==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 065号 1999年10月 5日発行        〜総配信数 1,590部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.無料配布、貸与、設置サービス…、パソコンは顧客拘束・収奪マシン? ・「ムリョーパ!」資格専門学校等と提携。受講者にパソコンを無料配布 ・NTTコム、OCN契約者にパソコン貸与。接続料込みで月額3,980円 ・野村証券、ソーテックと提携。初心者向けセットアップサービス開始 ・外資系PCメーカー、ネット株式取引用パソコンを相次ぎ投入 02.ドコモ、音楽配信サービスに参入。ソニー、松下、IBMと来春共同実験開始 03.J-フォン、全国統一ブランドに ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.ディレクTV、総額380億円の転換社債を発行。米ヒューズが過半を負担 02.BSデータ放送の認定申請受け付け開始。NHKの参入は認めず ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●無料配布、貸与、設置サービス…、パソコンは顧客拘束・収奪マシン? ◆「ムリョーパ!」資格専門学校等と提携。受講者にパソコンを無料配布  http://ecap24.vertexlink.co.jp/press.html#990922  http://www.tac-school.co.jp/shun1/shun_09/muryou_paso.html  http://www.into.co.jp/muryou.html  パソコン無料配布サービス「ムリョーパ!」を運営するバーテックスリンクは、 大手資格専門学校TAC(タック)と提携、受講希望者にパソコンの無料配布を行う。  ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、司法試験等の講座を、パソコン 学習で受講する他、指定プロバイダーへの加入や証券・銀行口座開設等が必要。  また、ネットワーク技術者養成機関int(ネットワーク技術研究所)とも提携、サー バー管理者やWebマスター養成講座受講者に、オリジナルPCを無料配布する。 ◆NTTコム、OCN契約者にパソコン貸与。接続料込みで月額3,980円  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0928/nttcom.htm  NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は、OCN契約者向けに低料金のパソコン貸与サ ービスを11月より開始する。月額3,980円(接続料込み)で、OCNサービスが月100時間 利用できる。  貸与PCは、日本IBMが9月に発売した10万円を切る「アプティバ20J」ベースのモデ ル。3年間の契約期間が終了した後は、1).契約を更新し最新マシンにアップグレー ド、2).同マシンで契約を延長、3).3万円で買い上げる、の3コースが選択できる。  このサービスにより、今年度中に4万人(現在約65万人)の加入者増を見込む。 ◆野村証券、ソーテックと提携。初心者向けセットアップサービス開始  http://www.nomura.co.jp/introduc/press/19990831.html  http://www.nomura.co.jp/introduc/press/19990928.html  野村証券とソーテックは、ネット証券取引の初心者向けに、パソコンセットアッ プサービス「SOTECスマートパックfor野村ホームトレード」を開始する。  料金は、e-one本体とプリンター、出張セットアップ+パソコンレッスン+ホーム トレード接続と、3年間の保守サービスがついて188,000円。出張作業員が希望ユー ザー宅を訪問、立ち上げからインターネット設定、簡単な操作レッスン等、ユーザ ー自身が利用できるまでのサポートを行う。  また、パソコンやキーボードの操作に不慣れなユーザー向けに、10月中旬より、 新たにドリームキャストを利用可能端末として追加する。  野村ホームトレードの取引口座数は、9月27日現在58,406口座で、4月末にくらべ 5倍のペースで増加。 ◆外資系PCメーカー、ネット株式売買用パソコンを相次ぎ投入  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/pc/83560  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/prom/82367  デルコンピュータと日本ゲートウェイは、ソフトバンク系オンライン証券会社イ ー・トレード証券がインターネット株式売買サービス用にカスタマイズしたパソコ ン「E*トレード・スタートセット」を発売する。  デルは省スペース型(17万5800円)、ゲートウェイはデスクトップ型(13万9800円) と液晶一体型(27万4800円)、ノート型(24万9800円)を用意、いずれもPC本体に加え、 機器の設置や設定サービス、操作方法の個人レッスン、ネット株式売買専用の電話 サポートなどを提供する。  デルは既に松井証券や日興ビーンズ証券等のネット株式売買用モデルを販売、ゲ ートウェイは今回が初のモデルとなる。  また、コンパックも、証券会社やプロバイダーなどのパソコン無料配布ビジネス 向けに、10月にも低価格PCを出荷する。 >  本年2月、「米で無料パソコン登場。画面への常時広告表示が条件」(かわら版 > 034号)以後、6月には「日本にもパソコン無料配布サービスが登場」(051号)し、 > 上記「ムリョーパ!」が開始された。 