==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 042号 1999年 4月13日発行        〜総配信数 1,400部(含抄録版) Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディアやインターネット、衛星関  連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。       by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/plan/ ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.アットホーム、住友商事等とCATVインターネットの日本法人設立 02.クロスウェイブ、企業向け高速バックボーンサービスの料金体系を発表 03.自宅のネットユーザーは「ながらWWW派」 04.「中高年再雇用を後押し」と謳う、ネットワーク技術者養成学校の胡散臭さ! ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- 01.郵政省、学校インターネットの導入方策決定。衛星インターネットが最多 02.スカイパーフェクTV、電話受付時間を2時間短縮 03.衛星インターネット「Mega Wave」、月額3,980円の定額制に ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●アットホーム、住友商事等とCATVインターネットの日本法人設立  http://www.sumitomocorp.co.jp/company/news/19990407.htm  http://www.jcom.co.jp/ (ジュピターテレコム、情報未掲載)  CATVを利用した高速インターネットサービスで知られる米アットホーム社は、住 友商事及び、住商傘下のCATV局統括運営会社ジュピターテレコムとともに、合弁会 社「アットホーム・ジャパン(仮称)」を来月設立する。資本金20億、出資比率はア ットホーム:42.9%、ジュピタ:35.7%、住商:21.4%で、来年にも商用サービスを開始 する。住友商事は、インターネット関連子会社クロスビームネットワークスのCATV 関連事業を新会社に統合する。  新会社は、アットホームのネットワーク技術・コンテンツを導入し、国内、国際 バックボーン回線の構築やネットワーク運用のほか、高速広帯域に対応したコンテ ンツ配信事業などを展開する。 >  かわら版031号で、「米CATVインターネット大手@Home(アットホーム)、検索大 > 手Excite買収」を取り上げた。http://www.micle.co.jp/plan/kawara031.txt >  「買収額約67億ドルと、AOLによるネットスケープ(同42億ドル)を上回る、ネッ > ト分野最大規模の企業買収。アットホームの大株主は米CATV大手テレ・コミニュ > ケーションズ(TCI)。会員数は現在33万だが、電話回線の百倍以上の高速接続を売 > り物に、動画などを自在にやりとりできる次世代ネット市場を開拓中。エキサイ > トの買収によりポータルサービスにも力を入れる。」 > >  総合商社の中で、CATV分野に最も注力しているのが住友商事。同社の発表によ > れば、合弁会社設立の背景と狙いは以下のとおり。 > ・高速通信回線網としてCATV網を利用する技術が確立したことにより、高速イン >  ターネット事業に進出するCATV事業者が急増。 > ・先行する米国では、通信技術力が不足し、かつ単体でインターネット事業推進 >  に限界があるCATV事業者の多くは、アットホームに業務を委託。 > ・我国でも、競争力のあるISP事業者(インターネット・サービス・プロバイダー) >  が複数のCATV局を束ねることにより、ネット関連の各種サービスを一括して提 >  供すべきと判断。 > >  我国のCATVの世帯普及率は15%、難視聴対策受信世帯数を加えても30%と、6割以 > 上普及している米国に大きく遅れる。事業者も、市町村単位をエリアとする加入 > 数数万の小規模経営が多く、半数は赤字。衛星放送の台頭やデジタル化など、一 > 層の競争激化にされされ、事業者の統合を進めるジュピターテレコムの戦略も今 > 一歩進んでいない。 >  米国に倣い、通信分野に活路を見出そうとのようだが、本来の放送事業での諸 > 改革を差し置いて、安易にインターネットに手を伸ばしても前途は多難だろう。 >  最近、CATVの可能性自体には、衛星以上に魅力を感じているのだが・・・。 > >  我国のCATVインターネットの現状は、かわら版033号「東急ケーブルテレビジョ > ン、CATVインターネット加入件数4,000件突破」を参照 >  http://www.micle.co.jp/plan/kawara033.txt ───────────────────────────────────── ●クロスウェイブ、企業向け高速バックボーンサービスの料金体系を発表  http://www.cwc.co.jp/whatsnew/003.html  昨年10月、IIJ、トヨタ、ソニー3社が設立した新興データ通信会社「クロスウェ イブ コミュニケーションズ(CWC)」が、4月末から開始する「高速バックボーンサー ビス」の料金体系を発表した。  