==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 036号 1999年 3月 2日発行      〜総配信数 1,300部 Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)と  サテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお  届けいたします。   by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.検索サイトの意外な実態!情報量膨張で破綻が迫る? 02.業務用インターネット端末はブレイクするか?  ・富士通、「WebTVインターネットターミナル」発売  ・船井電気、インターネット端末「カードでね!」の新型機を3月下旬投入  ・セイコーエプソン、NC端末「インターゲート」4月発売 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.ソフトバンクのCS受信機“無料配布”計画に思わぬに波紋 02.BSデジタルデータ放送に34社が参入希望、枠の5倍以上に 03.富士通、企業向け「衛星イントラネット」サービス開始 ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メールマガジン◆--- 01.団藤保晴「インターネットで読み解く!」 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●検索サイトの意外な実態!情報量膨張で破綻が迫る?   http://www.alles.or.jp/~dando/  団藤保晴氏が発行するメールマガジン「インターネットで読み解く!」1999/02/ 25号は「ネット検索に迫っている破綻」と題し、ポータル競争の先頭に立つなど華 やかな話題の裏に潜む、Yahoo!やgooなど検索サイトの意外な実態を、自サイトの更 新反映状況を元に分析、論評した。  ホームページの新設・更新など急激に膨脹を続けている情報量に、gooなどロボッ ト型検索エンジンの設備能力が追いつかず、データ更新の遅れや収集漏れが目立ち 始めた。Yahoo!などディレクトリ型サービスも、新規登録申請件数のうち2、3割し か登録できない状況。  「ビデオリサーチ調査結果」(http://www.videor.co.jp/inf/990113.html)では、 インターネット利用経験者が急増する反面、利用価値を見つけられずリタイヤする ユーザーが経験者の3分の1もいる。  情報洪水の中で、既存の検索サービスに限界が見え始め、全文検索システムを生 かした専門分野別のミニ検索サービスや、日本語ページだけに特化したサービスな ど「賢いやり方」が望まれる。 >  皆さんにご協力いただいた電網かわら版のアンケート調査でも「頻繁に利用す > るページは?(複数回答)」との質問に、回答者の58%が「検索サイト」を上げ、 > 2位の「趣味や娯楽のページ」(43%)、3位の「仕事や研究に関するページ」(37%) > を引き離してトップであった。 >  私も時々検索サイトを利用するが、欲しい情報に行き着くには、皆さんも何度 > も経験していると思うが、精神的にも時間的にもかなりの労苦を要する。(>_<) >  昨年来、検索サイトの異変を薄々感じ、Yahoo!の登録問題もネット上のあちこ > ちで議論されてはいたが、理由は不透明なままであった。その答えが今回の団藤 > 氏のコラムで概ね明確になったと思う。 >  実際、初心者がネット検索を使いこなすのは極めて難しく、上記のようにネッ > トからリタイヤする要因の一つが検索サイトにあることは間違いないだろう。ポ > ータルを目指し、様々なサービスを次々と打ち出す検索サイトだが、本業を疎か > にして副業に手を染めた結果の悲惨さは枚挙にいとまが無い。 > 「賢いやり方」が大手検索サイトを駆逐する日も近い?! >  氏及び「インターネットで読み解く!」については、後述する。 ───────────────────────────────────── ●業務用インターネット端末はブレイクするか? ◆富士通、「WebTVインターネットターミナル」発売  http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1999/Feb/18.html  富士通は、テレビと電話回線でインターネットが簡単に利用できる「WebTVインタ ーネットターミナル」と、業務システム構築サービスの企業向け販売を開始した。 代理店や販売店との受発注や情報照会、学校と家庭の連絡、通信販売などが、パソ コンを用いたシステムより低価格で簡単に行えるようになる。  