==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 032号 1999年 2月 2日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.活性化する?インターネット動画配信  ・ソフトバンクとヤフー、日本向け動画配信事業化で米社と合弁会社設立  ・米リアル、電力・ガス大手エンロンと光ファイバー網活用で提携  ・TBSと日テレ、動画も見られるニュース配信サービス開始  ・参院に続き、衆院が審議状況をネットで生中継 02.ニフティサーブ、新サービス投入でアクティブ化? 03.NTTドコモ「iモード」発表。携帯電話単体でネットアクセス可能に ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.米ヒューズ、衛星放送2位のプライムスター買収 02.CSにも大手スポンサーを。ソニー系チャンネルが新マーケティング手法導入 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●活性化する?インターネット動画配信 ◆ソフトバンクとヤフー、日本向け動画配信事業化で米社と合弁会社設立  http://www.softbank.co.jp/sbadmin/news/990125.htm  米Broadcast.com社(*)と合弁で「ブロードキャスト・コム(株)」を設立、ストリ ーミング(動画・音声等の同時配信)技術による配信サービスを今秋にも開始する。 資本金は5億5千万で、孫正義氏が社長を兼務する予定。  ヤフーの検索サービスと新会社のコンテンツの一体化をはかり、動画を使った広 告配信を行う他、ソフトバンクが出資するCS放送「SKY PerfecTV!」の番組なども配 信していく計画。 (*)Broadcast.com http://www.broadcast.com/  95年9月設立。ラジオやテレビ局の番組、レコード会社のコンテンツ、スポーツや コンサート中継、決算発表などの企業情報をWebサイトで配信。主な収入源は、放送 局や企業からの配信受託費用やWeb広告など。98年7-9月期の売上高は446万ドル。 ◆米リアル、電力・ガス大手エンロンと光ファイバー網活用で提携  http://realguide.jp.real.com/RGInfo/#r19990122_enron  動画配信・再生システム大手米リアルネットワークスは、電力・ガス大手エンロ ンが天然ガスパイプラインなどに付帯して全米に建設中の光ファイバー通信網(EIN エンロン・インテリジェンス・ネットワーク)に、リアルのRealSystemG2を導入、 高品質の音声・画像配信サービスを提供する。 ◆TBSと日テレ、動画も見られるニュース配信サービス開始  http://news.tbs.co.jp/ (TBS)  http://www.ntv.co.jp/news/ (日本テレビ)  TBSと日テレがネット上で動画によるニュース配信を始めた。TBSは「NEWS i」、 日テレは「NEWS ON DEMAND」で、いずれもニュース番組の一部が動画で見られる。 ◆参院に続き、衆院が審議状況をネットで生中継  http://www.shugiin.go.jp/ (衆議院)  http://www.sangiin.go.jp/ (参議院)  衆議院は通常国会が開幕した先月19日から、インターネット上で審議の生中継を 始めた。本会議だけでなく各委員会審議もノーカットで伝える方針。すでに参議院 は昨年5月から同様中継を先行して開始している。国会図書館も会議録提供サービス を衆参両院と共同で開始した。 >  上記リアル社のストリーミング再生ソフト「RealPlayer」の登録ユーザー数が > 5,000万人を突破、米国の家庭内パソコンで最もよく使われるソフトの一つとなっ > たようだ。ADSL、光ファイバー、CATV、衛星など今後実用化が進む各種高速イン > フラ網同士の競争や放送デジタル化と相俟って、通信と放送の融合(コンバージョ > ンと呼んでいるようだ)が着実に進んでいる。 >  我国は光ファイバーもISDNも米国より進んでいる。にもかかわらずインターネ > ットの普及が遅れている最大要因は、通信料金の高さとサービスの貧弱さに他な > らない。米国では低額で定額、すなわち安くて使い放題の料金体系が当たり前。 > >  我国でも様々な動画配信サービスが出てきたことは喜ばしい。 >  (http://realguide.jp.real.com に動画提供サイトのリンク集あり) >  米国ではネット審議中継が大統領弾劾裁判など、政治のツールとして有用性を > 発揮している。有権者にとっての民主主義、密室談合政治打破のツールとして我 > 国でも大いに役立つであろう。 >  そのためにはまず環境整備が必要だが、有効な計画や施策が今年度予算に反映 > されているとは言いがたい。