==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 051号 1999年 6月22日発行        〜総配信数 1,470部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.日本にもパソコン無料配布サービスが登場 02.米自動車ネット販売最大手オートバイテル、伊藤忠等と組み日本進出 03.リクルートと任天堂、ゲーム機を利用したネット事業を12月より開始 04.シャープ、インターネット対応のオーブンレンジ発表 05.インターネット利用者、男性30〜40歳代の落ち込みが顕著に ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.米フォード、衛星を使った移動体向けデジタルラジオ事業展開へ ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.怨念クレームWebサイト&「経営よもやま話」 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●日本にもパソコン無料配布サービスが登場  http://ecap24.vertexlink.co.jp/  パソコン卸販売の(株)バーテックスリンクは、新品パソコンの無料配布サービス 「Free PC プロジェクト(通称ムリョーパ!)」を開始した。日本IBM(PCの供給・サ ポート、運用システム開発)、DDI(プロバイダー)、大東京火災海上保険、外資系証 券会社、テレビショッピング専門局などが参画。  初回は1万台を用意し、オーバーした場合は抽選。今年中に3〜5万台、向こう3〜5 年間に累計100万台の配布を予定している。  対象PCは日本IBM製デスクトップで、CPU(380MHz K6-2)、64MBメモリー、6GBハー ドディスク、56kbpsモデム、15インチディスプレイ等が搭載される。  3年間のモニター契約という形式を取り、次ぎの4条件を満たすことが必要。期間 終了後はPCを買い取るか、最新PCへ置き換え継続する。  1.DION(DDI)とのインターネット接続契約  2.PCのメインテナンス契約(3年間の修理保証:月額1,800円)  3.会員カード加入  4.「提携銀行とのインターネットバンキング契約」「提携証券会社とのインター   ネットトレード契約」「提携店舗で月間1万円以上のインターネットショッピン   グを2年間継続」「エプソン、HPのプリンタ、または同等品の購入」から1つ以   上を選択 >  今春、パソコンの無償配布とネットマーケティングを組み合わせたビジネスが > 米国で登場した。かわら版034号「米で無料パソコン登場。画面への常時広告表示 > が条件」参照 http://www.micle.co.jp/kawara/kawara034.txt >  さすが物真似大国ニッポン、すぐさま同種のサービスがいくつか登場したが、 > 大手企業が参画する大規模プロジェクトは今回が初めてである。 >  仕掛け人は、秋葉原等でPCショップT-ZONEを展開する亜土電子工業の創業者で > 前社長の金山和男氏。同社はセガやアスキーと同様、CSKグループの一員。あまり > の業績不振に業を煮やした大川オーナーから今春解任させられた。バーテックス > リンクの代表取締役会長に就任、陣頭指揮を執る。 >  さて、累計100万台などという大風呂敷が果たして成功するであろうか。上記の > ように配布条件は意外と厳しい。対象PCは実売13万円程度の廉価版。申込書には > 家族構成やら、資産状況やら個人情報を丸裸にする項目が満載されている。やは > りタダより高いものはないのである。 >  そこそこ賢明な我国民を引っかけるには、アイデア不足も甚だしい。金山氏の > 大風呂敷に乗った(乗せられた)企業もあまりに不甲斐ない。 > >  追記 今朝の「ただものである」と大書されただけのシンプルな新聞広告! > 博報堂が担当しているようだが、意図がさっぱりわからない? ───────────────────────────────────── ●米自動車ネット販売最大手オートバイテル、伊藤忠等と組み日本進出  http://nnb.nikkeibp.co.jp/nnb/NEWS/9906/99061701.html  http://www.autobytel.com/ (米Autobytel.com)  http://www.isize.com/carlife/ (リクルート ISIZE CARLIFE)  米オートバイテル・ドット・コムは、伊藤忠、リクルートなど6社と共同で日本法 人「オートバイテル・ジャパン」を設立、日本市場に進出する。  11月にも新車販売仲介事業を始め、来年上半期には中古車にも参入する。独自サ イトを立ち上げるほか、リクルートとも提携、同社の「ISIZE(イサイズ) CARLIFE」 からもサービスを利用できるようにする。  オートバイテルは、全米で約2700のカーディーラーを組織化、見積もり、購入、 ローン、保険の申し込みが一括して行える。見積もりを依頼すると、販売対象地域 のディーラーから24時間以内に確実に電子メールで返事が届く。  