==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 039号 1999年 3月23日発行      〜総配信数 1,390部 Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)と  サテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお  届けいたします。   by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/ ========================================================================== <<お知らせ>>  電網かわら版をご購読いただきありがとうございます。  すでにご案内のように、来月より“読者登録&カンパ制”へ移行させていただき ます。属性や購読理由など簡単なアンケートにご協力いただいた方々、及び「電網 企画会社マイクルプラン」ご参加メンバーには、これまでと同様の電網かわら版を マイクルより直接配信させていただきます。  無料購読も可ですが、できれば“カンパ”または「マイクルプラン」へのご参加 をお願いしたいと思います。  購読申し込みは下記URLで、受け付けています。  http://www.micle.co.jp/plan/kawaraban.html  これにともない現在の「まぐまぐ」「Macky!」での配信は、来月より、目次や記 事の一部を抜粋した“抄録版”に切り替えさせていただきますのでご了承下さい。 <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.“加熱”する我国のLinux人気!?  ・NEC、富士通、日本IBM等、国内有力企業も相次ぎLinuxサポートを発表  ・「LinuxWorld Conference Japan'99」開催  ・業界団体(日本Linux協会、Linuxコンソーシアム)4月発足 02.拡大するネット広告市場。電通、98年のネット広告費を約114億円と推定 03.NTTドコモ、モバイル通信分野で矢継ぎ早に提携発表  ・英シンビアンと協力、携帯端末向けOSを共同開発  ・米サンと技術協力、iモード端末にJava導入  ・マイクロソフトと、モバイルマルチメディア推進で提携 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.ソニー、衛星で音楽ビジネスを本格展開へ  ・SME、音楽ソフトの衛星配信ビジネス展開。4月からスカパーで開始  ・SMETV、日本テレコムと協力、英音楽ライブを衛星生中継 ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- 01.富士通総研のインターネットビジネスのページ ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●“加熱”する我国のLinux(*)人気!? (*)Linux  フィンランドの学生ライナス・トーバルズ(Linus Torvalds)が、汎用OSのUNIXを ベースに開発。自分の名前とUNIXをかけてLinuxと命名。技術情報を全て無償公開し たため、世界中のボランティアが次々と改良を加え、ネット上で自己増殖した。 ◆NEC、富士通、日本IBM等、国内有力企業も相次ぎLinuxサポートを発表  http://www.sw.nec.co.jp/linux/ (NEC)  http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1999/Mar/16.html (富士通)  http://www.ibmlink.japan.ibm.co.jp/cgi-bin/PREScgiDep.pl?docid=PRES1242  &caps=N&perc=90&keywords= (日本IBM)  先週、NEC、富士通、日本IBMが相次いで国内でのLinuxサポートを発表。動作確認 情報の提供や、ユーザーの注文に応じてサーバーやパソコンにLinuxを搭載したり、 Linuxベースのシステム構築サービス等を始める。 ◆「LinuxWorld Conference Japan'99」開催  http://www.asahi.com/tech/topics/990318linux.html (asahi.com関連記事)  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990318/linuxw01.htm  (PC Watch関連記事)  我国初のLinux国際イベントが先週東京国際フォーラムで開催された。上記レポー トによれば、各社が対応新商品を発表するなど、非常に盛況だったようだ。  基調講演で、主要Linuxベンダー、レッドハット社のボブ・ヤング会長は、成功理 由を「OSをユーザー自身がコントロールでき、ユーザー全員の力でより良いものを 作れる」と語り、「Linuxはボンネットを開けられる車、無料の公共道路」「マイク ロソフトは私有道路で、通行者から料金を徴集している」とも語った。 ◆業界団体(日本Linux協会、Linuxコンソーシアム)4月発足  http://www.linux.or.jp/general/JLA/19990318.html (日本Linux協会)  http://linux.fsi.co.jp/ (Linuxコンソーシアム)  上記に合わせ、Linuxの利用を促進、改善するための団体「日本Linux協会」の設 立が発表された。