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara034.txt >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara051.txt >  そして、「只より高いものは無い?、パソコン無料配布ビジネスに潜むもの」 > (055号)で、ユーザーを囲い込み(個人情報の収集)、オンラインサービスで収益 > を上げる(サービス利用の義務づけ)ための手段としてのビジネスの本質を、さら > に「無料パソコン事業に暗雲」(060号)で、体制未整備で破綻に陥るケースが多い > 米国ベンチャー企業の実態を取り上げた。 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara055.txt >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara060.txt > >  パソコン無料配布ビジネスは下記を前提に成り立っている。ユーザーにとって > は、決して無料どころではない。PC本体を一見“無料”のように見せ、ユーザー > を釣る(騙す)詐欺まがい商法と言っても過言ではない!。 >  ・ユーザーの利用料金(ネット接続料やサポート料など) >  ・提携企業からの広告料(広告効果や、個人情報、マーケット情報など) >  ・提携企業からの協賛金(ユーザーが利用するネット金融、オンラインショッピ >   ング、オンライン教育などの利用料の一部) >  ・関連機器の販売マージン(プリンター、デジカメ等との抱き合わせ) >  上記記事の「int」は、かわら版042号「“中高年再雇用を後押し”と謳う、ネ > ットワーク技術者養成学校の胡散臭さ!」で紹介したように、同じ穴の狢(むじな) > 同士である。提携企業に名を連ねる銀行などの超一流企業もまたしかり! >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara042.txt > >  日経ビジネス10月4日号「株式手数料完全自由化で過熱する顧客獲得競争〜狙い > は高齢者、パソコン恐怖症を退治」という記事に、 >  「オンライン金融機関にとって、高齢者は1300兆円の個人金融資産の8,9割を握 > る有望顧客。外出せずに好きな時間に利用できるネット取引は高齢者向き。ネッ > ト取引口座数は急ピッチで伸びているものの、絶対数では個人投資家の2%、ネッ > ト人口の1%未満に止まっている。ネット取引ユーザーを増やすには、まず高齢者 > のパソコンアレルギー退治から」とある。 > >  初心者向けセットアップサービスは、この意図のもとに企画された。鵜の目鷹 > の目でカモを探す証券会社や、儲けしか念頭にない外資系メーカーに、パソコン > を押し付けられ、首根っこを握られたお人好しの高齢者が、かつての豊田商事事 > 件の被害者の二の舞に成らないとは誰が言えようか。 >  投機は“自立”した個人が自己責任で行うものであり、情報リテラシーに疎い > 素人にはネット取引など到底無理である。 > >  「只より高いものは無い!」。無料配布、貸与、設置サービス…、パソコンは > 顧客拘束・収奪マシン?に成り下がった。 ───────────────────────────────────── ●ドコモ、音楽配信サービスに参入。ソニー、松下、IBMと来春共同実験開始  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew0930b.html  NTTドコモは、ソニー、松下通信工業、米IBM3社と「MMDサービス(Mobile Media Distribution Service)」と名付けた音楽配信サービス実験を、2000年4月に共同で 実施する。PHSの64Kデータ通信を使い、音楽データをPHS端末に搭載した記録メディ アにダウンロードし、携帯音楽プレーヤーに移し替えて再生する。2001年春サービ ス開始予定のW-CDMA方式でのサービスも検討する。  配信システムは、米IBMが開発した「EMMS」(著作権保護技術はソニーの「OpenMG」 採用)と、松下電器がAT&T等と共同開発中の「EMDLB」の2種類を使う。記録メディア は、ソニーが開発した「MGメモリースティック」と、松下と東芝、米SanDisk3社が 開発する「SDメモリーカード」を使用、ソニーが年末に発売する「メモリースティ ックウォークマン」や、松下が来春発売する携帯型音楽プレーヤなどで再生する。  実験に先駆け、大手レコード会社などと「MMDサービス検討会」を設立するととも に、松下通信とMMDサービスを提供する合弁会社を共同で設立する予定。 >  先週報じた「ネット対応携帯音楽プレーヤー市場に、大手メーカーも続々参入 > !」の移動電話版である。 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara064.txt >  携帯電話/PHSは、ネットワーク音楽配信サービスの「受信装置」としては、操 > 作面、課金面、普及率等、一般のパソコンに比べ圧倒的な強みがある。先般、韓 > 国のサムスンがMP3ファイル再生機能付携帯電話を発売した。 >  http://www.samsung.com.ar/news/global/ns_271_en.html >  携帯電話とウォークマンが一体となった「メモリースティック“ウォークフォ > ン” 」の登場も間近だろう。 ───────────────────────────────────── ●J-フォン、全国統一ブランドに  http://www.j-phone.com/  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc978.html  デジタルホン3社とデジタルツーカー6社は、10月1日より「J-フォン○○」に社名 変更、ブランドを「J-Phone」に統一する。