ISIZE加盟ディーラー(約500社)のうち、インターネット対応など条件を満たす200 程度のディーラーからスタートし、初年度は見積もり依頼件数10万件を見込み、10 〜20%の成約率を狙う。 >  かわら版040号で「ソフトバンク・マイクロソフト・ヤフー、ネット自動車販売 > の合弁会社設立」を取り上げた。マイクロソフトが運営する全米2位の「MSN Car > Point」と同様のサービスを国内で展開する。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara040.txt >  単独進出ではなく、自動車販売事業にそれなりのノウハウを持つ伊藤忠、リク > ルートと組むことは、素人のソフトバンクと組むよりは賢明な選択だと思われ、 > 我国でも自動車のネット販売がようやく加速しそうだ。 > >  但し、何度も書くがくれぐれも以下の点に留意して欲しい。 >  我国でネットビジネスがブレイクしない主要因は、 > ・インターネットそのものの市場規模が、クリティカル・マス(ある状況の発生に >  必要な最低ライン)に到達していない。 > ・個々の商品や市場に特有のマーケティング手法を、ネットに生かせる仕組みが >  確立されていない。(商品や市場を熟知した企業や人材はネットを知らず、ネッ > トのプロを自認する企業や人材は、商品や市場を知らない) ───────────────────────────────────── ●リクルートと任天堂、ゲーム機を利用したネット事業を12月より開始  http://www.nintendo.co.jp/n10/news/990611a.html  リクルートと任天堂は、折半出資で合弁会社を設立、家庭用ゲーム機を利用した 会員制ネットワーク事業「エンターネットサービス(仮称)」を12月に開始する。  「NINTENDO64」に、書き換え可能な磁気ディスクや通信機能を搭載した「64DD」 を接続して利用する。サービスは有料で、入会費・月会費の他コンテンツ利用料が 必要。  ゲームソフトの販売・書き換え、ネットワーク対戦ゲームなどゲーム関連サービ スの他、メール・WWW閲覧などインターネット機能や、デジタル競馬新聞、音楽デー タ配信などのサービスも提供する。 >  任天堂は、ファミコン時代からゲームソフトの書き換えや配信、そしてゲーム > 機自体の用途拡大にも熱心だったように思う。磁気ディスクシステムや、セント > ・ギガという衛星ラジオ放送を使ったゲームソフト配信にもチャレンジ(この件は > 次号で取り上げる)、ファミコンを競馬の電話投票や、証券取引の端末として活用 > する試みもしている。 >  かわら版046号で「松下電器と任天堂、ネットワーク家電戦略で包括提携。ソニ > ー追撃へ」を取り上げ、次いで049号で「セガ、ドリームキャストの再生は、1万 > 円値下げとネット端末機能強化で」を取り上げた。松下とは次世代ゲームでの提 > 携であり、今回のリクルートとの提携は、現行型ゲーム機での提携である。 >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara046.txt >  http://www.micle.co.jp/kawara/kawara049.txt >  049号に「今普及しないのは、ハードやシステムではない。サービスやコンテン > ツの貧弱さ、そして何よりもインターネットそのものを知らない、安易で杜撰な > ビジネス戦略に他ならない」と書いた。 >  現在の日本で、情報ビジネスそしてインターネットを最もよく知っているであ > ろう「リクルート」との提携は、ライバルソニーやセガより有利だが・・・。 ───────────────────────────────────── ●シャープ、インターネット対応のオーブンレンジ発表  http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/990615.html  シャープは「インターネット DE これつくろ!」と名づけた、世界初のインター ネット対応オーブンレンジを9月20日発売する。価格は98,000円。  レンジ自体には、インターネット接続機能は搭載されておらず、ネット上からレ シピ情報をパソコンで取得し、専用機器経由でレンジに取り込む。年内には携帯端 末「ザウルス」をレンジに直接接続してデータを入手できるようにする。  主婦の悩みを支援する「生活情報家電」の第1弾として提案、今後も洗濯機、エ アコン、冷蔵庫などのネット対応を進める。 >  上記のように、インターネット対応とは言うものの、実際はインターネットで > 入手したレシピ情報を、レンジ機能に生かすというだけの商品である。シャープ > ともあろうものが、何でこんなものを商品化するのだろうか。売れるとは全く思 > えないし。 >  「生活情報家電」の長期戦略があり、それに則っての技術研究や市場研究の一 > 環ということでやっているのだろうが・・・。 ───────────────────────────────────── ●インターネット利用者、男性30〜40歳代の落ち込みが顕著に  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/market/index.html  日経BP社が3月末に行った「第5回インターネット普及率調査」から男性のWWW利用 率を年代別に見ると、16歳以上29歳以下を除き利用率が下がっている。  