従来のユーザー主体のLinuxコミュニティに、ハード、ソフトベン ダーなど全ての関係者を取り込むのが狙い。  また、富士ソフトABC(株)も、関連ソフトの整備や流通ルートの構築を行なうベン ダー主体の「Linuxコンソーシアム」の設立を発表。日本Linux協会など、国内外の 関連団体との交流も図っていく。 >  昨年10月、かわら版016号で「インテル、ネットスケープが、Linux(リヌクス) > 販売会社に出資」を取り上げ、「“無料”で“改良自由”なフリーソフトが急速 > に増殖、ユーザーは800万人に拡大、巨人マイクロソフトを揺さぶっている」と記 > した。 http://www.micle.co.jp/plan/kawara016.txt >  以降、Linux(最近呼び方はリナックスといわれる方が多いが)は、我国でも急 > 速に注目を浴び、先週の一連の動きとなった。 >  コンピュータ系ニュースはLinux一色で、今にもウィンドウズに取って代わるか > のごとく報じた一部マスコミもあり、いささか加熱ぎみである。 >  Linuxは、ネットワーク志向のコンピュータ用OSであり、サーバーや高性能パソ > コン用0Sである。一般パソコン向けOSとしてのウィンドウズ95/98や、マックOSと > は基本志向が異なる。対応するアプリケーションソフトも少なく、初心者や一般 > PCユーザーが安易に使いこなせる代物ではない。 >  もちろん、マイクロソフトのワードやエクセル、そしてインターネットエクス > プローラも使えない。当分、マイクルや皆さん?にも縁がないだろう。 ───────────────────────────────────── ●拡大するネット広告市場。電通、98年のネット広告費を約114億円と推定  http://www.dentsu.co.jp/DHP/DOG/news/index_9907-0316.html  電通は、昨年のインターネット広告費を、約114億円と推定、97年が約60億円だっ たことから、1年でほぼ倍増した。  ネット広告費は、サイト上の広告掲載費と制作費の合計で、今回調査は有料で広 告を掲載している約600サイトに調査票を送付、回答のあった約200サイトの実績値 等から推定したもの。コンピュータ、通信業界が主に利用しているが、一般消費者 向け金融サービスの伸びも顕著。  本年はさらに市場が拡大し、約198億円にまで増加すると予測している。 >  電通の「平成10年日本の広告費」によれば、昨年の広告費全体は約6兆円で、ネ > ット広告費は0.2%程度の市場規模に過ぎない。昨年約20億ドル(約2400億円)に達 > し、全体の1%を突破したとされる米国に比べ大きく見劣りする。 >  http://www.dentsu.co.jp/DHP/DOG/adex1998/adex1998.html >  (上記サイトは、媒体別広告費、業種別広告費等も掲載され、便利である) >  電通は、「インターネットをマーケティングツールとして活用する企業が増え、 > 今後も市場拡大が期待できる。このペースで伸びれば2005年には1000億円を突破 > するだろう」とかなり楽観的?に見ているようだ。 >  日経マルチメディアも、今月(4月)号でネット広告を特集、「ホンダ、ソニー、 > リクルートも本格展開。バナーの表現や媒体選びでこんなに差が出る」「クリッ > ク保証、タイアップなど続々登場する新型サービス」等のタイトルで事例や各種 > サービスを取り上げている。 >  私にとって、バナー広告はウザイ(煩い)だけの代物。クリックすることもほと > んど皆無。ネット広告については、いずれまとめるつもりだが、私のサイトや電 > 網かわら版に広告を掲載することは当面ないであろう。 ───────────────────────────────────── ●NTTドコモ、モバイル通信分野で矢継ぎ早に提携発表 ◆英シンビアンと協力、携帯端末向けOSを共同開発  http://WWW.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew115.html  携帯端末向けOS開発会社、英シンビアンと提携、次世代携帯端末向けOSを共同開 発する。シンビアンは、モトローラ、エリクソン、ノキアの欧米有力メーカー3社が 出資、提唱する「EPOC OS」は、次世代携帯端末向けOSの有力候補。 ◆米サンと技術協力。iモード端末にJava導入  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew116.html  http://www.sun.co.jp/Press/release/1999/0316.html  米サン・マイクロシステムズと提携、ドコモのiモードサービス対応端末へ、サン のJava関連技術を導入する。年内にも試作機を公開する予定。  Javaを組み込むことで、各種サービス開発やソフトのアップデート・ダウンロー ドが容易に行える他、Java Cardを電子財布として利用したり、携帯電話から自宅の Jini対応ビデオデッキを直接操作したりといったことが可能で、携帯電話がEC(電子 商取引)端末や、情報家電のコントロール端末に進化する可能性もある。 ◆マイクロソフトと、モバイルマルチメディア推進で提携  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew119.html  米マイクロソフトと、ワイヤレス通信技術、パソコン技術の融合に向け協力する。 