==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 027号 1998年12月22日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.着々と進むマイクロソフト包囲網?「サン」の攻勢加速  ・松下電器とサン、ネットワーク家電用Java技術の共同開発で提携  ・オラクルとサンが提携、OS不要のサーバー用ソフトを開発 02.携帯・PHSで電子メール、専用サービス・端末続々登場  ・シャープ、携帯電話用電子メール端末「コミュニケーションパル」発売  ・DDIポケット、データ通信専用サービス・端末を来年2月投入 03.廃れない電話の威力!米国企業の活力維持はボイスメールや電話会議 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.まだまだ低いCS放送の認知度!スカパー、ディレクとも60%以下   −ビデオリサーチ社の有料放送に関する分析事例より− ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●着々と進むマイクロソフト包囲網?「サン」の攻勢加速 ★松下電器とサン、ネットワーク家電用Java(*)技術の共同開発で提携  http://www.sun.co.jp/Press/release/1998/1215.html  http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn981215-2/  jn981215-2.html  松下電器と米サン・マイクロシステムズは15日、松下のデジタル家電技術と、サ ンのコンピーターネットワーク技術を融合させたネットワーク家電分野における、 Java技術の共同開発を行うことを発表。  基本合意内容は、サンが松下にPersonalJavaをライセンスする、デジタルテレビ 向けJava APIの策定を共同で検討する、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電製品でも 利用できる「軽装Java」の開発を行なうの3点。 (*)Java(ジャバ) 機種やOSに関係なく作動し、必要なソフトをその都度ネットワーク上から自由に手 元のパソコンにダウンロードして使えるという、パソコンの革新的使用環境を実現 する技術。Javaが普及すれば圧倒的シェアを誇るウインドウズOSの地位は弱まる。 ★オラクルとサンが提携、OS不要のサーバー用ソフトを開発  http://www.sun.co.jp/Press/release/1998/1215_02.html  米データベースソフト最大手オラクルとサンは、お互いのソフトウエア技術ライ センスを交換し、OS(基本ソフト)不要のコンピュータ環境構築で協力すると発表。  オラクルのデータベースソフト「オラクル8i」と、サンのサーバー用OS「ソラリ ス」を技術的に統合させた新ソフトを開発、UNIXやウィンドウズNTなど汎用的なOS がなくても簡単にデータベースが活用できるようにして、マイクロソフトの次期OS 「ウィンドウズ2000」に対抗する。 >  先々週、AOLのネットスケープ買収とサンとの提携が発表された。 > かわら版024号に「プロバイダー最大手AOL、ブラウザー最大手ネットスケープ、 > サーバー最大手サン、インターネット分野にユーザー・ソフト・ハードの3者が > 結びついた最強のマイクロソフト包囲網が誕生した」と記した。 >  http://www.micle.co.jp/kawara024.txt >  サン主導による攻勢はさらに続き、家電最大手松下、企業向けソフト最大手オ > ラクルも加わり、マイクロソフト包囲網がさらに強化された。尤も、松下とオラ > クルでは提携の狙いはかなり異なっているようだ。 >  松下はすでに、マイクロソフトやパソコン最大手コンパックとも提携、「ウィ > ンドウズCE」を使ったデジタルテレビ受信装置など、パソコンとテレビの融合化 > を進めている。今回の提携は、双方向通信など複雑な処理が必要なものは「ウィ > ンドウズCE」、比較的単純な情報のやり取りで済む白物家電用は「Java」といっ > たように、いくつかの選択肢をそろえた上で、不透明なネットワーク家電市場に > 対応しようとの狙いで、いかにも松下らしい戦略である。 >  一方、オラクルはサンと同様、反マイクロソフト陣営の旗手。マイクロソフト > の企業分野蚕食には我慢がならない。サンとの提携でインターネット分野を強化、 > 低コストで簡単に導入が可能なサーバー用ソフトを開発、今後一層の需要が見込 > める電子商取引など、ネットビジネス市場の主導権を握るのが狙い。 >  毎週毎週報道されるビッグネーム同士の合唱連衡。これこそ米国企業のダイナ > ミズムの源泉に他ならない。 ───────────────────────────────────── ●携帯・PHSで電子メール、専用サービス・端末続々登場 ★シャープ、携帯電話用電子メール端末「コミュニケーションパル」発売  http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mt200/text/index.html  デジタル携帯電話とつないで、モバイルで本格的にインターネットを楽しめる、 キーボード一体型の「コミュニケーションパル MT-200」を発売。  WWWブラウザを搭載、メールのみでなくホームページの閲覧ができる、ドコモ以外 の各社のデジタル携帯電話でも使える等が特長。標準価格38,800円。 ★DDIポケット、データ通信専用サービス・端末を来年2月投入 http://www.j-plaza.or.jp/ddi-pocket/news/h101209.html  電子メールなど非音声通信に限定した「文字電話」サービスを来年2月開始する。  PHSの特徴であるデータ通信機能を活かし、文字メールや手書き文字・図形などの 相互直接通信と、センターを経由したインターネットメールなどの送受信、また文 字情報サービスの受信などが割安料金で利用可能に。  専用端末は2月以降、各社から順次発売される予定。 >  NTTドコモの電子メール端末「ポケットボード」(実売9,000円前後)が、OLなど > 若い女性に大ヒットしている。携帯電話につないで「10円メール」サービスに使 > う。昨年12月発売以来、パソコンやPDA(携帯情報端末)を必要としない手軽さと、 > 価格の安さが人気を呼び、5月から投入したOL向けテレビCMもこれに拍車をかけ、 > 秋口まで品切れ状態が続いていた。購入者の8割が女性で、これまで累計で20万台 > 販売、現在も月間3万台以上が売れている超人気商品である。 >  携帯電話やPHS本体にメール機能を内蔵し、専用端末やプロバイダーとの契約を > 必要としない、デジタルホンの「スカイウォーカー」や、NTTパーソナルの「パル > ディオEメール」などのメールサービスも好評のようだ。 >  かつて女子高生時代にポケベルの新しい利用方法を生み出し、メッセージをや > り取りして遊んでいたOLたち。彼女たち、そして後輩もポケベルからケータイ・ > ピッチに移行したことにより、ポケベル加入数は漸減、ピーク時の6割にまで落ち > 込んでしまった。メールサービスは、彼女たちにポケベルの遊びを復活させた。 > 言わばメール機能付き双方向ポケベル。 >  シャープもDDIポケットも「ポケボ」の2匹目のどじょうを狙って参入。成果は > 如何に? ───────────────────────────────────── ●廃れない電話の威力!米国企業の活力維持はボイスメールや電話会議  7日付日経産業新聞「電脳ウォッチ−シリコンバレーから」に、「廃れない電話の 威力」と題した寄稿記事が掲載された。  インターネットの普及が進んでいる米国で、今更電話でもと思われるかもしれな いが、まだまだ電話が企業活動の重要な部分を担っている。  日本では企業に普及していないボイスメール(留守番電話)は、ほとんどの企業で 利用されている。カンファレンスコール(電話会議)も日常茶飯事。ボイスオーバー IPというインターネット電話サービスや、ユニバーサルメッセージングというボイ スメールやファックス、電子メールなどを統合的に一つのメールボックスで扱う技 術や新サービスも注目されている。  電話の占める相対的地位は確実に下がりつつあるが、現実の活用では電話は極め て便利であり、企業の活力維持に大きく役立っている。日本では電話による取締役 会への参加が認められていないなど、法制面の課題もあるが、電話をどんどん活用 することから日米の差を縮めていくことも必要と感じている。とのことだ。 >  なるほど。パソコンやインターネット以前にやることが沢山あるということだ。 > 通信事業者もこぞってインターネットなど先端技術やサービスに飛びついている > が、所詮この分野ではNTTに勝てっこない。足元の電話サービスにこそチャンスが > ある。米ではいろいろな電話サービスが提供されているようだし、これらを日本 > に適用したら・・・。 >  もっともこれこそベンチャー企業の領域かも。 ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●まだまだ低いCS放送の認知度!スカパー、ディレクとも60%以下  −ビデオリサーチ社の有料放送に関する分析事例より− ★有料放送視聴可能世帯に関する分析事例(98年生活者調査より)   http://www.videor.co.jp/box/acr/acrd/ind98.html  ・有料放送視聴可能世帯は着実に増え、NHK-BSが35.3%、民間有料放送が16.3%   民間はWOWOW:9.2%、CS:1.7%、CATV:8.5%  ・NHK-BS、民間有料放送の両者とも視聴可能な世帯は13%、NHK-BSのみは22.3%  ・民間有料放送視聴可能世帯では、世帯主の約6割が40代以下。   特にCSは30代以下が多い  ・NHK-BS、民間有料放送いずれも、高学歴・高収入の世帯が多く、持ち家一戸建   ての割合も高い ★有料放送視聴予定者に関する分析事例(98年メディア環境調査より)   http://www.videor.co.jp/box/mcr/mcrd/index.html  ・サービス開始時期が古い方が認知率(*)も高い    NHK-BS:89.6%  WOWOW:81.0%  スカイパーフェクTV:56.8%    ディレクTV:50.2%  CATV:63.1%   (*)「現在加入している」「以前加入し現在は解約している」「サービス内容     を知っている」「名前だけは知っている」と答えた人の割合  ・各有料放送とも20代・30代での認知率が高い。   CSは特に40代以上の認知率、及び女性の認知率が低い  ・女性よりも男性、高齢層よりも若年層での関心・加入予定が高い   有料放送の興味関心者は全体で32.5%、加入予定者は19%  ・現役高校生・大学生の加入予定割合が高い  ・有料許容者の比率が高い番組・チャンネルは、映画、音楽、スポーツなど >  視聴率調査でお馴染みのビデオリサーチ社の調査結果。 > 昨年は「インターネットユーザーに関する分析事例」で、私も結構重宝した。 >  http://www.videor.co.jp/box/acr/acrd/index.html > 今回も時宜を得たテーマで、なかなか興味深いデータが見られる。 >  それにしても、CSデジタル放送の調査結果は意外であった。調査時期が5月だっ > たとは言え、テレビ、新聞などあれだけ大量の広告宣伝にもかかわらず、認知率 > が60%足らずとは。興味関心者、加入予定者も思った以上に少ない。 >  似たり寄ったりのワイドショーや娯楽番組、ドラマ、そしてニュースなど、既 > 存テレビ局の無料放送にどっぷりと浸かった我が国民には、新たなメディアの必 > 要性は乏しいのかも知れない。 >  政治も企業も「民意」が反映したものとよく言われるが、「民意」は必ず変化 > する。体たらくのメディア業界の現状が「民意」の反映だとしても、心有る人々 > の膨大な労苦が報われる日が必ずや来るに違いない。 >  新世紀とともに本格化するであろうマルチメディア革命によって!! ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================