==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 055号 1999年 7月20日発行        〜総配信数 1,530部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <もくじ> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.只より高いものは無い!?、パソコン無料配布ビジネスに潜むもの  ・パソコン無料配布、米で急成長。大手続々参入、遅れる日本  ・米AOL、3年間の加入を条件に、PC購入者に400ドルのリベート提供  ・米マイクロソフト、ネット接続の長期契約者にパソコン無料提供 02.悪夢再燃の予兆!?、携帯メールにトラブル続出。DDI、ツーカー、J-ホンも 03.お役所仕事とはこんなもの!?、お粗末極まる図書館の情報システム ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.三者三様の夏商戦。WOWOW、スカパー攻勢、ディレクは新衛星にらみ動かず 02.衛星事業に楽観的なモトローラ!?、イリジウムの失敗はテレデシックで  ・業績好調のモトローラに陰を落とすイリジウム  ・テレデシックとの契約に乗りだすモトローラ ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●只より高いものは無い!?、パソコン無料配布ビジネスに潜むもの ◆パソコン無料配布、米で急成長。大手続々参入、遅れる日本  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/76950  フリーPCというベンチャー企業が始めたパソコン無料配布ビジネスが、業界を賑 わしている。PCの代金だけでなく、インターネット接続料も不要。ユーザーには、 住所、電話番号、生年月日、年収、趣味など個人情報登録や、毎月最低10時間の利 用が義務付けられているにもかわらず、5カ月間に125万人の応募があったという。  フリーPCの収入は、画面に常時表示されるユーザー毎にパーソナライズされた広 告や、オンライン・ショッピングの手数料。  同種のベンチャー企業が続々登場し、家庭用PCの低価格化にあえぐ大手メーカー にもこうした動きが広がり始めた。ヒューレット・パッカードは、家庭用PCにAOLな ど特定ページへの自動接続ボタンを設置し、コンパックもプロバイダーと提携し、 ネット接続無料機能を組み込んだ。  電話の料金体系が異なるなど、米国のビジネスモデルがそのまま日本では成立し にくいという事情はあるものの、日本の大手PCメーカーの動きは鈍い。 ◆米AOL、3年間の加入を条件に、PC購入者に400ドルのリベート提供 http://www-db.aol.com/corp/news/press/view?release=673  AOLは、傘下の「CompuServe 2000」への3年間の加入を条件に、パソコン購入者に 400ドルのリベートを提供する期間限定キャンペーンを開始した。低価格PCメーカー emachines社と提携、最低価格399ドルのPCを購入すれば、1ドルを手にできる。  AOLには、1,700万人以上の加入者がいるが、CompuServeは約200万人に止まる。今 回のキャンペーンで加入者増加を狙う。 ◆米マイクロソフト、ネット接続の長期契約者にパソコンを無料提供  http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/Jul99/epcdirectpr.htm  米マイクロソフトは、同社が運営するインターネット接続サービス「MSN」の3年 間の利用を条件にパソコンを無料で配布する。配布PCはLan Plus社の最新鋭機種で、 月約18ドルのMSNの料金3年間分とほぼ同額(約8万円)とみられる。  米国ではインターネット通販を中心とした電子商取引が急速に普及しており、ユ ーザーを囲い込み、オンラインサービスで収益を上げるのが狙い。 >  かわら版051号「日本にもパソコン無料配布サービス登場」で、バーテックスリ > ンクが始めた「ムリョーパ!」を取り上げた。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara051.txt >  http://ecap24.vertexlink.co.jp/ (バーテックスリンク) > >  「ハード(端末)は、サービスを利用してもらう手段に過ぎない。事業者はハー > ドでなくサービスで稼げばよい」との狙いで、ハードを無料(に近い)価格で提供 > した商法の典型は、皆さんご存知のように携帯電話である。家庭用ゲーム機とソ > フトの関係もこれに近いだろう。 >  AOL、そしてマイクロソフトという両巨頭の無料配布ビジネスへの参入で、米国 > のパソコン業界はハード主導から、ソフト・サービス優位時代に本格的に突入す > る。背景には言わずと知れたEC(電子商取引)の急速な拡大がある。 > >  朝日新聞は7月16日付の「サイバー時評−パソコン無料配布の裏は」と題したコ > ラムで、PC無料商法の本質を解説した。要約して引用する。 >  市場価格12万円相当のIBM製新品PCをもらうためには、DIONのインターネット接 > 続(通話料込みで最低月3500円)加入と、PCのメンテナンス契約(月1800円)がまず > 必要である(これだけでも3年間で約19万円だが)。さらに、毎月1万円以上のネッ > トショッピング利用や、ネットバンキング契約、プリンター購入などの条件から > 一つを選択する必要がある。 >  業者の本音は、申し込み時に必要な43項目の個人情報。