全国統一の強力なブランド確立と、マー ケティングやグループ経営を効率的に行なうのが狙い。  親会社日本テレコムとエアタッチ・インターナショナルが、共同記者会見で発表 した今後の事業展開によれば、現行携帯電話については約4500億円の追加設備投資 を実施するとともに、地域ごとに違う利用料金やオプション内容を統一、加入台数 1000万台(8月末、717万台)を早期に達成し、現在14%のシェアを20%まで引き上げる。  次世代携帯電話「IMT-2000」についても、数千億円規模の設備投資を行うなど、 グループの総力を結集して取り組む。  年度末で、総売上高8,400億円、経常利益900億円台を見込む。 >  ドコモ、DDI-IDO連合との三つどもえの戦いは、現行型から次世代携帯電話へ向 > け、親会社を巻き込んでの「総力戦」。先週「DDIとIDOが合併へ?」で報じたよ > うに、統一戦略で出遅れたDDI-IDO連合の巻き返しは成るか? >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara064.txt > >  余談だが、新ドメイン「http://www.j-phone.com/」は、 >            「http://www.j-phone.co.jp/」が存在するから?。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ディレクTV、総額380億円の転換社債を発行。米ヒューズが過半を負担  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/comm/82575  ディレクTVは、主要株主を引き受け先とする総額380億円の転換社債を発行する。 9月末に310億円を、来年3月までに70億円を追加発行する予定。  9月末発行分310億円は、米ヒューズ子会社で筆頭株主の米DIRECTV International (DTVI)が過半数を引き受け、松下電器、三菱商事、宇宙通信、大日本印刷の5社も引 き受けに応じる。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、徳間書店、三菱電機 の3社は引き受けを見送った。  追加発行する70億円分についても、基本的にDTVIが引き受ける方向で検討、ヒュ ーズグループが全面的に資金調達を支援する。 >  かわら版059号で報じた「ディレクTV、300億円強の転換社債発行へ」の結論が > でた。 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara059.txt > これにより、米ヒューズの経営責任は一層明確化するものの、一方では我国有数 > の放送事業者が外資の支配下に置かれることにもなるわけだ。 > >  さて、今年に入り日本テレビ放送網やTBSの株価が2倍以上に急騰、永田町では > ソニーなど異業種や、外資による買収のウワサが飛び交っているらしい。 >  外資による日本の民放買収は、マードック氏とソフトバンク孫社長がテレビ朝 > 日の買収で失敗した経緯もあり、またウワサの出所が永田町だけに、解散前に一 > 儲けをたくらむ政治家のホラ話というさめた見方もあるようだが、火の無いとこ > ろに何とやら・・・。 >  C&WのIDC子会社化、日本テレコムへのAT&TとBTの資本参加など、通信業界は外 > 資の参入ラッシュ。マツダや日産など自動車業界しかり。金融業界も4兆円の血税 > を投入した長銀までもが。次ぎはいよいよ放送業界か? ───────────────────────────────────── ●BSデータ放送の認定申請受け付け開始。NHKの参入は認めず  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/990917j705.html  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/990921j701.html  郵政省は、電波監理審議会のBSデータ放送の認定方針答申を受け、参入希望事業 者の業務認定申請受け付けを8日より開始する。これにより12月にも参入事業者が決 まる見通しとなった。  認定方針答申は、データ放送の使用スロット数を12スロットとし、1事業者の使用 スロット数を最大3スロット相当とした。放送事業者は5社以上の参入を目標とし、 競合した場合は新規参入者を優先、NHKおよび関連団体の参入は認めないとした。 >  かわら版036号「BSデジタルデータ放送に34社が参入希望、枠の5倍以上に」、 > 050号「BSデジタルデータ放送は新規事業者優先。郵政省、電波監理審に諮問」で > 関連記事を取り上げ、 >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara036.txt >   http://www.micle.co.jp/kawara/kawara050.txt >  「CSデータ放送のお寒い現状を見れば、データ放送で何が出来るのか、視聴者 > のメリットは何か、適したコンテンツをどう作るか等々多くの問題は一目瞭然。 > 名乗りを上げた34社の本音は、旧来の“枠=利権”の確保」と記した。 >  通信のNTTと同様、現在の我国では最新の放送技術やシステムは、当面NHKに頼 > らざるを得ない。NHKおよび関連団体を認めないとの郵政の方針は、一見前向きで > 世間受けするようだが、何故か目先の評価や保身にのみ汲々する役人根性がプン > プン匂うような気がする・・・。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================