==========================================================================      ◆◆◆ 電網かわら版『必読!マルチメディア』 ◆◆◆            第 024号 1998年12月 1日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== ★お知らせ★ 「おじさん瓦版」をご購読いただきありがとうございました。 読者の皆さんからのご指摘もあり、今週号より名称を、より内容にマッチした 電網かわら版『必読!マルチメディア』に変更させていただきます。 購読手続き等は従来どおりですので変更不要です。 <<もくじ>> ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- 01.米AOLが42億ドルでネットスケープ買収、サンとも業務提携 02.セガ、新型家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」発売 03.音楽ソフトのネット配信時代幕開け?  ・JASRACとNMRC、ネット上の音楽著作権使用料で暫定合意  ・米ダイアモンド、携帯型MP3プレーヤー「Rio」を12月発売 04.PHS再生なるか?ドコモの携帯・PHS一体化戦略スタート  ・一体化推進とデータ通信事業強化を狙い、事業引き継ぎ  ・携帯電話併有家庭への「ファミリー割引」サービス開始 ---◆最近のサテライトニュースから◆--- 01.NTTサテライト、衛星インターネット「MegaWave」サービス延期 ========================================================================== ---◆最近のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●米AOLが42億ドルでネットスケープ買収、サンとも業務提携  http://news.yahoo.co.jp/Full_Coverage/AOL/(Yahoo! JAPANの特集)  先々週来、様々なメディアを賑わしていたAOL(*1 アメリカ・オンライン)とネッ トスケープ・コミュニケーションズ(*2)の提携問題は買収で決着。同時にAOLは、 サン・マイクロシステムズ(*3)と広範な戦略的提携を結ぶことを発表。  AOLは、ネットスケープのポータル(玄関)サイトや、企業向けソフトを手に入れ、 手薄だったビジネス市場で利用者の拡大を図る。ネットスケープは、先行したブラ ウザー(閲覧)ソフト市場でマイクロソフトの攻勢に押され、業績が悪化しため、独 立路線を断念。AOLとサンの提携は期間3年で、電子商取引関連技術やJava(*4 ジャ バ)を使った次世代ネット家電の共同開発などを進める。 (*1)AOL(アメリカ・オンライン) 米パソコン通信最大手。会員数1350万人(日本は16万人)。スティーブ・ケース会長 らが85年に設立。低価格料金と豊富なコンテンツでシェア拡大、今年2月業界2位の コンピュサーブを長距離通信大手ワールドコムと共同で買収。 (*2)ネットスケープ・コミュニケーションズ ブラウザーソフト、ネットスケープ・ナビゲータで急成長したベンチャー企業。 米シリコン・グラフィックス創業者ジム・クラーク氏とブラウザーソフトの原点と も言える「モザイク」の開発者マーク・アンドリューセン氏が94年に創業。 (*3)サン・マイクロシステムズ サーバー、ワークステーションの最大手。次世代ソフト開発用言語Java(ジャバ) 及びNC(ネットワーク・コンピュータ)の開発・提唱メーカーで、反マイクロソフト 陣営の急先鋒。スコット・マクネリー会長らが82年に設立。 (*4)Java 機種やOSに関係なく作動し、必要なソフトをその都度ネットワーク上から自由に手 元のパソコンにダウンロードして使えるという、パソコンの革新的使用環境を実現 する技術。Javaが普及すれば圧倒的シェアを誇るウインドウズOSの地位は弱まる。 >  プロバイダー最大手AOL、ブラウザー最大手ネットスケープ、サーバー最大手サ > ン、インターネット分野にユーザー・ソフト・ハードの3者が結びついた最強の > マイクロソフト包囲網が誕生した。 >  自社のMSN(マイクロソフト・ネットワーク 会員数300万)を犠牲にしてまで自社 > ブラウザーIE(インターネット・エクスプローラ)のシェア獲得に走ったマイクロ > ソフト。当初AOLは同社の標準ブラウザーにネットスケープを計画していたが、マ > イクロソフトの巻き返し(会員1人当たり25セント支払等)でIEを採用した。 >  今回の買収、提携を促したのは米司法省。