==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 026号 1998年12月15日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.AT&TがIBMのネットワーク事業を買収、通信分野の相互アウトソーシングも 02.テレウェイと合併した新生KDD、多難の?スタート  ・インターネット事業を統合、NEWEB(ニューウェブ)サービス開始  ・国際電話料金値下げで、連結最終赤字に転落 03.日本テレコム&日産の次世代携帯電話企画会社、ドタバタ?発足 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.日本テレビ系BS放送会社が発足、巨人戦中継を普及の切り札に ---◆お勧めBOOK、ホームページ◆--- 01.掲示板リンク集「あめぞうリンク」 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●AT&TがIBMのネットワーク事業を買収、通信分野の相互アウトソーシングも   http://www.ibmlink.japan.ibm.co.jp/cgi-bin/PREScgiDep.pl?docid   =PRES1187&caps=N&perc=90&keywords=  米通信最大手AT&Tとコンピュータ最大手IBMは、IBMの通信事業「グローバルネッ トワーク」を、AT&Tが50億ドルで買収することで合意したと発表。  グローバルネットワークは、約3万社の企業ユーザーと約100万人の個人ユーザー を持つ世界有数の通信網。WorldComによるMCI買収など、通信事業者間の競争激化に 対応するのが狙い。IBMは非中核事業を切り離すことで本業の競争力を強める。  両社は通信関連事業の相互アウトソーシングでも合意。IBMがAT&Tのインフラを利 用する一方、AT&Tはデータ処理などのオペレーション事業をIBMに委託する。 >  トラベラーズとシティコープ(金融)、ベンツとクライスラー(自動車)、エクソ > ンとモービル(石油)、世界市場が急速に一体化する中で、盟主の座を目指す、巨 > 大企業同士の“強者連合”が相次いでいる。 >  情報通信分野も、先々週のAOL&ネットスケープ&サン・マイクロ連合に続き、ま > たもやビッグニュースが飛び込んで来た。通信と情報のトップ企業同士の提携で > ある。相互に得意分野に特化することで、経営の効率化を加速させ盟主の座を不 > 動たらんとする。 >  AT&Tは、6月、CATV大手テレ・コミュニケーションズの買収を発表、7月、英BT > と国際通信事業での合弁会社設立で合意、さらに今回のIBMとの関係強化に引き続 > き、CATV大手で出版、テレビ、映画などを幅広く手がけるタイム・ワーナーとの > 提携交渉も行っている模様。最強の電話網に加え、インターネット、そしてCATV > と総合通信サービス企業化戦略が着々と進んでいる。 >  買収により、IBMの通信事業部門の従業員約5,000人はAT&Tに移籍。逆にAT&Tデ > ータ処理センターの人員約2,000人はIBMに移籍するという。これに比べれば、先 > 週の東芝と富士通の提携など、児戯に等しいと言わざるを得まい。 >  かわら版025号「東芝と富士通、次世代メモリー分野で包括提携」 >   http://www.micle.co.jp/kawara025.txt ───────────────────────────────────── ●テレウェイと合併した新生KDD、多難の?スタート   http://www.kdd.co.jp/ ・インターネット事業を統合、NEWEB(ニューウェブ)サービス開始   http://www.neweb.ne.jp/  12月1日の合併を機に、KDDの企業やインターネット接続事業者向けサービス「イ ンターネットKDD」と、テレウェイの個人・法人向けサービス「シリウス」を新ブラ ンド「NEWEB(ニューウェブ)」に統合。今後、子会社KCOM(KDDコミュニケーションズ) の個人向けサービスも新サービスに統合する。 ・国際電話料金値下げで、連結最終赤字に転落   http://www.kdd.co.jp/press/98-080.html  21日より、サービスを提供する230ヶ国・地域全ての国際電話料金を、平均10.6% 値下げする。