==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 060号 1999年 8月31日発行        〜総配信数 1,550部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.パソコン関連の話題から  ・アップル、iMacのデザイン模倣でソーテックを提訴  ・松下、無線モデム採用の新レッツノート発売  ・無料パソコン事業に暗雲  ・機能の多すぎるノートPCはもういらない 02.2000年問題の前哨戦、「カーナビ誤作動」問い合わせは1万2千件 03.メモリーカード市場でも反ソニー連合が  ・東芝・松下・米サンディスク、次世代メモリーカードの共同開発で提携  ・ソニー、メモリースティックの大容量版投入 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.ヘルスネットワーク、CS放送からインターネットへ事業転換 ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.ネットワークコンテンツ白書99年版 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●パソコン関連の話題から ◆アップル、iMacのデザイン模倣でソーテックを提訴  http://www.apple.co.jp/news/1999/aug/24apple_sotec.html  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/gen/79932  アップルは、ソーテックの「e-one」がiMacのデザインを模倣しているとして、 販売停止と損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所に起こした。具体的提訴内 容や法的根拠は明らかにしていない。  ソーテックは、「製品化に際しては十分にデザインを吟味、あくまでも独自デザ インだ。アップルの提訴は不当」とし、全面的に裁判で争う構えをみせている。  米Appleは先月、韓国大宇系メーカーのフューチャーパワー社に対し、また19日 にはe-oneの製造元イーマシンズ社に対し、同様の提訴を行っている。 >  e-oneが結構人気だそうな。既に12,000台を出荷、受注は4万台を超えていると > いう。かわら版056号に「あまりに安易な企画と、志の低さに開いた口が塞がら > ない」と記した。 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara056.txt >  あの性能と価格なら、デザインを真似るなどの小細工を弄しなくても相応に売 > れるであろうに。 ◆松下、無線モデム採用の新レッツノート発売  http://www.pcc.panasonic.co.jp/letsnote/prod/a1/index.html  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/gen/80158  松下電器は、ノート型パソコン「Let's note」に通信機能を強化した「CF-A1R」 と「CF-AV1」の2機種を追加した。発売は9月10日。実売価格はCF-A1Rが30万円弱、 CF-A1Vは3万円安い25万円前後になる見込み。  コンセプトは「ワイヤレスで、どこでもインターネット!」。外付の無線モデム 「ワイヤレスステーション」を標準装備するほか(CF-A1Rのみ)、デジタル携帯電話 やPHSとの接続用インタフェースを標準装備、接続コードや場所を気にせず、ノート パソコン本来の機動力を活かした室内・室外モバイルを実現した。 >  引越しやレイアウト変更時など、網の目のように張り巡らされたオフィスの配 > 線にウンザリした経験や、自宅で10メートル以上の接続ケーブルを這わせてパソ > コンに繋いでいる読者も多いと思う。マイクルも然り。 > >  アップルが来月発売するノート版iMac「iBook」にも、「AirPort」と言うワイ > ヤレスネットワーク機能が採用される。 >  http://www.apple.co.jp/news/1999/jul/22ibook.html >  通信インフラも、日本テレコムが、無線による常時接続サービスの実験を10月 > から開始する他、先般のソフトバンク・東電の計画も無線利用を想定。 >  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc891.html >  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc881.html > >  “ワイヤレス”が次世代ネット環境のキーワードとなりそうだ。 ◆無料パソコン事業に暗雲  米国で、ネット接続サービスへの加入などを条件とした、無料パソコン配布事業 が苦戦を強いられている。受注が予想以上に多く、製品確保に手間取り出荷が追い つかなかったり、初期コストの負担に耐えられないため。  身軽さを武器にしたベンチャー企業が先行したが、大手メーカーや接続事業者が 追随した。