==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 057号 1999年 8月 3日発行        〜総配信数 1,530部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.次世代のキラーアプリケーションは“インスタントメッセージ”!  ・AOL系インスタントメッセージは、1日7億5,000万通  ・マイクロソフト、インスタントメッセージサービスを開始  ・AOLとマイクロソフト、仁義無きインスタントメッセージ戦争突入! 02.日産、携帯電話撤退へ。ツーカー系9社株式を日本テレコム、DDIに売却 03.ホリプロなど3社、ネット・衛星・雑誌のメディアミックス事業展開 04.セガの命運はお馬さんが握る?。ドリームキャストで馬券購入 ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.米グローバルスター、衛星携帯電話を南ア・英国で9月に試験サービス開始 02.ブランドゥ、衛星データ通信で広告配信 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●次世代のキラーアプリケーションは“インスタントメッセージ(*)”!  (*)インターネット接続時に、使用中のパソコン画面に、登録した相手のインター    ネット接続状態や、相手からのメッセージが自動的に表示され、その場でリア    ルタイムで、メッセージ交換やチャット、ファイル送付などができる。   「電子メールの手軽さ」と「チャットのリアルタイム感」を兼備したサービス。    代表的ソフトがイスラエルのMirabilis社(AOLが買収)が開発した「ICQ」。    ICQは「I Seek You(私は貴方を捜している)」から来た言葉。   詳細は、INTERNET Watch「新定番ツール「ICQ」を使ってみよう!」   http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/980608/special.htm ◆AOL系インスタントメッセージは、1日7億5,000万通  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0716/instant.htm  America Onlineと傘下のICQを通して交換されるインスタントメッセージが、1日 当り7億5,000万通を越えた。AOLのサービス登録者は4,000万人で4億3,000万通/日、 ICQは3,800万人で3億3,000万通/日のメッセージが交換されている。  AOLでは、7億5,000万通という数字の大きさを、巨大な電話会社が1日に処理する 2億5,000万通話の約3倍、U.S.Post Officeが1日に発送する5億通の郵便物よりも多 いと指摘した。そしてインスタントメッセージは、「電子メールや電話よりも速く、 個人間やビジネスでの通信方法を変革し続けていくだろう」と述べ、「インターネ ット時代の次世代のキラーアプリケーションだ」と述べた。  こうしたビジョンと戦略をふまえ、ICQソフトに音声通話や、検索機能、スケジュ ール機能などを搭載「コミュニケーションポータル」としての地位確立を目指す。 ◆マイクロソフト、インスタントメッセージサービスを開始  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0723/msnm.htm  マイクロソフトは22日、ICQタイプの「MSN Messenger Service」を開始した。 AOLのユーザーともインスタントメッセージの交換ができるのが特徴で、他社のクラ イアントとメッセージ交換ができる製品は初めてと言う。  ヤフー社も21日、AOLサービスとの互換性を持たせたベータソフトを公開した。 ◆AOLとマイクロソフト、仁義無きインスタントメッセージ戦争突入! ◇AOLがヤフー、MSとの互換メッセージサービスを封鎖  http://www.hotwired.co.jp/news/news/2785.html  AOLは23日、マイクロソフト(MS)とヤフーのユーザーに対し、同社のメッセージサ ービスのシステムを変更、アクセスを封鎖した。AOLユーザーの個人情報が漏れる心 配があるためと説明している。 ◇AOL、MSに「嫌がらせ」?インスタントメッセージの互換性、再度拒否  http://www.hotwired.co.jp/news/news/2819.html  AOLのシステム変更に対し、MSはソフトの改良で互換性を確立したが、AOLは再度 システムを変更、互換性を巡り全面対立へ。圧倒的にユーザーが多いAOLの「嫌がら せ」という見方も出ている。 ◇AOLとMSのインスタント・メッセージ戦争続く  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/2795.html  MSは26日、「MSN Messenger」の第3バージョンを発表した。これに対しAOLもMSユ ーザーからのアクセス遮断のため、自社のソフトウェアを書き直すなど、2社のイタ チごっこが繰り返されている。 ◇AOLがメッセージ戦争でアップルと提携  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/2797.html  AOLは29日、インスタントメッセージをアップル社ユーザーに開放することで合意 した。協力して、マッキントッシュPCと互換性のあるソフトを開発する。 >  これまでICQという言葉は知っていても、使ったことは一度もなかった。試しに > 使ってみると、確かに便利である。常時接続が当たり前の米国では、インスタン > トメッセージの人気が凄まじく、AOLでは電子メールの12倍もの数のメッセージが > やり取りされているというのも肯ける。 >  インスタントメッセージは、業界標準の技術を使っている電子メールと違い、 > 接続事業者によって交信手続きが異なり、他社会員とのやり取りが難しい。そこ > に発生した今回の確執。最大手AOL会員との交信を望むMSと、売り物サービスを開 > 放したくないAOL。イタチごっこの決着はどうなるだろうか。 ───────────────────────────────────── ●日産、携帯電話撤退へ。ツーカー系9社株式を日本テレコム、DDIに売却  日産自動車は、保有する傘下の携帯電話会社9社の株式を、今年度中に日本テレコ ムとDDIに売却する。携帯電話事業から撤退し財務体質の改善を図る。  傘下の携帯電話会社は、関東・東海地区の「ツーカーセルラー」2社(筆頭株主: DDI、日産)、関西地区の「ツーカーホン」(同:日産)、それ以外の「デジタルツー カー」6社(同:日本テレコム、日産)で、日産は各社に20−35%程度出資。ツーカー セルラーとツーカーホンはDDIに、デジタルツーカーは日本テレコムに売却する。  この結果、携帯電話市場はNTTドコモ、DDI−IDO、日本テレコムの三陣営に集約さ れることになる。  売却総額は数十億円程度とみられるが、日産の携帯各社に対する事実上の債務保 証も、テレコム、DDI両社が引き受ける方向で調整している。 >  かわら版026号「日本テレコム&日産の次世代携帯電話企画会社ドタバタ発足」 > で、「日産は一体何を考えているのだろう。“クルマの情報化”という大義名分 > があるにせよ、同社の通信事業参入はトヨタへの強烈な対抗意識からに他ならな > かった。今の日産にはメンツに拘る余裕など爪のかけらも無いハズなのに。日産 > の再生は限りなく暗い・・・」と記した。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara026.txt >  日産が経営再建に本気で取り組むためには“進駐軍”が不可欠であり、コスト > カッターの異名を持つルノー出身のカルロス・ゴーン新社長はその適任者であっ > たということだろう。 > >  さて、30日付日経産業新聞は「隠れ債務が再編の黒幕」と題し、今回の株式売 > 却の裏側を論評した。 >  3社は日本有数の“隠れ借金会社”で、3月期決算上場企業の債務保証(*)額ラン > キングでは、日産は約1兆9千億円でワーストワン、6,200億円のDDIは10位、5,800 > 億円の日本テレコムも11位と、傘下の携帯電話会社への巨額債務保証が響いてい > る。ツーカー9社合計の前期末の借入金は8,100億円。東名阪3社の日産分の債務保 > 証は約2,700億円。これを株式売却額にどう反映させるかで交渉は難航した。 (*)系列企業などの借入金返済に支障が生じた場合、それを肩代わりする契約。   携帯電話事業はインフラ投資がかさむ上、誕生間も無い各社の財務基盤は弱く、   株主各社が債務保証をつけるのが当たり前であった。 ───────────────────────────────────── ●ホリプロなど3社、ネット・衛星・雑誌のメディアミックス事業展開  http://www.digitalx.ne.jp/icupid/  http://www.net-tv.co.jp/ (Net-TV)  ホリプロ、三井物産、ディジットの3社は、深田恭子などアイドルタレントを核と したコンテンツプロジェクト「iCupid」を開始した。インターネット、雑誌、CSデ ジタル放送のメディアミックスで、グラビアや動画像などを提供する。  ネットでは、ホリプロの運営するWebサイト「Net-TV」上にiCupidチャンネルを開 設、動画像などを毎週更新するほか、チャットやオリジナルグッズのネット販売な ども予定している。  この他、CS向けに番組供給事業を行なっている三井物産が、「ショッピングチャ ンネル」と「キッズ・ステーション」で番組「iCupid」をスタート、ディジットが CD-ROM付き月刊誌「iCupid」を8月6日に創刊する。 >  ホリプロは所属タレントのプロモーション 三井物産はCSの加入促進や運営チ > ャンネルの視聴向上、ディジット(物産の子会社)は雑誌の増販と、メディアミッ > クスによる相乗効果を期待する。しかし、ネットは無料、CSも無料に近い。月刊 > 誌のみが価格設定と部数によっては収益を期待しうるものの、運営費用を賄うだ > けの効果をあげれるかどうかは未知数である。 >  3社は、より多くの利用者を集め、本年中にもインターネット広告などで収入を > 得られる体制に移行する計画という。 >  商社のネットビジネスの話題には事欠かない。何でも彼でも、思い付くまま手 > 当たり次第といった様相である。が、これまで成功(の可能性を含めて)事例は全 > くといっていいほど聞かない。 >  仲介商売の垢がこびり付き、川下や現場を知らない体質では、さもあらん。 ───────────────────────────────────── ●セガの命運はお馬さんが握る?。ドリームキャストで馬券購入  http://www.sega.co.jp/dreamcast/ (情報未掲載)  セガとJRA(日本中央競馬会)は、ドリームキャスト用のPAT(電話回線による馬券購 入システム)ソフトを開発、オンライン馬券購入サービスを来年4月から開始する。  PAT用ソフトは約82万本の累計販売実績があり、パソコンや専用端末の他、任天堂 のファミコン・スーパーファミコン向けに約24万本が販売されている。若年層開拓 を狙うJRAと、通信端末としての認知度アップや、競馬ゲームとの連動企画で競馬フ ァンを取り込みたいセガの思惑が一致した。(日経産業新聞7月14日記事より) >  以前にも書いたと思うが、私も毎週PATで“しろうと”競馬を楽しんでいる。 > PATが無ければ、私のこの趣味は成り立たない。競馬場に行くのはそれなりに楽し > いが、現在は時間的にも距離的にも程遠い環境にある。ウィンズと言う場外馬券 > 売り場に行ってまで馬券を購入するほど、のめり込んではいない。 >  1千万人近い競馬ファンの多くは、おそらく私と同じであろう。テレビで観戦し > たり、GTレースのみ馬券を購入したり・・。以前このPATは容量不足?で、申し > 込みは抽選、なかなか当たらないという評判であった。最近はJRAも売上の減少に > 直面し、かなり能力アップしたようではある。 >  馬券の購入がより手軽にできるようになれば、売上は間違いなく増大する。PAT > ユーザーの3分の1以上がファミコン使用というのはいささか疑念だが(ソフトの累 > 計販売実績で現在の利用数ではないため)、ドリームキャストが可能となれば、か > なりの数の競馬ファンが購入する可能性がある。ゲームばかりでなく、ネットと連 > 動した様々なサービスも可能だ。 >  具体的ビジョンもないまま、手当たり次第に手を広げるセガや、ISDN対応すら > 未だ出来ていないJRAに、その能力があるとは到底思えないが。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●米グローバルスター、衛星携帯電話を南ア・英国で9月に試験サービス開始  米エアタッチや仏テレコムなど、通信大手13社が出資して設立した衛星携帯電話 サービス、グローバルスターが本格始動する。すでにサービス開始に必要な32基の 衛星の打ち上げに成功、9月末に南アフリカや英国で試験サービスを開始、2000年末 までに全世界にサービスを拡大する。  先陣を切ったイリジウムは売り上げが低迷、経営難に陥っている。グローバルス ターは安い端末価格や通話料を武器に、発展途上国への売り込みを強化し、2003年 に300万加入世帯を目指す。  日本でもビジネス中心に普及の余地がある見て、通信事業者とサービス委託提携 の交渉に入った。(日経産業新聞7月30日付記事より) >  イリジウムを他山の石とし、教訓を生かすことができるであろうか。南米・中 > 東に子会社を設立、中国のチャイナ・テレコムとも提携したという。端末価格は > イリジウムの半額以下を目指すとは言え、それでも10万円以上、通話料も150円/ > 分以上。発展途上国のユーザーが負担しうるレベルと言えるかどうか? ───────────────────────────────────── ●ブランドゥ、衛星データ通信で広告配信  マルチメディアビジネス企画会社ブランドゥは、衛星データ通信を使った広告配 信事業「デジポップTV」を開始する。小売チェーンなどの店内モニターに、各店舗 の特性に応じて編集した広告を流せる。第1弾として、12月からマツモトキヨシの全 店舗(7月末現在約400店)に配信する。小売業の他、ファーストフード、レンタルビ デオ店などへの導入を働きかけ、2001年に3万店舗、年商540億円を目指す。  料金は、例えば消費財メーカーがマツモトキヨシの1店舗に4週間広告を出稿する 場合1万円。設置費用は1店舗当たり約100万円で、広告収入の原則50%が設置店に支 払われる。(日経産業新聞7月30日付記事より) >  多店舗チェーン店向けに衛星インフラを使い、しかも各店舗の特性に応じて編 > 集・配信できるデータ通信を使うというアイデアは、極めて真っ当である。 >  しかし、対象店舗の第一弾がマツモトキヨシというのは、何とも解せない。足 > の踏み場も無いあの狭い店舗のどこにモニターを置き、顧客が視聴するスペース > を確保しようと言うのだろうか。マックやモスバーガーで待ち時間に見せるとい > うのなら解らんでもないが。 >  3万店舗、540億などという大風呂敷の割には、何ともお粗末な企画である。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================