平日昼間の対米国3分間料金を450円から240円に値下げするなど、これ まで続いていた日本テレコム、国際デジタル通信(IDC)との料金格差が解消する。  年間の値下げ総額は約160億円。99年3月期は約40億円の減収減益が見込まれ、連 結最終損益は、創業以来初の赤字となる見込み。 >  昨秋の合併発表以降も、KDD、テレウェイ、トヨタ(テレウェイの大株主)3社の > 思惑が交錯し、合併比率や役員人事で揉めに揉た新生KDDがようやく船出した。 >  かわら版007号「大型再編が相次ぐ通信業界」参照 >   http://www.micle.co.jp/kawara007.txt >  1日付日経産業新聞は「新生KDD、3つの難問。次世代携帯、海外提携、役員数肥 > 大。激変に追いつけず」、また11日付朝日新聞も「新KDD多難のスタート、赤字な > のに料金値下げ、業界の貴族に危機感」という見出しでそれぞれ論評した。 >  テレウェイは9月中間決算で75億の経常赤字を計上、KDDも日本沿海の環状光ケ > ーブル建設などで有利子負債が3000億に達するなど、創業以来始めて本業の電気 > 通信損益が赤字となった。 >  格付け会社の日本格付投資情報センターは、「国際電話、長距離電話は収益が > あげにくくなっているうえ、急速な設備投資で財務状況も悪化している」との理 > 由で、合併当日KDDの格付けをAA+から3段階下のA+に変更したという。 >  独占時代の遺産で国際分野で圧倒的なブランド力を誇ったKDDだが、昔日の面影 > はもはや無い。今回の合併も弱者連合。売上高も3500億足らずで、DDIや日本テレ > コムにも劣る。外資を加え、新たな業界再編が加速する!! ───────────────────────────────────── ●日本テレコム&日産の次世代携帯電話企画会社、ドタバタ?発足  http://www.japan-telecom.co.jp/PRdept/news/n981201.html  日本テレコム、日産、米携帯電話大手エアタッチ・インターナショナル3社は、次 世代移動体通信システム「IMT-2000(*)」の企画会社「アイエムティ二千企画」を設 立。2001年春にW-CDMA方式によるサービス開始を目指す。当初の資本金は2億、出資 比率は日本テレコム:40%、日産:34%、エアタッチ:26%。 (*)IMT-2000 ITU(国際電気通信連合)が21世紀の世界標準として提唱する次世代移動体通信システ ム。標準化を巡り、NTTドコモが開発、欧州各国が支持するW-CDMA方式と、米クアル コムが開発、セルラー・IDO連合が採用するcdmaOne方式が激しく対立している。 >  次世代携帯電話の参入枠は3社。NTTドコモ、DDIセルラー・IDO連合に続く3つめ > のイスは、当初よりデジタルホンの日本テレコムと、ツーカーグループの日産両 > 社が共同設立したデジタルツーカーが母体となると予想されていた。が、企画会 > 社はなかなか設立されなかった。 >  案の定、10日付日経産業新聞は「日本テレコム×日産、出資比率巡りドタバタ。 > 第4の出資者招聘で主導権争い再燃も」という見出しで、新会社発足が遅れた内情 > を論評した。 >  2兆円超の負債を抱え、リストラ真最中で、次世代携帯電話は見送ると見られて > いた日産が、過半の出資による主導権確保を主張して譲らなかったという。日本 > テレコムも、主要株主間の調整に手間取り経営支援策の策定が難航したアステル > 東京(*)の二の足は踏むまいと、明確な旗振り役に拘った。そして最終合意を見な > いままタイムリミットを迎え、暫定的な出資構成で見切り発車したという。 >  日産は一体何を考えているのだろう。「クルマの情報化」という大義名分があ > るにせよ、同社の通信事業参入はトヨタへの強烈な対抗意識からに他ならなかっ > た。今の日産にはメンツに拘る余裕など爪のかけらも無いハズなのに。 >  日産の再生は限りなく暗い・・・。 (*)アステル東京の出資構成 三菱商事・三井物産:各10%、TTNet・日本テレコム:各8%、住友商事:7% 日商岩井・日本たばこ:各5%、リクルート:3.5%、東京テレメッセージ:3% KDD:2.9%、トヨタ・東京電力・JR東日本・ダイエー:各2% 等計156社 ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●日本テレビ系BS放送会社が発足、巨人戦中継を普及の切り札に  日本テレビ放送網系デジタルBS放送会社「ビーエス日本(BS日本)」が2日正式に発 足した。