大手はブランド力を武器に価格競争を回避、採算性に無理のない事業モ デルをとるが、体制未整備のベンチャーは破綻に陥るケースが多い。  話題作りを狙った無料PC配布の動きが相次いでいるが、事業モデルとして定着す るかは依然不透明だ。(日経産業新聞8月23日付記事より) >  無料配布ビジネスが米国で登場したのは今春。予想通り?半年も経たないうち > に破綻した。かわら版055号で「只より高いものは無い!?、パソコン無料配布ビジ > ネスに潜むもの」と題し取り上げたが、やっぱり「只より高いものは無い!」 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara055.txt ◆機能の多すぎるノートPCはもういらない  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990818/mobile18.htm  (本田雅一の「週刊モバイル通信」より)  学生時代の旧友20数名のパソコン利用状況と、その感想は以下のとおり ・全員が保有、うち半分がノート。複数保有はなし。数人は全く使っていない。 ・自宅ではインターネット、それもWeb閲覧ではなく電子メールが主体。あとはゲー  ムと残務整理が少々。 ・PCに特別強い関心を持っておらず、専門的な情報も欲していない。コミュニケー  ションの道具として利用できれば十分だと思っている。 ・PCを携帯して何かに役立てようという発想はあまりなく、モバイルで想像するも  のは、ポケットボードなどのモバイルコミュニケーション機材。 ・ノートPC市場は拡大しており、業界内に閉塞感はないが、今後ユーザーの裾野が  広がるとともに、「PC無用論」が湧き上がってくる可能性がある。 ・PCが根本的に簡単になるためには、PCの汎用性を殺さなくてはならない。何でも  できる道具は機能がありすぎて使いにくい。 ・電子メールアクセス専用ボタンを設けたり、オーディオ再生用ボタンやリモコン  ヘッドフォン対応などの努力も、今ひとつ決定力に欠ける。 ・ユーザーの使い方がある程度決まっているならば、ベテランユーザーや拡張性、  互換性などを切り捨て、さらにあまり利用しない機能も切り捨てて・・・と、ス  リム化する方が製品としてのまとまりが良くなると思う。 >  これって、MICle事業企画の「ビギナーパソコン」そのものだ! ───────────────────────────────────── ●2000年問題の前哨戦、「カーナビ誤作動」問い合わせは1万2千件  http://www.miti.go.jp/2000-j/ncarnavj.html  (通産省、カーナビゲーション・システムの8月22日問題について)  GPSを使ったカーナビゲーションの一部機種が誤作動を起こす問題で、22日の当日 には、「地図画面が出なくなった」「車の位置が不正確」など3千件以上の問い合わ せがメーカー各社に殺到した。  通産省のまとめによると、発生後6日間でメーカーの相談窓口に寄せられた問い合 わせは約1万2千件で、うち約6千件で修理を受け付けたという。誤作動による事故な どのトラブルは報告されていない。  今回の問題は、位置の割り出し用のGPS衛星のコンピュータの時間が最初に戻って しまうことから起こるもので、約34万台出荷されたパイオニア、ザナヴィ、日立、 アルパインの対象製品のうち、約9万5千台が未対応と推定されていた。  「プレ2000年問題」として、来年1月1日のコンピューターの日付処理に関する誤 作動問題と似ていることから注目されていた。 >  パイオニアでは、昨年2月以降15億円を使い、新聞・雑誌等で無償修理を繰り返 > し告知した。にもかかわらず約27万台の該当機種のうち、当日までに修理を終え > たのは約15万台。古い機種などを除く5万台強が、未修理のまま利用されていると > 推定していた。 > >  この話題については、下記コラムに見られるように、概ねユーザーへの“周知 > 徹底の困難さ”と言う観点から論評されている。 >  「実際に問題に直面して初めて、自分の機器も問題に該当することを知りぼう > 然とした、というのが一般的な反応でしょう。コンシューマ相手の事前告知や広 > 報活動の徹底が、いかに困難であるかがうかがえた事例でした。」 >  (日経BizIT「GPSの“2000年問題”から学ぶこと 」より) > http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/view/soho/backnum/99/1h/19990826.html > >  幸い事故は起きなかったが、私は先日の玄倉川の災害を想起した。自然災害に > は違いないが、明らかに人為事故であり、我が国民に蔓延する「無気力」「無関 > 心」「無責任」の“三無主義”の典型事例である。 >  クルマ情報やレジャー情報への関心は、カーナビユーザーは一般ユーザーより > 遥かに強いハズであり、誤作動情報が全く目に触れなかったとは到底思えない。 > 問題が起きるまで放置していたのは、情報を知らなかったからでなく、情報の内 > 容や重要度を知ろうとする意欲や関心、そして情報が引き起こすであろう影響へ > の自覚と責任の無さに他ならない。 >  残された時間は100日余り。教訓は生かされるであろうか。 ───────────────────────────────────── ●メモリーカード市場でも反ソニー連合が ◆東芝・松下・米サンディスク、次世代メモリーカードの共同開発で提携  http://www.toshiba.co.jp/about/press/1999_08/pr_j2501.htm  東芝、松下電器、米サンディスクは、著作権保護に対応した次世代メモリーカー ド「SDメモリーカード」の共同開発や、標準規格作り、応用製品の開発などで包括 的に提携した。  32/64MBを2000年第1四半期から、256MBを2001年からサンプル出荷する。2000年第 2四半期に量産を開始する予定。 ◆ソニー、メモリースティックの大容量版投入  http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Consumer/MS/index.html(情報未掲載)  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/elec/80074  ソニーは、小型メモリーカード「メモリースティック」の大容量版を投入する。 32MB版を9月21日に、64MB版を11月21日に出荷開始する。価格はそれぞれ1万2000円 と2万円。 >  「コンパクトフラッシュ、マルチメディアカード(米サンディスクなど)」「ス > マートメディア(東芝)」「メモリースティック(ソニー)」・・・。 >  デジカメやPDA用に普及した小型メモリーカードが、携帯音楽プレーヤーなどAV > 機器や、携帯電話用の記録・記憶媒体としても脚光を浴び、業界標準を巡る主導 > 権争いが激化している。 >  日立も、独シーメンスと次世代用「マルチメディアカード」で提携、この他、 > 米アイオメガは小型磁気ディスク「Clik!」を開発、日本IBMも世界最小最軽量の > ハードディスク「IBMマイクロドライブ」で同市場を狙う。 >  http://www.hitachi.co.jp/topics/9904/23.html >  http://www.iomega.co.jp/product/clik/index.html >  http://www.ibm.co.jp/oemj/storage/product/mdv96/mdv96a.html > >  VTR規格ではVHS陣営に惨敗したものの、CDやMD規格で勝利したソニー。マルチ > メディア市場では規格を制するものが、市場を制する。メモリーカード市場は、 > 業界最大手サンディスクと、家電最大手松下を巻き込んだ東芝が頭一つリード。 >  ソニーの巻き返しはなるか? ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ヘルスネットワーク、CS放送からインターネットへ事業転換  10月からCSで健康・医療情報チャンネルを立ち上げる予定であった、ベンチャー 企業ヘルスネットワークは、規模の小さなCS市場で採算を確保するのは困難と判断、 高成長が見込めるインターネット事業に軸足を移す。  来年1月、独自のホームページを開設、シニアのためのポータルを目指し、健康・ 医療情報や資産運用、旅行・趣味情報等を提供する他、会員同士の交流や、オンラ インショッピングなどを手がける。CS事業については、単独でのチャンネル運営を 見送り、番組供給に切り替える。(8月19日付日経産業新聞記事より) >  専門チャンネルの集合体CS放送と専門ページの集合体インターネットは、極め > て相性の良いメディアであり、CSの番組作りや視聴者獲得に、インターネットを > 大いに活用すべしと、CS草創期から声高に?訴えてきた。 >  CSバブルの甘い夢に本質を忘れ、現実を見失った彼らには、残念ながらその声 > は届かなかったようだ。結果が現在の惨状である。 >  今更何の戯言を宣わっているのだろう。ネットビジネスの高成長など当分見込 > めはしない。尤も、プアな志と戦略では、どんな事業でも成功できないのは、自 > 明の理であるが。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●「ネットワークコンテンツ白書99年版」  http://www.amd.or.jp/nc/nc99/index.html  インターネットやデジタル放送を通じて提供される商用コンテンツの現状が、体 系的に把握できる。デジタルメディア協会が、Web上で公開している。  第1章:「ネットワークコンテンツ総覧」      メディア別、ジャンル別に分類した約300件の概要  第2章:「98〜99ネットワークコンテンツをめぐるトピックス」      ポータルやネットワーク犯罪、MP3など6つのテーマを解説  第3章:「ネットワークコンテンツ事業者実態調査」結果      コンテンツ内容や事業者のプロフィール、売上規模など  第4章:「関連資料」      通信白書、インターネット白書から関連資料を抜粋 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================