独禁法違反訴訟でマイクロソフトの > 強引商法は弱まらざるを得なく、AOLやサンに巻き返しのチャンスが生じた。 >  最強包囲網誕生というのに、マイクロソフトの株価は一時、最高値をつけたよ > うだし、同社も歓迎談話?すら発表している。独禁法訴訟に有利に働くとの見方 > で、市場も同社も一致したとのこと、マイクロソフトはさすが強大! ───────────────────────────────────── ●セガ、新型家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」発売  http://www.sega.co.jp/dreamcast/  セガ・エンタープライゼスは、起死回生をかけたドリームキャストを27日発売し た。徹夜組も出た秋葉原では、自虐CMで一躍有名となった同社の湯川専務も店頭に 立つなどPRに躍起だったが、盛り上がりは今一つだったようだ。  オンライン通信対戦、ソフトのダウンロード機能などパソコン並み通信機能が最 大のセールスポイント。水をあけられたソニー、任天堂への巻き返しを図る。 >  推定累計出荷台数はソニー、プレステ   :4300万(うち国内1400万) >           任天堂、ニンテンドウ64:2000万(うち国内 300万) >           セガ、 セガサターン :1000万(うち国内 500万) > でセガの惨敗。在庫処分など今3月期は上場来初の赤字転落。中山社長の副会長 > への更迭、親会社CSK大川会長の会長就任、入交副社長(元本田技研副社長)の社長 > 昇格と背水の陣を敷き、ドリームキャストに復活を託す。 >  滑り出しで躓いた?。CPUチップ(製造元NEC)の遅延と数量不足で、年内100万台 > の出荷目標は半分に修正された。ソフトのラインナップも貧弱。 >  単なるゲーム機でなく、通信機能を持った家庭用ネット端末に発展させたいと > の思惑は、ネットゲーム人口が400万人にも達した米国市場を見ると、成功の可能 > 性が高いとも思える。反面ゲーム機本来の機能を失う危険性も高い。セガとの合 > 併が破談となったバンダイが、アップルと組んで開発した類似端末「ピピンアッ > トマーク」は大失敗した。WebTVなどネット端末の動きも相変わらず鈍い。 >  私のTVゲーム歴は20年前の初代のPC8001に始まり、ファミコンを経て、息子の > 成長とともに再びパソコンに戻り、スーパーファミコン以降ゲーム専用機からは > 遠ざかっている。操作が性能向上(スピードアップ、機能や操作の複雑化など) > についていけなかったからである。 >  先日息子(21才)がニンテンドウ64(実売12,000円だそうな)を買った。すでにプ > レステは持っている。彼も私と同様の感じを抱いたようだ。彼が年を取ったのだ > ろうか・・・ハードの性能向上がゲーム機の市場を狭めている。 >  ソリティアや上海、四川省などチョット息抜きにやるゲームが楽しい。500円ソ > フトもよく売れている。ドリームキャストは?? ───────────────────────────────────── ●音楽ソフトのネット配信時代幕開け? ・JASRACとNMRC、ネット上の音楽著作物使用料で暫定合意  http://www.jasrac.or.jp/ (JASRAC)  http://www.impress.co.jp/nmrc/ (NMRC)  日本音楽著作権協会(JASRAC)と、ネットワーク音楽著作権連絡協議会(NMRC)は、 インターネットの有料音楽配信サービスの著作権使用料につき来年3月末までの暫定 合意を発表。ダウンロード可能な有料配信サービスは売り上げの7.7%、データを蓄 積できないインターネット放送は1−3.5%。  著作権問題にメドがついたことで、今後原盤権を持つレコード会社や音楽出版社 との調整如何ではネット配信ビジネスが加速する可能性も。 ・米ダイアモンド、携帯型MP3プレーヤー「Rio」を12月発売  http://www.diamondmm.co.jp/products/current/rio.html  ダイアモンド・マルチメディア・システムズは、パソコンでインターネットやCD から音楽や音声を記録できる携帯型MP3(*)プレーヤーを12月上旬発売する。実売価 格は27,000円前後。携帯MDプレーヤーより小型・軽量で、MDやCDのようにディスク を回転させる必要がないため、音飛びやひずみが無い。  米レコード産業協会による販売差し止め請求の影響を受け出荷が遅れていたが、 10月末にこの請求が棄却されたことを受け出荷準備を進めていた。 (*)MP3 MPEG Audio Layer-3の略。