==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 035号 1999年 2月23日発行      〜総配信数 1,280部 Thanks!〜 ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)と  サテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、平易かつ簡明に解説してお  届けいたします。   by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ========================================================================== <<お知らせ>>  先週お願いしたアンケートについては、購読者の約1割の皆様方に早々とご回答 いただきありがとうございました。m(__)m  未回答の方は、是非ご協力いただくよう重ねてお願いいたします。 <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.日本IBM、宮崎県北郷村で世界初の無線マルチメディアシステム実験開始 02.電力系地域通信会社10社、次世代高速通信網構築へ向け共同組織設立 03.高画質化進むデジカメ市場、200万画素時代に突入 04.インクリメントP、家の形まで認識できるデジタル地図ソフト発売 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.三菱総研、放送のデジタル化に関するアンケート結果発表 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●日本IBM、宮崎県北郷村で世界初の無線マルチメディアシステム実験開始  http://www.ibmlink.japan.ibm.co.jp/cgi-bin/PREScgiDep.pl?docid=PRES1225  http://www.cnet-ma.ne.jp/kitagoson/ (北郷村)  日本IBMは、宮崎県北郷村と共同で世界初の「デジタル双方向通信が可能なワイヤ レス・マルチメディア・システム」の実証実験を開始する。  同村は山間地という立地条件のため、村内の山頂に各家庭が共同で利用する共聴 アンテナを設置してテレビ放送を受信していたが、受信局数や画像の鮮明度が制約 され、従来よりCATVの導入を検討していた。今回の実験はCATV基地局と村内の加入 者家庭間を無線接続し、双方向のデジタル放送および通信サービスを行う。  サブミリ波帯やミリ波帯の電波を利用するため、伝送ケーブルや中継増幅器の敷 設コストやメンテナンスコストが、有線CATVと比べ1/4から1/3に削減でき、加入者 の少ない(人口密度の低い)地域でもサービスを行うことが容易になる。 >  マルチメディアとは、有線インフラを主体とした通信と、無線インフラを主体 > とした放送の「融合(コンバージョン)」と言われているが、私は通信(有線)と放 > 送(無線)の「補完(コンプリメント)」関係が、今後のマルチメディアインフラの > あり方だと思う。 >  電話*テレビ*パソコンの関係や、ソフトやコンテンツ、サービスについても全 > く同様で、「融合」ではなく、如何にうまく「補完」関係を築けるかが、デジタ > ル家電やホームネットワークの成否を握るとの思いを最近頓に強くしている。 > >  キー局から地方局へのテレビ番組の配信はNTTの有線回線が使われ、CATV局は受 > 信した無線電波を有線で加入者に再送信する。携帯電話やPHSは中継網に有線電話 > 網を使って固定電話と接続する。 >  加入者網への無線方式の採用(WLL ワイヤレス・ローカル・ループ)や、衛星イ > ンターネット(下り回線は無線、上り回線は有線)など、有線・無線を組み合わせ > た新システムも注目されている。 >  すでに北郷村では、農林省の補助事業としてCATVによる「田園地域マルチメデ > ィアモデル整備事業」(有線)を推進しており、これに今回郵政省の推進する「マ > ルチメディア・モデル農村展開事業」(無線)を組み合わせ、先進的なインフラを > 活用した地域振興や農業振興を積極的に展開していくことのようだ。 >  相変わらずの縦割り行政の典型例がここにも見られるとは、いささかうんざり > ではあるが、実験そのものには大いに期待するし、是非成功して欲しい。 ───────────────────────────────────── ●電力系地域通信会社10社、次世代高速通信網構築へ向け共同組織設立  http://www.ttnet.co.jp/news/news_h11/h110210.html  東京通信ネットワーク(TTNet)、大阪メディアポート(OMP)など電力会社系地域通 信会社10社が、共同でIP(インターネット・プロトコル)ベースの次世代高速通信網 を運営する新組織「パワー・ネッツ・ジャパン(PNJ)」を設立した。  