当面、「Windows CEをモバイル通信により適したOSに改良」「携帯端末を用いたデ ータセンターサービス、対応端末・ブラウザ・ソフトの共同開発」「高速データ通 信に適したPHS用のWindows CE対応ソフトの共同開発」の3件を検討する。 >  宿敵マイクロソフトとサンはもとより、上記3社はそれぞれ競合関係にある。 > 3日連続で、提携を発表したドコモの狙いは。(?_?) >  「3社ともマルチメディア界でのキープレーヤーだ。ネットワークキャリアとし > てノウハウを持つドコモは、モバイルマルチメディア推進のため世界のキープレ > ーヤーと提携すべきと考えている」とドコモは言っているようだ。 >  大胆というか、無節操というか、八方美人というか、ドコモのあまりの巨大さ > 故か・・・。 >  次世代携帯電話の標準方式IMT2000は、ドコモが提唱し、欧州各国が支持するW- > CDMA方式と、クァルコムが提唱、米国やIDO・セルラー連合が支持するcdmaOne方 > 式が激しく対立した。結局、調整がつかないまま、ITU(国際電気通信連合)は、端 > 末やシステムの互換性を条件に、両方式を採用することで合意した模様だ。 >  これまでアナログ携帯電話や現行デジタル携帯電話で、ドコモは自らが開発し > た独自方式を採用、ドコモファミリーと呼ばれる通信機器メーカー共々、我国に > 君臨してきた。次世代携帯電話でも頑な姿勢を崩さなかった。 >  ドコモはネットワークサービスで、iモードの他、IDO・セルラー連合やデジタ > ルホングループが採用するWAP方式も採用する。限りなくシームレス化が進む世界 > の趨勢には、誇り高き?ドコモさえ、逆らえないということか。 ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ソニー、衛星で音楽ビジネスを本格展開へ ◆SME、音楽ソフトの衛星配信ビジネス展開。4月からスカパーで開始  ソニーは、スカイパーフェクTVで、家庭向け音楽配信ビジネスに乗り出す。受信 チューナーとMDなどを接続、加入者が気に入った曲を有料で録音、楽しむ仕組み。 当面、独立系アーティストや新人を対象とし、著作権の絡む既存アーティストにつ いては、関係者の同意を得てから対応する。  SMEは、「著作権印税や原盤印税等をきちんと支払う仕組みや、コンテンツの価格 設定など、今後の配信ビジネスの基準となるモデルを作りたい」とし、業界各社も 好意的で、日本レコード協会も容認する見通し。  これまで音楽データ配信は、著作権問題から実験の域を出なかったが、ソニーの 本格展開で、いよいよ事業化段階を迎える。(日経産業新聞3月17日付記事より) ◆SMETV、日本テレコムと協力、英音楽ライブを衛星生中継  スカパーで、音楽専門チャンネル「Viewsic」を運営するソニーグループのSMETV は、英国の人気アーティストのライブ演奏を衛星経由で生中継する。衛星中継回線 の確保など技術面は日本テレコムが全面的に協力する。  「Viewsic」は、国内各地のライブハウスの生中継番組を売り物に加入者を伸ばし ており、若者の人気が根強い英音楽ライブを看板番組に加えることで、加入者獲得 に弾みをつける。(日経産業新聞3月18日付記事より) >  朝日新聞に「メディア新世紀」という特集記事が連載されている。 > タイムリーかつ読み応えのある記事が多い。先月も、上記トピックスに関連する > 「境目の消滅」と題した通信と放送の融合や、「CDの消える日」と題した音楽 > ソフトの自動販売機やネット配信が取り上げられた。 >  http://www.asahi.com/tech/special/9802special/medianeo990220.html#top >  http://www.asahi.com/tech/special/9802special/medianeo990227.html#top > >  最近のソニーの目覚しい動きについては、かわら版でも何度も取り上げている > ので特に言うことはない。その力で、青息吐息のCS衛星放送を普及・発展させて > 欲しいと願うのみである。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メルマガ◆--- ───────────────────────────────────── ●富士通総研のインターネットビジネスのページ  「サイバービジネスの法則集」   http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/fri/cyber/index.html  「インターネットビジネス最新事例」   http://www.fri.co.jp/ec/index.html  富士通総研のインターネットビジネスに関する様々なレポートが閲覧できる。 「サイバービジネスの法則集」は、ネットユーザー調査、ビジネスレポート、ケー ススタディ、キーワード解説などのコーナーがあるネットビジネスの総合サイト。 「インターネットビジネス最新事例」は、ビジネス系サイトの中から目を引くサイ トを取り上げ、事例紹介としてまとめたものを公開している。  ユーザー登録すると、更新情報や最新情報がメールで配信される。  マイクルも時折覗き、参考にしている。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================