動画や音声の圧縮・伸張規格MPEGの音声圧縮方式の一種 で、CD並の音声データを聴感上の劣化なしに約1/10に圧縮できる。 >  インターネットや衛星デジタル放送を利用した配信サービスや、MP3のように音 > 質の劣化無しにソフトを容易に複製できる録音機器の普及で、音楽ソフトの価格 > は1/10程度に低下するとも言われている。既存CDの販売減、不法コピーの氾濫、 > 小額課金による収入減など音楽業界の危機感は強い。 >  MP3データを無許可で配信しているホームページは100以上もあり、JASRACは業 > 界団体と協力して違法HP撲滅キャンペーンを展開中。今回の合意は合法的にネッ > ト配信ビジネスに取り組む企業を育て、低迷する音楽CDに代わる収入源を確保し > ようとの意図の元に行われた。 >  MP3の普及を加速するダイアモンド社の国内参入は、既存音楽業界の強い反発を > 呼び、著作権問題の新たな火種となりそうだ。 ───────────────────────────────────── ●PHS再生なるか?ドコモの携帯・PHS一体化戦略スタート ・一体化推進とデータ通信事業強化を狙い、事業引き継ぎ  NTTドコモグループは12月1日にNTTパーソナル通信網からPHS事業を引き継ぐのに 伴い、同事業部門の組織概要を固めた。パーソナル9社の従業員約1400人のうち、ド コモ9社に約1000人が転籍、残り400人は大半が出向元のNTTに戻る。  旧パーソナルの人員は携帯・PHS一体運営を早期に軌道に乗せるべく、既存部門に 配置するとともに、PHS事業推進本部を設置し、データ通信事業を強化する。 ・携帯電話併有家庭への「ファミリー割引」サービス開始  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/98/whatnew79.html  「ドコモの携帯電話を使っている家族がいれば、2台目以降のPHSや携帯電話の基 本料金を15%値引きする」。  PHS事業の移管伴い、事業立て直しの一環として、PHSの解約に歯止めをかけるた め、国内最強の携帯電話と組み合わせたファミリー割引を12月1日より開始する。 >  昨年9月の706万台をピークに、加入者減少が続くPHS。(現在 617万) > 事業者各社の経営危機が表面化し、パーソナルはドコモに吸収された。DDIポケッ > トはDDIグループ各社の、そしてアステル各社は東電、関電など電力会社の支援で > 何とか生き長らえている。 >  今回のドコモのファミリー割引に対し、ポケットとアステルは「携帯電話で圧 > 倒的なシェアを握るドコモが、携帯とPHSで一括割引すればPHSの顧客はドコモに > 流れ、携帯電話事業をしていない両社が著しく不利になる」として、郵政省に料 > 金変更命令を求めるようだ。 >  ドコモは来春にも携帯電話とPHSの複合端末を発売、同時に現在の通信速度の倍 > の64kbpsのサービスを開始する。携帯各社にとっても座視できない事態が訪れる。 > 株式上場で勢いづくドコモになすすべもなく敗れ去るのか。(>_<) ========================================================================== ---◆最近のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●NTTサテライト、衛星インターネット「MegaWave」サービス延期  http://www.megawave.ne.jp/index2.html  当初12月に予定していた、個人向け衛星インターネットサービスの開始を、ボー ドの品質チェックのため、1月下旬に延期。 >  モニターに当選したユーザーの情報によれば、肝心の衛星インターネット用の > ドライバソフトが未完成で、未だテストが始まっていないとのこと。 >  期待していただけに残念だが、衛星にはいろいろ問題がありそうだ。導入はも > うしばらく見送ろうかなぁ。 ========================================================================== ◇「おじさん瓦版」を名称変更いたしました。 ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』は、インターネットの本屋さん『まぐま  ぐ』及びメールマガジン立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇電網かわら版『必読!マルチメディア』の全文または一部の文章を許可無く転載  することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================