IP網の名称は「Powered IP Network」(PIN)で、WDM(波長分割多重)技術により、 低コストで広帯域なIP網を構築、2000年からのサービス開始を目指す。 >  日本テレコムの「PRISM」、KDDの「KTH21」に続き、IIJ・トヨタ・ソニーが設 > 立したクロスウェイブコミュニケーションズやDDI、そして地域系各社も基幹網IP > 化構想を打ち出し、主要通信会社全ての次世代基幹網計画が出そろった。 >  PNJの計画も特に目新しいものではないが、電力会社の体質そのままに各社とも > 独立心?が旺盛で、これまで何かと連携を欠きがちだった地域系NCC各社が共同組 > 織を設立したことに意義を認めよう。 >  連携の悪さはPHS事業に典型的に表れた。地域系各社が主体となって設立したア > ステルは、中継回線にNTTを利用するNTT依存網グループと、独自網構築グループ > に分裂、別グループのエリアでは使えないという致命的欠陥を抱えたままサービ > スを開始した。結果DDIポケット、NTTパーソナルの後塵を拝し各社とも事業存廃 > に喘いでいる。 > >  ライフラインと呼ばれる電気、ガス、水道、電話のうち全国津々浦々を網羅し > ているのはもちろん電気と電話である。道路の両側に立っている電柱の片方には > 電線が、そしてもう片方にはNTTが設置・管理する電話線が架かっている。 >  地域系各社に期待される役割は言うまでもない。NTTに対抗しうる唯一の勢力と > して加入者網に参入、様々な独占の弊害を排除することに他ならない。 >  昨年1月TTNetが開始した東京電話の加入数は180万を超えたものの、黒字化は当 > 初計画より1年半ほど遅れ、2000年度以降にずれ込む見込み。自ら起した料金値下 > げ競争で採算ラインが300万加入に上昇したのが要因という。 >  これまで、NCC各社は新技術や新サービスではなく、ほぼ唯一料金値下げでNTT > に対抗して来た。結果我国の電話料金は大幅に下がったが(それでもまだまだ高い > が)、自らの首を絞める結果ともなった。 >  次世代基幹網では、再びこの愚を犯してはならない。料金ではなくxDSL、WLL、 > CATVなど新技術による新サービスを再編後のNTT地域会社に先駆けて提供すること > が、加入者網に本格的競争を引き起こす。 >  旧体質の色濃く残るPNJの前途は楽観できないが、僅かな可能性に期待するしか > ないのもまた我国の現状である。(>_<) ───────────────────────────────────── ●高画質化進むデジカメ市場、200万画素時代に突入  http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/e950j_99.htm(ニコン)  http://www.ricoh.co.jp/dc/rdc5000/(リコー)  http://www.fujifilm.co.jp/news_r/nrj424.html(富士フイルム)  http://www.sony.co.jp/ProductsPark/Consumer/DSC/DSC-F55K/(ソニー)  http://www.olympus.co.jp/LineUp/Digicamera/C2z/c2000z.html(オリンパス)  来月以降、各社から200万画素クラスのデジタルカメラが相次いで発売される。 大きく変わるのは画質、銀塩写真に迫る質感と立体感が得られ、A4サイズの印刷に も十分耐えられる画質になるという。  パソコン顔負けの激しい開発競争を繰り広げ、僅か1年余りで画素数は倍に上昇。 高画質化の一方、旧機種は値下がりし普及が進んでいる。 >  ここ数年瞬く間に普及し「デジカメ」の略称が定着したデジタルカメラ。パソ > コンの伸張と期を一にして、国内販売は96年度45万台、97年度100万台、そして今 > 年度は150万台と銀塩の一眼レフカメラの2倍を超す勢い。 >  米調査会社によれば、世界市場は2002年までに年平均43%で成長、市場規模は40 > 億ドルに達する。日本がその内40%を占め、次いで北米、欧州市場の普及はしばら > く時間がかかる見込みという。 >  これまでのデジカメは、スキャナ無しで画像データが手軽に記録・保存できる > 反面、画質は従来のアナログカメラに劣るという欠点があった。高画質化に加え、 > ズーム機能など諸機能も多く備え、一眼レフカメラの代替えすら狙えるようにな > った。印画紙へのプリントもコンビニなどでできるようになり、銀塩写真との違 > いが薄れつつあるようだ。 >  私のホームページの画像もデジカメで撮影したものだが、使い切りカメラの手 > 軽さ、軽量・コンパクトさは捨て難いものがある。 ───────────────────────────────────── ●インクリメントP、家の形まで認識できるデジタル地図ソフト発売  http://www.incrementp.co.jp/mapfan/mf4j.htm  パイオニアグループのソフトメーカー「インクリメントP」は、デジタル地図ソフ ト「MapFan IV」の全国詳細版を来月発売する。価格は12,800円。  人口20万人以上の主要都市を、家の形まで認識できる詳細な市街地図(1/3,125)で 表示する他、11段階縮尺の道路地図や地形に陰影をつけた立体地図を収録。インタ ーネット経由での1,100万件のNTTタウンページ情報の検索機能や、パイオニアのDVD ナビシステムとの連動機能も搭載。 >  これまで地図ソフトは主にカーナビ用に利用されてきたが、業務用途でのイン > ターネット/イントラネット用システムでも活用され始めてきた。 >  顧客情報やマーケット情報、店舗や施設情報、車両位置情報など様々な情報を > デジタル地図上に表示して、エリア毎の販売予測や店舗計画、顧客管理や運行管 > 理、そして災害対策などに活用するGIS(Geographic Information System 地理情 > 報システムor地図情報システム)と呼ばれるシステムである。 >  残念ながらこの分野でも我国は米国に遅れを取っており、昨年ようやく郵政省 > が「地理情報システムモデル実験の在り方に関する研究会」を設置した。 >  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/tsusin/980216j502.html >  経団連の調査では、GISの主な導入障害要因は「データ整備や維持・更新に要す > るコスト」「利用できるデータの不足」で「システム・端末などの整備コスト」 > と答えた企業は少ないとのこと。そして、今後3年以内に政府や自治体が保有する > 地図データや行政情報を電子化してインターネット上に公開、誰でも簡単に利用 > できる環境作りが必要と提言した。 >  全くそのとおりである。経団連も偶には良いことを言う。(^J^) > なお、地図に関する様々な情報はアルプス社の「地図関連リンク集」が詳しい。 >  http://www.alpsmap.co.jp/mapsite/ ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●三菱総研、放送のデジタル化に関するアンケート結果発表  http://www2.dialine.co.jp/other/press/index.html  MRI情報ネットワークが、インターネット上に開設した「アンケートclub」で1月 に実施した『デジタル放送について』の主な調査項目と結果は以下のとおり。  ・地上波・BSデジタル化の認知度は低く、4割以上がその輪郭すら知らない  ・CS放送の認知度は高いが、加入意向は2割弱と低い  ・CS加入者の不満内容のトップは「番組数が多い割には見たいもの面白いものが   少ない(84%)」次いで「パッケージ料金も思うような組み合わせが出来ないので   使いやすくない(59%)」  ・デジタル放送への期待度トップは「映画、ニュース、スポーツ、音楽等の専門   チャンネルの登場、拡充(72%)」次いで「高画質放送(53%)」。  ・「テレビとインターネットの融合(テレビ上でweb閲覧等が可能)(28%)」「イン   ターラクティブな放送(放送中に直接投票するとか、ショッピングの注文を出す   等)の実現(28%)」の期待度は低い。  ・拡充して欲しい分野、見たい番組は「洋画(72%)」が圧倒的。後は邦画、スポー   ツ、音楽、観光・旅行情報等いずれも3割程度。  ・デジタル放送の懸念は「専用チューナー購入など、初期費用が必要(73%)」「複   数方式が並立し、それぞれ異なる機器を買わされる(71%)」「現在使用中のテレ   ビが使えなくなり、買い換えさせられる(63%)」「視聴が有料化される(62%)」  ・チューナー等初期費用は、7割近くが2万円以内を希望 >  インターネットユーザーを対象とした調査でもこんな結果がでるとは、放送デ > ジタル化は一体どうなることやら。 >  費用負担の抵抗が強いことに加え、期待度トップが専門チャンネルの拡充にも > かかわらず、実際に見たい番組では7割が洋画を挙げ、それ以外のジャンルがいず > れも3割程度とは、我が国民はよくよく洋画に飢えていると見える。 >  我国には専門番組やチャンネルのニーズが本当に無いのか、それとも現状の画 > 一的総合放送の低レベルでお粗末な番組に慣らされ、デジタル化時のイメージが > 想像できないだけなのか・・・。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 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