先月19日の衆院のアクセスは約3000件で、準備を進 > めてきた担当者は拍子抜けとのこと。何をか言わん。(>_<) ───────────────────────────────────── ●ニフティサーブ、新サービス投入でアクティブ化?  http://www.nifty.ne.jp/release/index.htm  パソコン通信の草分けで最大の会員数を誇るニフティが、昨年来インターネット 対応を急速に進め、相次いで新サービスを投入、本年も以下のサービスを告知した。 ・1/20 E-Mailをネット標準に準拠、インターネットとハイブリッド化 ・1/21 画像、音声が扱える新フォーラム会議室を4月にオープン ・1/27 月刊情報誌『ニフティ SUPER Internet』を新装創刊 ・1/28 N2K JAPANと提携、音楽情報サイトを充実 ・1/29 フォーラム会議室システムを利用したオークションコーナー開始 >  大和総研「インターネット接続プロバイダの動向」による98年7月時点の主要プ > ロバイダー会員数は下記のとおり。http://www.dir.co.jp/kj/provider/toc.html >  ニフティサーブ(富士通系)   262万人 www.nifty.ne.jp >  BIGLOBE(NEC)         259   www.biglobe.ne.jp >  Infoweb(富士通)        43   www.infoweb.ne.jp >  MSN(マイクロソフト)      35   www.jp.msn.com >  So-net(ソニー)         32   www.so-net.ne.jp >  JustNet(ジャストシステム)   22   www.justnet.ne.jp >  OCN(NTT)            18   www.ocn.ne.jp >  ぷらら(NTT系)         18   www.plala.or.jp >  ドリームネット(ソフトバンク系) 15   www.mbn.or.jp >  BEKKOAME(ベッコアメ)      13   www.bekkoame.ne.jp >  ODN(日本テレコム)       10   www.odn.ne.jp >  Panasonic Hi-Ho(松下)     10   www.hi-ho.ne.jp > >  パソコン通信からスタートし、10年以上の歴史をもつニフティ。富士通と日商 > 岩井の合弁で設立、メーカー色を薄めたこともありBIGLOBE(当時はPC-VAN)を上回 > り業界のリーダーとなった。パソコン、インターネットの急伸とともに2,000以上 > もの数多の中小プロバイダーが乱立する中、90年には10万人にすぎなかったニフ > ティの加入者は95年に100万、96年には200万人と急増した。 >  パソコン通信とインターネットの垣根は急速に薄れ、BIGLOBEは逸早くインター > ネットとの融合を果たした。ニフティはパソコン通信の遺産が大きかった故、ま > た富士通がInfowebを設立したためこの流れに出遅れた。 >  昨年末の加入者は267万だが、増加は頭打ち傾向。会員の中で実際に月1回以上 > ニフティを利用しているユーザーの割合(アクティブ率)も50%に止まっている。同 > 社の昨年度の売上高431億円の大半は加入者の会費と利用料で、アクティブ率が上 > がらなければ売上は伸びない。 >  私もニフティでネットワーカーに仲間入り、数年前はヘビーユーザーの一人で > あった。インターネットの利用が増えるにつれニフティは減少、現在は幾つかの > フォーラムの自動巡回のみで月間僅か30分程度。 >  新サービスの投入で私がニフティに戻ることはないだろう。ネットワークコミ > ュニティの本質を忘れたニフティそのものに幻滅を感じているのだから。(>_<) ───────────────────────────────────── ●NTTドコモ「iモード」発表。携帯電話単体でネットアクセス可能に  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew97.html  携帯電話機だけでインターネットを利用できる「iモード」サービスを22日に開始 する。モバイルバンキングやチケット予約等67社が予定している専用サービスの他、 Webアクセスや電子メールが利用できる。  9,600bpsのパケット通信を採用、利用したデータ量による課金方式で、月額使用 料300円の他、通信料として1パケット(128byte)0.3円必要。  横8文字×縦6行計48文字が表示可能な大型ディスプレイ装備の、iモード対応800 MHzデジタル方式携帯電話も発売される。 >  CFのメインキャラクター広末涼子を呼んだ記者発表会など、ドコモはiモードに > 相当力を入れているようだ。