特に落ち込みが目立つのが30代と40代。30代は昨年9月に23.1%だったが、今回は 17.9%と約5ポイント下げ、40代は今回10.6%にまで下がった。  高年齢ユーザーは、勤務先でWWWを利用する割合が高い。利用環境は整っているも のの企業内では実際にはあまり利用しないという傾向が出てきている。  プロバイダーの個人加入数が衰えを見せていない状況を考えると、WWWの主な利用 目的は、趣味や娯楽にシフトしつつあると考えられる。 >  同調査では利用者数の推移も分析している。 >  http://www3.nikkeibp.co.jp/MA/guests/release/990423inet.htm >  これによると、インターネットやパソコン通信を1ヶ月以内に利用した人は1260 > 万人で、昨年9月の1410万人より減少した。調査開始以来初の減少で、1年前の水 > 準に逆戻り。また「利用したことはあるが中止した、もしくは1ヶ月以内に利用し > ていない」人が690万人にも上り、経験者のうち実に約1/3が利用を止めている。 >  男性30〜40代の利用減と併せて考えると、ブームだから、取り残されるからと > いった“安易”な理由でインターネットを始めたということだろう。 >  現状のネットやパソコンの使用には、明確な利用目的と“それなり”の努力が > 必要だ。魅力的なコンテンツの欠如や、欲しい情報にたどり着くための経路がわ > からないといった要因もあるだろうが、自らの情報リテラシーを磨く努力も不可 > 欠だということを、大いに啓蒙せねばならない。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●米フォード、衛星を使った移動体向けデジタルラジオ事業展開へ  http://ne.nikkeibp.co.jp/vehicle21/990616ford-cdradio.html  米フォードとCD Radio社は、衛星移動体デジタルラジオ事業で提携した。専用受 信機器をフォードの乗用車やトラックに組み込み、音楽やニュース、スポーツ番組 などをユーザに提供する。  2001年春にサービスを始める予定で、当初100チャンネルの番組を用意、うち50を コマーシャルなしの音楽番組に、残り50をニュースやスポーツなどエンタテイメン ト番組に割り振るという。1カ月の契約料は9.95米ドル。  なお、米GMもXM Satellite Radio社と組み、同様サービスを開始する予定。  http://ne.nikkeibp.co.jp/vehicle21/990610.html >  モバイル(カー)マルチメディアを巡るインフラ、サービス、端末の開発競争が > 激しくなってきた。カーラジオからカーオーディオへ、カーナビも次世紀には通 > 信機能や情報機能を盛り込んだカーマルチメディア端末へと進化するであろう。 > そして地上波ラジオ・テレビ放送の受信に加え、新たに衛星デジタル放送や、地 > 上波デジタル放送の受信も可能となるだろう。 >  我国でも、東芝やトヨタ、富士通などが設立したモバイル放送(株)が、衛星を > 使った移動体向けラジオサービスを2001年に開始すべく準備中である。 >  http://www.toshiba.co.jp/tech/review/tech/index_j.htm >  以前、このプロジェクトの成否は、ビルや障害物による衛星電波の影をカバー > するために大量に必要となるギャップ・フィラーと呼ぶ設備のコスト如何だと聞 > いたことがある。国土の広い米国とは諸条件がかなり異なるらしい。 >  ご存知のように我国では、多チャンネルかつ有料のCSデジタル放送が不振を極 > めている。BSデジタルや地上波デジタル放送のニーズも少ない。インフラ以前に、 > コンテンツやサービスを如何に準備・提供できるかを検討すべきと思うが。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●怨念クレームWebサイト&「経営よもやま話」  http://member.nifty.ne.jp/AKKY/ (クレームWebサイト)  http://www2.nikkeibp.co.jp/nvw/yomoyama/column.html (経営よもやま話)  まだ、夏の怪談にはチョット早い時期ですが・・・。  アクセスが殺到しています。特に消費者対応部門や広報部門、品質保証部門等の 担当者は必見です。東芝製ビデオデッキのクレーム処理を巡る、購入者と東芝との 生々しいやり取りが電話録音も含め、掲載されています。  この情報は、久米信行氏の同報メール「縁尋奇妙」より入手しました。氏の言う ように、まさに一億総“総会屋”時代の到来です。  「縁尋奇妙」メールのバックナンバーが、日経ベンチャーワールドに「経営よも やま話」として連載されています。氏の多彩なネット人脈のホットな話題が、含蓄 のある寸評とともに読めます。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================