子供の年齢、同居親族、 > 年収、取引銀行、自宅・車の買い替え時期・・・。当然全質問に答えないと配布 > 対象にはならない。 >  こうした個人情報5,6万件は、銀行なら1支店で収集する情報量に相当し、ネッ > ト上での金融取引には、最低10万件の個人情報が必要ともいわれる。 >  ムリョーパ利用者には、電子チラシが的確なタイミングでどんどん送られてく > るに違いない。これを便利だと思うか、いつもだれかに家の中をのぞかれている > ようで気味が悪いと思うか、それはあなた次第だ。 > >  根本的な社会環境や市場環境の違いが日米にあることを認識せずして、無料配 > 布ビジネスは成功しない。 ───────────────────────────────────── ●悪夢再燃の予兆!?、携帯メールにトラブル続出。DDI、ツーカー、J-ホンも  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc827.html  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/nccnews/ncc815.html  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/nccnews/ncc808.html  16日、J-フォン関西の携帯電話メールサービス「SkyWalker」に配信トラブルが発 生した。午前3時40分から6時30分まで、対応携帯電話にインターネットメールが全 く配送されなかった。原因はサーバーの過負荷と見られ、午前中にほぼ解消された という。独自メールの「スカイメール」には影響はなかった。  携帯/PHSのメールサービストラブルは今月に入って3件目。2日から5日には、DDI 東京ポケットの「PメールDX」が、8日にはツーカーセルラー東京の「SkyMessage」 が、それぞれ遅配トラブルを起こしている。  トラブルはすべてインターネットメールに関するものだが、ホームページなどで ユーザーに遅配の説明を行ったのはDDIポケット1社だけ。通信事業者はメールサー ビスの質の強化にもう少し力を注ぐべきではないか。 >  日経コミニュケーション7月19日号は、携帯/PHSメールユーザーの急伸と、上記 > トラブルなど、急成長の影に潜むインフラの脆弱さを指摘している。 >  携帯/PHSのインターネットメール利用者は約200万人(6月末)。国内のネットユ > ーザーは1000万人前後と言われ、すでに5、6人に一人が携帯/PHSでメールをやり > 取りしている。利用文字数など制限も多いが、電波の届く範囲内ならどこでも利 > 用できるなど実用性が高い。 >  2月にドコモが開始した「i-Mode」は57.2万(7月4日)に達し、これまでトップの > J-ホンの「SkyWalker」の75.4万(6月末)に迫る勢い。最近は毎週約8万台のi-Mode > 端末が売れているいう。 > >  一体誰が、何のために使っているのだろう。オジサンにはちんぷんかんぷん。 >  ヒントは下記サイトにあった。 > 「おそるべし! IT世代の女子大学生、メール、携帯電話の使いっぷりに脱帽」 >  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/editor/backnum/99/1h/990708.html > 「iモードを買う理由」 >  http://www.ninjin.net/radica/back/990709.txt > >  女子高時代はポケベル、今はケータイ。iモードは伝言ダイヤル・テレクラ代わ > り・・・。悪夢のシナリオが続く。ケータイが東京テレメッセージの二の舞に。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara048.txt > >  iモード情報は下記サイトから。 > ・日経BP Find'X「iモード」 >  http://findx.nikkeibp.co.jp/imode_0.html > ・OH! iモード >  http://www.ohnew.co.jp/channel/i/index.html ───────────────────────────────────── ●お役所仕事とはこんなもの!?、お粗末極まる図書館の情報システム  文部省は公立図書館が所蔵する郷土資料などをデータベース化、教科書に準拠し たソフト開発に乗り出す方針を明らかにした。インターネットで検索可能にし、小 ・中学校などで「地理歴史」などの授業の教材として活用できるようにする。2000 年度予算概算要求に関係経費を盛り込む。  構想によると、モデル図書館を決め、図書館と教科書会社、学校関係者らがメン バーの協議会を設置する。(時事通信より) >  メールニュースで上記記事を見掛け、先月、横浜市立中央図書館と神奈川県立 > 図書館という、公立図書館としてはトップレベルにあるであろう?両館を訪れた > 時の衝撃を生々しく思い出した。知の宝庫たるべき図書館のあまりの情報システ > ムのお粗末さ ・・・。 > > ・横浜市立図書館 >  http://www.city.yokohama.jp/me/kyoiku/library/index.html > ・神奈川県図書館情報ネットワーク・システムを利用するには >  http://www.pref.kanagawa.jp/guide/09/0902.HTM > >  県立図書館は、内外装とも古く、眼と鼻の先の市立図書館と比べかなり見劣り > する。検索端末も10年?くらい前の薄汚れたDOS用端末で、途中でサジを投げた。 > こんなもの一体誰が使えるのだろう。 >  中央図書館は超?現代的外観。入館前は、屋内もさぞかし洗練され、情報化も > 進んでいるに違いないと思い込んでいた。 >  ハコモノ行政の典型だ!。利用者用階段が無い。エレベータしか、階移動の方 > 法が無いもんだから、混みまくって乗れやしない。 >  検索端末はタッチパネル型専用端末と一般PC型。タッチパネル型端末は反応は > 遅いものの何とか使える。でも、検索したはいいが、本のありかがさっぱり解ら > ない。PC型端末は県立図書館と同じで、とても使えやしない。 > >  雇用対策に行政資料をデータベース化するなどという構想もあるらしいが、政 > 治家や霞ヶ関のお役人はこうした実態を知っているのだろうか。県や市のお偉い > さんも、きっと現場を知らない裸の王様ばかりなのだろう。尤も現場のお役人が > 現場(の問題点)を知らなきゃどうしようもないが。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●三者三様の夏商戦。WOWOW、スカパー攻勢、ディレクは新衛星にらみ動かず  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/76947  割安番組パッケージの投入、受信機の会員制無料レンタルサービス、販売奨励金 の大幅積み増しなどの大攻勢で、4月以降毎月5万件前後の加入者を集めたスカイパ ーフェクTVに対し、ディレクTVの増加ペースはダウン、WOWOWは史上初の加入者純減 に転じてしまった。WOWOWは、加入料の大幅値下げで対抗するものの、ディレクは、 静観を決め込んでいる。  このカギは、BSと同位置の東経110度に打ち上げられる新通信衛星「110度CS」。 BSと受信機が共通でき、BS視聴者1300万世帯を潜在顧客として取り込める。問題は 110度CSが、スカパーの大株主JSATとディレクの大株主SCCの共同運用。搭載される 24本の電波中継器では、両社の現在のチャンネル編成を満たすだけの能力が無い。 そして、既存視聴者の対応受信機の交換問題。現行CSの加入者が増えれば増えるほ ど、新衛星移行に必要な経費が膨れ上がってしまう。  スカパーは、110度CSへの移行を前提とせず、現在の軌道位置(124度と128度)と放 送方式のまま、損益分岐点の170万世帯確保を目指す。既に加入者が100万を超え移 行経費がバカにならない。加えてBSデジタル放送の受信方式は、スカパーを主導す るソニーではなく、松下・東芝が提案する方式に落ち着きそう。  ディレクは、110度CSへの移行が前提。チャンネル数も加入者も少ない同社は、ス カパーよりはるかに110度CSに移行しやすく、バックの松下電器もBSに注力。  WOWOWは、無料放送の公算が強い民放各社のBSデジタル放送に対抗するためにも、 今のうちに有料加入者を少しでも多く獲得する以外に明日は無い。  三者三様の夏商戦の帰趨が、今後の各社の生き残りを左右する。 >  要約して紹介したが、これまで、かわら版で幾度も取り上げて来た我国衛星放 > 送業界の動向を、平易かつ簡明に解説したレポートだ。 ───────────────────────────────────── ●衛星事業に楽観的なモトローラ!?、イリジウムの失敗はテレデシックで ◆業績好調のモトローラに陰を落とすイリジウム  http://www.hotwired.co.jp/news/news/2719.html  米モトローラの1999年第2四半期は、リストラの成功、携帯電話や半導体の売上げ の伸び等大幅増益となる見込みだが、懸念は同社が株式の18%を所有し、資金援助を 行なている衛星電話会社イリジウム社の財政問題。  契約者獲得に苦戦しているイリジウムは、8億ドルに上る借入金に対し、すでに3 度返済期日の延長を受け、このままでは破産が避けられそうにない。 ◆テレデシックとの契約に乗りだすモトローラ   http://www.hotwired.co.jp/news/news/2718.html  マイクロソフトのビル・ゲイツ会長と携帯電話業界の大立者クレーグ・マッコー 氏が共同設立した衛星ベンチャー、テレデシック社は、計画中の高速世界インター ネットサービスに使う衛星の製作でモトローラ社と合意した。 >  衛星による「空のインターネット」計画は上記のように、「テレデシック」の > 他、仏アルカテル・米ロラール連合が推進する「スカイブリッジ」、米ローキー > ド・マーチンが主導する「アストロリンク」、そして米ヒューズが主導する「ス > ペースウェイ」があり、いずれも2002〜03年のサービス開始を目指している。 >  どの計画が実現し、そして成功するかは定かでない。イリジウムの二の舞にな > らないとも限らない。が、壮大な夢にチャレンジするベンチャースピリッツと、 > それをバックアップするエンジェルスピリッツとを併せ持つ米国魂には感嘆せざ > るを得ない。 > > ・テレデシック  http://www.teledesic.com/ > ・スカイブリッジ http://www.skybridgesatellite.com/ > ・スペースウェイ http://www.hns.com/spaceway/spaceway.htm > ・アストロリンク http://www.astrolink.com/ > 「衛星による高速ネット接続の新会社設立へ」 >   http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/2397.html > 「テレデシックとセレストリ提携」 >   http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/711.html ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================