同社によれば、これまで主にパソコンユーザーしか > 利用できなかったインターネットを、一般消費者に開放するサービスと位置づけ、 > 初年度300万、3年間で1,000万人の加入を見込んでいるとのこと。 >  メールならいざ知らず、あんな小さな画面で、本当に実用に耐えると思ってい > るのだろうか。(?_?) >  さて、インターネットを移動体通信で利用するための規格は、今回iモードで採 > 用した「コンパクトHTML」と「WAP(Wireless Application Protocol)」という2つ > が提唱されている。WAPはDDI・IDOのcdmaOneグループが4月にサービスを予定して > いる他、デジタルツーカーグループなども採用する模様である。 >  ドコモは、当初コンパクトHTMLのみの予定だったが、標準化が進むWAPの採用も > 表明、今春にも対応端末を投入する模様。詳細は不明だが、所詮iモードと似たり > 寄ったりのサービスと端末だろう。先走りせぬようくれぐれもご用心! ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●米ヒューズ、衛星放送2位のプライムスター買収  http://www.directv.com/news/dtvprimestar.html  米衛星放送最大手ディレクTVの親会社ヒューズ・エレクトロニクスは、全米2位の プライムスターを総額18億2000万ドルで買収する。  これによりディレクTVは230万のプライムスター会員を得、昨年12月に13億ドルで 買収した全米3位のUSSB(United States Satellite Broadcasting)と合わせ、加入 会員数700万、5つの衛星を利用してチャンネル数は370となる。 >  94年のディレクTVサービス開始後3事業者が参入、激しい視聴者獲得競争を繰り > 広げた結果、昨年全米の衛星放送普及は1,000万を超えた。競争相手は同業者だけ > ではない。地上波TVや全米の65%に当たる6,600万世帯がCATVを視聴している。 >  厳しい環境下で最大手ディレクTVでさえ未だ赤字。USSB買収に次ぐプライムス > ター買収は、重複業務の整理統合など大幅なコストダウンを狙ったもの。全米4位 > のエコスターは昨年11月、マードック率いる豪ニューズと米通信大手MCIワールド > コムと提携した。 >  デジタル化で先陣を切った衛星放送だが、画質の良さやチャンネル数の多さと > いう優位性は地上波、CATVのデジタル化で消滅する。マードック−エコスター連 > 合に加え、地上波、CATVを巻き込んだサバイバルレースの第二幕が始まった。 ───────────────────────────────────── ●CSにも大手スポンサーを。ソニー系チャンネルが新マーケティング手法導入  スカイパーフェクTVで、アニメとアクションの専門チャンネルを運営するソニー ・ピクチャーズテレビジョン・ジャパン(SPTVJ)は、独自の認知度調査による訴求効 果データの提供など、新マーケティング手法を導入した。  第一弾として大手洗剤メーカーP&Gと契約、製品CMの放映を開始した。視聴率など 媒体価値の客観的判断基準がないため、広告出稿を敬遠していた大手企業などのス ポンサー獲得を目指す。(日経産業新聞1月28日付記事より) >  CS放送は広告収入で成り立つ無料の地上波放送と違い、チャンネル毎の有料視 > 聴が基本である。視聴料が収入母体であり、視聴料の設定と視聴者の獲得が経営 > を左右する。加入者がようやく100万を超えたとはいえ、チャンネル毎の視聴数は > 限られ、視聴者離れの危険のある料金値上げもままならず、多くのチャンネルは > 青息吐息のようだ。番組制作・購入費や衛星使用料が払えず放送を休止したチャ > ンネルや予備軍も多い。 >  かわら版022号 http://www.micle.co.jp/kawara022.txt > 「CSデジタル、新チャンネル開設ラッシュの中で撤退・休止も相次ぐ」参照 > >  一方、CS放送は専門チャンネルの集合体であり、年齢・性別、趣味・嗜好など > の属性が把握しやすく、特定ターゲットに対するCMの訴求効果が高い。(インター > ネットはより顕著であるが、未だこれを生かせる手法が確立されていない。バナ > ー広告などウザイだけである。)上記の例では、アニメチャンネルで幼児や母親向 > けの洗濯洗剤やベビー用品、アクションチャンネルで男性用ヘアケア商品のCMを > 放映するようだ。 >  スポンサーや視聴率に左右されない番組と、それを支える有料視聴者でCSが成 > り立つに如くはないが、散々たる現状を救うには、有意の企業が積極的にスポン > サーとなってCSを守り立てることも必要であろう。 ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================