価格は55,000円。ネット接続サービスは2,000円/月。年5万台の販売を目指す。 ◆船井電気、インターネット端末「カードでね!」の新型機を3月下旬投入  http://www.mabikai.mbc.ntt.co.jp/dottg/card.html  船井電機は、NTTと共同開発したICカードを使ったテレビ用インターネット端末 「カードでね!」の新型機を3月下旬に投入する。  NTTデータが開発した暗号認証技術により、システムの高度なセキュリティ確保が 可能で、オンラインバンキングや、会員制オンラインサービス用専用端末として売 り込む。小売価格は4万5000円程度の見通しで、既に4万台の新型機を受注、年内10 万台の出荷を見込んでいる。 ◆セイコーエプソン、NC端末「インターゲート」4月発売  http://www.epson.co.jp/epson/news/1999/990216.htm  セイコーエプソンは、NC(ネットワークコンピュータ)コンセプトに基づいて独自 開発した、マルチメディア情報端末「インターゲート」を4月より発売する。  タッチパネル機能を持った10.4型TFT液晶パネルを採用、本体・表示部・操作部を 一体化。NC端末のためハードディスクは搭載せず、起動の都度OSやアプリケーショ ンをサーバーからダウンロードして各種業務を行う。  キーボードレス・マウスレスで誰でも簡単に操作できるため、レストランの受発 注システムや、自治体ロビーでの検索システム向け需要などを見込む。 >  テレビ、電話、ゲーム機、PDA(携帯情報端末)、移動電話、カーナビ、さらには > 冷蔵庫など家電製品まで、インターネット接続機能を搭載した商品が続々登場、 > パソコンに代わる主役の座を目指し、百花繚乱のごとき様相を呈している。 >  かわら版029号「テレビ用インターネット端末はブレイクするか?」で > ・「WebTV、通販2社及び有線放送と提携」 > ・「日本オラクルとクロスビーム、CATV回線でNCTVを共同展開」 > ・「ドリームキャスト、ネット接続登録者10万人突破」を取り上げた。 >  http://www.micle.co.jp/kawara029.txt >  今回の3社の製品も、企業や自治体など特定業務向けとはいえ、いずれもパソコ > ンより低価格で操作が簡単を基本的特長として謳っている。 >  確かに、パソコンにとってディスプレー(表示部)やキーボード(操作部)は不可 > 欠であり、ブラウン管や液晶画面で表示を代行し、リモコンやテンキー、タッチ > パネルで操作を代行すれば低価格は実現できる。 >  しかし、これで操作が本当に簡単になったと言えるだろうか。私は極めて疑問 > に思う。ネット端末が普及しない根本原因はまさにここにあるのであり、この追 > 求こそマイクルのメインテーマである。(^J^) ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ソフトバンクのCS受信機“無料配布”計画に思わぬに波紋  ソフトバンクと光通信の会員制レンタルサービス「デジタルクラブ」が暗礁に乗 り上げている。スカイパーフェクTV用受信機と数十チャンネルの番組パッケージを セットにして、携帯電話のように見かけ上受信機を無料で配り、CS放送を一気に普 及させようとの計画である。  受信機はシャープが製造、すでに10万台が発注済みだが、家電量販店の強い反発 や、番組パッケージに参加する委託放送事業者の法的問題などが未解決で、開始予 定日を過ぎても未だサービスが始まらず、早期の開始も微妙である。 (日経ビジネス1999年3月1日号より) >  デジタルクラブの契約期間は最低4年。ディレクTVの受信チューナー分割購入制 > 度「らくらくクレジット」の契約期間も4年。サービス内容や事業形態の激変すら > 予想される中で、4年もの間現状受信機で十分かどうかは疑問であり、中途解約の > 退会手数料や残債など、加入者にとって有利な制度とは決して言えない。 >  携帯電話やPHSのタダ配りは、無知蒙昧な通信キャリアの高額インセンティブと > いう裏付けがあったが故に成り立ち、結果悪徳代理店と悪徳ユーザーの懐を潤し、 > 多くのキャリアは豊作貧乏に陥った。 >  「“過熱”移動電話市場!業界にしのびよる悪夢のシナリオ」参照 >  http://www.micle.co.jp/akumu1.htm >  今回の計画も委託放送事業者からの協賛金を当てにしているようだが、青息吐 > 息の事業者にそんな余裕は到底あるまい。結局“無料”で善意なユーザーを引き > 付け、悪名高き?“光通信商法”で強引に勧誘するという仕組みだろう。 >  ソフトバンクともあろうものがこんな杜撰な計画を立てるとは。(@_@) >  それとも、これがソフトバンクの実態か。(?_?) ───────────────────────────────────── ●BSデジタルデータ放送に34社が参入希望、枠の5倍以上に  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/990223j701.html  郵政省は、2000年末に始まるBSデジタルデータ放送への参入希望34社を公表した。  NHK・WOWOW・民放キー局、6新聞社などメディア企業の他、ソニー、日立など電機 大手、三菱商事など、12スロットの周波数帯域枠に希望数は60を超えた。  番組内容は、番組補完型データ放送は、ニュース等の報道番組、天気予報・交通 情報等の生活情報番組、スポーツ・旅行・ショッピング等の趣味・娯楽番組など。 独立型データ放送は、ニュース、天気予報、交通情報等の詳細情報配信の他、新聞 ・雑誌の配信、経済情報の配信、ゲームソフト・音楽配信など。 >  “放送利権”確保のため、とりあえず手を上げておこうとの、各社の横並び姿 > 勢が見え見え。メディアビッグバンなど望むべくも無い。 >  CSデータ放送のお寒い現状を見れば、データ放送で何が出来るのか、視聴者の > メリットは何か、適したコンテンツをどう作るか等々多くの問題は一目瞭然。相 > 変わらずの番組内容を見れば、BSデータ放送に各社が本気で取り組もうと思って > いるとは到底思えない。 >  有意のベンチャー企業の出番だ!! ───────────────────────────────────── ●富士通、企業向け「衛星イントラネット」サービス開始  http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1999/Feb/22.html  衛星回線を利用して、低コストで高速なイントラネットを構築できる「衛星イン トラネット」と付帯サービス「衛星アクセスオプション」の販売を開始。  全国の複数拠点へ同時に高速伝送でき(下り回線で最大500Kbps)、同等速度を地上 回線のみで構築する場合に比べ、コストは30分の1で済む。 >  ホームページを呼び出す(上り回線)時間は海外のサイトでも瞬時だが、ページ > が表示される(下り回線)時間は遥かに長い。画像の多いページなどいらいらが募 > る。企業内インターネット(イントラネット)も同様で、情報提供者側から利用者 > へ送るデータ量は一般的に逆方向のデータ量より多い。 >  ご存知のように、衛星はこの非対称なネットワークを効率化する手段である。 >  同社の試算では、64Kbpsのフレームリレーで全国30拠点を接続する場合、月間 > 約240万円の回線コストが必要。これを1Gバイト/月の情報量を送るため、512Kフ > レームリレーに換えた場合、月間約1,020万円必要で780万円/月のコストアップ。 >  既存回線をそのまま利用し、下り回線に衛星イントラネットを導入した場合、 > 234,000円/月でシステム運用が可能で、30分の1のコストアップで済む。 >  確かに、回線コストだけ見れば衛星のメリットは極めて大きい。でも今一つ普 > 及のテンポが鈍いのは、受信設備・機器などのイニシャルコストや、システムの > 信頼性、使い勝手等に要因があるのだろうか。 ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ、メールマガジン◆--- ───────────────────────────────────── ●団藤保晴「インターネットで読み解く!」  http://www.alles.or.jp/~dando/  工学部出身の異色新聞記者として活躍中の、団藤保晴氏の記者コラムのページ。 同名の無料メールマガジンも発行されている。昨年6月までINTERNET Watch誌上で連 載されていたが独立刊に。  「インターネットの知的資源を駆使して、サイエンスの視点で社会事象を斬るコ ラム」として、政治・経済から教育・社会、文化・スポーツ、科学・技術など幅広 い分野を縦横無尽に分析・論評している。  「ネットサーフィンをしていると、キラリと光る、気になるものによく出会いま す。しかし、そのまま通り過ぎてしまいがちです。秘められた思わぬ意味を見つけ る「旅」に出かけてみましょう。」とあるように、コラム中に関連リンクが適宜挿 入され、クリックして読みことで理解が深まる。  私のビジネスや人生の指針としても役立っており、毎号楽しみにしている。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================