2000年3月期業績見通し>    グループ    加入台数    売上高      経常損益  ・NTTドコモ(9社)  2,873万台 36,650億円(17.5%) 4,750億円( 35.5%)  ・J-フォン(9社)    811    8,874  (40.2 )  932  ( −  )  ・セルラー電話(8社)  690    8,450  (22.4 )   60  (▲73.6 )  ・IDO         430    5,000  (21.7 )  220  (▲18.3 )  ・ツーカー(3社)    365    3,720  ( 4.8 )  190  (▲28.5 )    注)( )は前年同月比、ドコモは売上高、経常損益にPHS/ポケベル含む >  ドコモの1人勝ちの中、J-フォンはよく健闘している。 >  「cdmaOne」で乾坤一擲の勝負を挑んだIDO/セルラーグループはじり貧。合併 > するしないであれこれ揉めている状況じゃないだろう! ───────────────────────────────────── ●HP LXシリーズ生産中止で、愛好家自ら携帯端末を開発・販売  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/87274  http://www.nifty.ne.jp/forum/fhppc/ (HPPCユーザーズフォーラム)  http://member.nifty.ne.jp/toyozou/ (Morphy Oneのページ)  ヒューレット・パッカード(HP)が1994年から販売していた「パームトップパソコ ン HP200LX」の生産中止がユーザーに波紋を投げかけている。  「軽量・コンパクトで電池寿命が長く、アプリケーションを使用中でも電源を切 れるなど使いやすい。なくなるのは惜しい」。こんなユーザーが集い、自分たちで その良さを残した新PDA「モルフィーワン(仮称)」を開発・販売しようとしている。  ニフティの「HPPCユーザーズフォーラム」のメンバーが中心となり、ネット上で 意見やアイデアを集約しながら開発に取り組み、既に回路図や外形図なども完成、 製造・販売のための合資会社を12月中に設立し、試作・量産を行う。 >  私の主宰する、電網企画会社「マイクルプラン」も、基本的にこのプロジェク > トと同主旨で発足した。「ビギナーの理想のパソコン」と「愛好家の理想のPDA」 > というテーマの違いはあるものの、メンバーの自由な意見交換による企画の進め > 方や、事業化のための新会社設立など、運営方法もほぼ同様である。 >  残念ながら、現状ではモルフィーワンが遥かに先を行っている。多彩な能力を > 持つメンバーの参集不足、活発な意見やアイデアを引き出す運営の拙さ、商品企 > 画面に比べ製品企画面での突っ込み不足等々も然る事ながら、何よりもビギナー > パソコンそのものの必要性を十分訴求できていない点が大きい。 >  ステージ2、3の「新キオスク端末」「新ネット端末」を含め、“一歩後退、二 > 歩前進”を目指し、再構築するつもりである。 > >  モルフィーワンは回路図、基板図などの設計データを公開、他の組織がこれを > 基にしたハードを製作、販売することも自由という。急速に普及するフリーOS「 > LINUX」のオープンソースの考え方と全く同じである。 >  モルフィーワンは“ハードのLINUX”になれるであろうか。 ───────────────────────────────────── ●ブックマークは役に立たない  http://www.giage.com/p_r_11_19_99.html  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/1122/bookm.htm  「後で再び訪れるためにWebサイトのURLをブックマーク(お気に入り)に残してお くのは必ずしも便利ではない」との調査結果が米国で発表された。  回答者の80%が「登録したサイトが消滅しているために情報を得られないことが定 期的に起こる」と答え、50%は「そのブックマークが何を参照しているのかわからな いため使わない」と述べ、65%は「25以上のURLが登録してある」と答えた。  つまり、多くの人が登録理由を忘れたり、あるいは登録したもののサイトそのも のが消滅したりすることがしばしばで、さほど役に立っていないと感じている。 >  私も全く同様である。ブックマークには200近くのサイトが登録され、一応ジャ > ンル毎のフォルダにまとめてはいるものの、定期的にアクセスするサイトは20に > 満たない。多くは「おじさんの群」や「マイクルプラン」のリンク集の更新時等 > に、アクセスするのがせいぜいである。 >  企業のURLが変ることはあまりないが、個人やアダルトサイトの消滅、変更は日 > 常茶飯事である。ポータルサイトの“お勧め”ですらしばしば消滅している。 >  “情報の宝の山”をどう管理し、使いやすくするか。最近頓に使いにくくなっ > た検索エンジンの動向と合わせ、新たなビジネスチャンスでもある。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●NEC、ノートパソコンでも利用可能な衛星インターネット受信機発売  http://www.psinfo.nec.co.jp/skyppc/up014/  NECは、ノートパソコンでも利用可能なUSB(*)対応の「衛星インターネットUSBボ ックス」を29,800円で発売する。利用には別途CSアンテナとチューナーが必要。  NTTサテライトの衛星インターネットサービス「Mega Wave」と、スカイパーフェ クTVの衛星データ放送「SKY PerfecPC!」が受信できる。  テレビ放送は受信できなく、またCSチューナーでテレビ放送を受信している場合 は、インターネットやデータ放送は利用できない。  (*)USB(ユニバーサル・シリアル・バス)    パソコンと周辺機器との接続を容易にする配線方式 >  何とも中途半端な商品だ。いったい誰が買うのだろう。衛星データ放送は、画 > 像や音楽・ゲームソフトなどダウンロードに時間のかかる大容量コンテンツの受 > 信だけでなく、テレビ番組と連動した双方向サービスこそが売り物である。なの > にテレビが見れなく、テレビとの同時受信もできないとは。 >  高速・広帯域インフラとして衛星に期待するのは山々であるが、端末すらこん > な状態ではまだまだ先が思いやられる。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●「サイバースペースで何が起きているか」  http://www.yomiuri.co.jp/adv/m-data/ojo/02number/199911/  読売新聞広告局の「読売ADリポートojo(オッホ)」の11月号特集記事より。  ・暴走するメディア〜告発するホームページを考えるための視点  ・何が測定可能なのか〜インターネット視聴率調査の現状と可能性  ・問われる広告の本質〜インターネット広告が変える広告の概念 >  東芝問題に代表される告発サイトに焦点を当てた「暴走するメディア」がお勧 > め。ネット上では発言する主体はなぜ暴走しうるのかについて、“サイバースペ > ースの陥穽(かんせい)”と“言論の自由”いう視点で論じている。 >  サイバースペースは「“公”と“私”の間に境目のない空間」であり、インタ > ーネットは「発信者の顔が見えないメディア(異貌のマスメディア)」「自己表現 > の欲望を生む(デジタル・ナルシス)メディア」である。 >  「現代社会の縮図」そのものであり、企業と消費者が対等ではなく「課題が未 > 整理」なまま議論が展開されるため、暴走する…。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================