資本金は250億円、出資者は全50社。日テレ及び系列局の他、読売新聞、東 芝、徳間書店、松下電器産業、三菱商事などが出資。2001年1月に放送衛星4号(BS-4) 後発機を使ったデジタルBS放送を開始する計画。  社長に就任した漆戸前日テレ副社長は「日テレとのつながりを最大限に生かす。 巨人戦を試合開始から終了まで中継するなど、普及の切り札にする」と語った。 >  かわら版020号で「BSデジタル放送参入事業者決定。民放系5社、WOWOWなど10社 > を認定」を取り上げた。http://www.micle.co.jp/kawara020.txt >  改めて各社の主要株主構成を見てみると非常に面白い。系列新聞社、商社、家 > 電メーカーがバランス良く?並んでいる。 >  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/housou/981027j702.html > ・BS朝日  :全国朝日放送 丸紅 朝日新聞 トーメン 住友商事 > ・BS日本  :日本テレビ 読売新聞 三菱商事 東芝 松下電器 徳間書店 > ・BSジャパン:日本経済新聞 テレビ東京 三井物産 東芝 > ・FNSスペーススター(BSフジ) >       :フジテレビ 関西テレビ 産経新聞 東海テレビ 電通 東宝 > ・ジャパン・デジタル・コミニュケーションズ(TBS系) >       :東京放送 日本電気 毎日放送 松下電器 >  (この他、伊藤忠は東北新社と組み「スター・チャンネル」で参入する) >  さて、BSデジタルと相前後して地上波デジタル放送が始まる。衛星(BS、CS)、 > 地上波、そしてCATV、デジタル化(多チャンネル化、高画質化、パソコン化、双方 > 向化)を契機に放送業界にもようやく再編の嵐が吹き荒れようとしている。 >  系列当たり1000億とも2000億とも言われる多額の設備投資負担に、民放各局は > 耐えられるのか。キー局は今までローカル局がその地方向けの放送設備を持つ見 > 返りに、系列局としてローカル局に電波料を支払って来た。BSで空から全国放送 > を降らせれば電波料も系列局も要らない。 >  全国放送無しの貧弱?なローカル番組とスポンサーだけで、ローカル局がやっ > ていけるとは到底思えない。巨人戦をBS普及の切り札にすることは、ローカル局 > にとっては死活問題である。反面、有意の地方局にとってはまたとないチャンス > でもある。 >  多チャンネル化に番組供給が追いつかない。現にスカイパー、ディレクとも多 > くのチャンネル・番組は、あまりに貧弱である。地域活性化のためにもローカル > コンテンツは不可欠である。 >  “系列局”から脱皮し、地域に特化し、ローカル番組やコンテンツの企画・制 > 作を重点とする本来の“地方局”に業態転換する。衛星、地上波、CATV、どのイ > ンフラを使おうが思いのままだ。ローカル局が生き延びる道はこれしか無い。! ========================================================================== ---◆お勧めBOOK、ホームページ◆--- ───────────────────────────────────── ●掲示板リンク集「あめぞうリンク」 http://amezo.com/  ネットコミニュケーションと言えばメール、チャット、掲示板。 ブラインドタッチの出来ないマイクルはチャットはやらないが、掲示板は良く覗く。 アダルトやアングラも多いが、インターネットの今が一望できる。  あめぞうリンクは、掲示板サイトをジャンル別に分け、使いやすくしたリンク集。 あめぞう自体にもニュースや芸能、株式など自前の掲示板がありなかなか面白い。 先日アクセス過多でサーバー停止処分になったようだが、目出度く復活。 ★おじさん寺子屋、おじさん赤提灯も掲示板です。書き込みよろしくネ。(^J^) ========================================================================== ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================