回線容量は1.5M〜600Mbpsの4種類で、距離区分は三段階と極めてシンプル。ISPや CATV、放送事業者などのバックボーン構築用に提供する。  距離/容量   1.5Mbps   45Mbps   150Mbps  〜200km    20万円    240万円   480万円  〜600km    30      360     720  600km超    40      480     960  (上記月額料金のほか、工事費2万円とローカルアクセス回線使用料が必要) >  かわら版016号でCWC設立を取り上げた。 >  http://www.micle.co.jp/plan/kawara016.txt >  狙いは「急伸するデータ通信市場に特化し、NTTより大幅な割安料金で、NTTの > 牙城を崩す」ことに他ならない。 >  その手段が、基幹通信網のIP(インターネット・プロトコル)化と、ダークファ > イバーの採用。データ通信に特化することで、IP化が可能となり、電話網のよう > に高額な交換機無しでシステムが構築ができる。既存の通信事業者の余った回線 > (ダークファイバー)を借りるため、自前の光ファイバー回線を敷設する場合と比 > べ、インフラ整備費用を大幅に圧縮できる。 >  4月6日付日経産業新聞は、「CWCはユーザーに直接つながる“足回り回線”をも > たないため単純比較はできないが、東京−大阪間で1.5メガのサービスを利用する > 場合NTTは月額153万2千円、CWCは同30万円。足回りにNTTの近距離限定専用線を使 > 用したとすると、同60万円程度とNTTの約半分で済む計算」 >  「安さ以上に衝撃的なのは、距離区分が3段階しかないこと。距離が10-20キロ > 伸びる毎に小刻みに料金が上がるNTTとの違いは一目瞭然。すでにインターネット > の世界では、定額制の定着で“時間”の概念が消えているが、CWCは今回“距離” > の概念もほぼ消滅させた」という。 >  前提条件は揃ったようだが、壁は“守旧派”NTTを守る、日本企業の“保守的” > 体質。牙城は崩せるか? ───────────────────────────────────── ●自宅のネットユーザーは「ながらWWW派」  http://www3.nikkeibp.co.jp/MA/guests/release/990408inet.htm  日経BP「インターネット視聴率センター」のアンケート調査によると、自宅でWWW を利用している人は、別なことをしながらWWWを楽しむ「ながらWWW派」が多い。  「テレビをつけながら」が最も多く40.6%、次いで「電話で話をしながら」31.2%。 「音楽を聴きながら」は15%弱で、「WWW視聴に集中している」人は5.6%。  「テレビをつけながら」が多いのは「パソコンとテレビが同じ部屋にある」と回 答した人が約6割にものぼること、また「電話で話をしながら」の背景には、携帯電 話とPHSの普及、一般ユーザーへのISDN回線導入の拡大が挙げられるという。 >  「電話をしながら」は積極的な“ながら”派、「テレビをつけながら」「音楽 > を聴きながら」は消極的な“ながら”派だろう。音の出るサイトは少ないため、 > BGM代わりにテレビをつけ、音楽を流しているということか。実際私もそうだ。 >  先回取り上げた、IE5のラジオツールバーの可能性が検証された。? ───────────────────────────────────── ●「中高年再雇用を後押し」と謳う、ネットワーク技術者養成学校の胡散臭さ!  http://www.into.co.jp/nikkei.html  ベンチャー企業設立支援のデジタルドリームは、コンピューターネットワーク技 術者養成事業に乗り出す。中高年の再雇用や転職を後押しするための、専門技術教 育が主な狙い。  来年1月都内にネットワーク構築・管理技術者の養成スクールを開設。間連業界の 大手企業から出資を募り全国展開する。(日本経済新聞'98年11月17日付記事より) >  朝日新聞に昨年掲載された私の記事(http://www.micle.co.jp/asahi1.htm)を見 > た、典型的なリストラ・求職中の一人のおじさんが、先週オフィスを訪ねて来た。 > 2度目の訪問である。最初は互いの現況等について諸々雑談した。今回は上記日 > 経の記事を読み、入校を検討したいので相談に乗って欲しいとのことであった。 >  彼はパソコンは少々できる?ものの、インターネットは未経験。業務経験や年 > 齢などネットワーク技術者志望はかなり無茶である。天下の日経新聞の記事を見 > てその気になったものの、高額の授業料など不安もあったのだろう。 >  パンフレットを見(コースガイドがcouse guideとなっていた)、ホームページに > アクセスした。案の定、胡散臭さがそこそこから匂ってくる。ネットワーク技術 > 者は無理なこと、そしてこのスクールも信用できないことを断言した。 >  言うまでもなく、新聞の力は限りなく大きい。私の記事が朝日に掲載されなか > ったら、彼も私を知ることは全く無かったであろうし、日経に掲載されなかった > ら、このスクールの存在を知ることもなかっただろう。 >  メディアリテラシーの重要性を改めて認識した次第である。 ========================================================================== ---◆最近の衛星関連ニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●郵政省、学校インターネットの導入方策決定。衛星インターネットが最多  http://www.mpt.go.jp/whatsnew/school/net9901.html  http://www.mpt.go.jp/whatsnew/school/net9901_ref6.html (情報未掲載)  郵政省は先週、文部省と連携して実施する「学校における複合アクセス網活用型 インターネットに関する研究開発(学校インターネット)」の概要を発表した。  全国30地域/1,050校について、衛星やCATVなど高速アクセス回線を整備し、9月か ら利用を開始する。アクセス回線は、衛星インターネットが最も多く387校、次いで CATVの327校、WLL(Wireless Local Loop:加入者系無線アクセス)が160校、光ファ イバーが100校、DSL(Digital Subscriber Line:既存電話回線の高速アクセス化)が 76校となっている。 >  次世代高速インターネット技術がオン・パレード!! >  “研究開発”とは言え、実験台に選ばれた学校関係者はさぞかし苦労するだろ > う。設備だけ整えても、使える人間(教師)がいないことには宝は持ち腐れ。現状 > のインターネットすら満足に使えない多くの教師に、技術的に未完成の高速イン > ターネットが使えるわけがない。 >  総額300億の予算は関係業界にとってはさぞかし朗報だろう。ハコ物行政的発想 > は全く変っていない。尤も、土建業界にバラまかれるよりはまだましか。 ───────────────────────────────────── ●スカイパーフェクTV、電話受付時間を2時間短縮  顧客管理業務の合理化のため、6月より、午前9時から午後9時の顧客管理センター の営業時間を午前10時から午後8時に2時間短縮するとともに、チャンネル変更など の手数料についても一部値上げする。  2000年末開始予定のBSデジタル放送などとの競争激化を睨み、逸早くコスト削減 を推進、収益力あるスリムな経営体質をつくる。(日経産業新聞4月7日付記事より) >  ネット上の衛星関連フォーラムや掲示板には、スカパー、ディレク両社の電話 > 応対の酷さを憤る発言が後を断たない。 >  同記事によれば、顧客管理センターには月平均30万件近い電話がかかっており、 > 加入者増に伴い、電話をかけてもつながらない「呼損率」が増加している。 >  スカパーの卯木社長は、サービスが低下しても会社が潰れては元も子もないと > 語っているようだが、本末転倒も甚だしい。顧客あってこそ会社が発展するので > あり、顧客をないがしろにした会社は例外なく潰れる。 >  トヨタ自販の創業社長、故神屋正太郎氏が昭和10年に打ち出した同社の経営理 > 念「一にユーザー、二にディーラー、三にメーカー」は、普遍のマーケティング > 原理である。昨今のトヨタはいささか逆のようではあるが。 ───────────────────────────────────── ●衛星インターネット「Mega Wave」、月額3,980円の定額制に  http://www.megawave.ne.jp/r3980.html  NTTサテライトコミュニケーションズは、無料提供中の衛星インターネット接続サ ービス「Mega Wave」を月額3,980円の定額料金にすると発表した。8月に予定してい た従量制併用型料金への移行を取り止め、6月以降定額料金のみで利用できる。 >  将来の値上げの不安を払拭するため、定額制としたようだが、料金体系以前の > 諸問題を解決しないことには、多くの加入者は望めまい。かく言う私も真剣に加 > 入を検討したが、現状では断念せざるを得ない。 >  理由は、PC Watchの「週刊PCホットライン」コーナーに、元麻布春男氏が連載 > している「CSデータ放送/通信サービス」に詳しく記されている。 > 「CSデータ放送/通信サービスを利用するには」 >  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990317/hot031.htm > 「CSデータ放送/通信サービス・2 〜SKY PerfecPC!〜」 >  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990324/hot032.htm > 「CSデータ放送/通信サービス・3 〜MegaWave〜」 >  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990407/hot034.htm ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、「読者登録&カンパ制」メールマ  ガジンです。電網企画会社「マイクルプラン」加入メンバー、及び読者登録メ  ンバーにマイクルより直接配信しています。 ◇配信の停止や配信先の変更は、下記メールアドレス宛ご連絡下さい。  wata@micle.co.jp ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を、許可無く  転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================