========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 017号 1998年10月13日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.マイクロソフト家電進出?コードレス電話機発売 02.米CBS、来月から地上波デジタル放送でアメフトをHDTV規格で放映 03.シャープ、米メディア会社と提携し、次世代電子ブック端末開発へ 04.移動電話市場、減速感鮮明に  ・9月加入状況、PHS12ヶ月連続減、携帯も伸び鈍る  ・cdmaOne純増1万台届かず。中国・北陸セルラーサービス開始延期  ・アステル東京、松田聖子を起用し、大規模販促キャンペーン展開 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.ディレクTV、増田社長解任の舞台裏。ヒューズの狙いはBSとの提携? 02.9月末、CSデジタル放送加入者2社で106万に ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●マイクロソフト家電進出?コードレス電話機発売  http://www.microsoft.com/presspass/press/1998/Oct98/cordlspr.htm    来月米国で「マイクロソフト・コードレスホン・システム」を小売価格199ドル95 セント(約2万5000円)で発売。パソコンと連動させることで、ダイアル機能や留守番 電話など様々な操作が全て音声入力で行えるのが特長。かかってきた相手により異 なる内容の留守番メッセージを流せたり、数千件の留守番メッセージを記憶させた りすることができる。日本での発売は未定。 > マイクロソフトは、マウスやジョイスティックなどパソコン関連製品も発売して > いる。この製品も、同社が「パソコンの利用度を高めるパソコンあっての製品」 > と強調しているように、パソコンをデジタル家電時代のホームネットワークの中 > 核として位置づけようとして開発、電話機単独での商売を意図したものでは無い。 > 家庭用マルチメディアの主役を巡るテレビ(家電)、電話(通信)、パソコン(情報) > 業界の合従連衡はこれまで常にマイクロソフトがリード。インテルなどパソコン > 業界はもちろん我が国でもソニー、松下等家電メーカー始め、NTTやCATV会社など > と相次いで提携した。 >  http://www.asia.microsoft.com/japan/info/releases/0408sony.htm >  http://www.asia.microsoft.com/japan/info/releases/0708mei.htm >  http://www.asia.microsoft.com/japan/info/releases/catv.htm > 一方、先週米IBMとフランステレコムが提携を発表。パソコンではなく、画面付き > の次世代電話機を使った低コストのインターネットサービスを計画、高度な機能 > を備えたパソコンは必要ないと考える人をターゲットとするようだ。 >  http://www.ibm.com/News/1998/10/06.phtml > シャープも先般液晶マルチメディアホンを発表、NTTも同様製品を開発している。 >  http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/nc10/text/index.html > 主役はパソコン、テレビ、それとも電話?   > なお、私も愛用しているが、マイクロソフトマウスの使い勝手は極めて良い。 > 購入パソコンに予め付いているコストダウンの固まりのようなマウスとは段違い > だ。お勧め! ───────────────────────────────────── ●米CBS、来月から地上波デジタル放送でアメフトをHDTV(*1)規格で放映  5日付日経産業新聞によれば、米4大ネットの一つCBSは、来月主要5都市で開始す る地上波デジタル放送で、プロフットボール(NFL)4試合をHDTV(高精細テレビ)規格 で放映する。他の試合は通常画質のデジタル規格で放映。 同社は今年初め、巨額(5億ドルといわれる)を投じフォックス社からNFLの放映権を 取り戻した。他局に先駆けHDTV放映することで、デジタル化の加速と高画質放送局 のイメージ定着を狙う。衛星デジタル放送ディレクTVにもHDTV映像を供給し、5都市 以外の視聴者も楽しめるようにする。 (*1)HDTV High Definittion Television ハイビジョンのように、現行テレビ方式に比べ走査線数を増加し、きめ細かい鮮明 な映像と音声を提供するシステム。 > 8日付同紙によると先月の英国BBCに引き続き、来月全米で40局以上の放送局が地 > 上波デジタル放送を開始する。しかし、放送局とメーカー、CATV会社等との調整 > が難航、未だ規格統一が出来ていない。 > FCC(米連邦通信員会)は2006年までの完全デジタル化を打ち出し「とにかくスタ > ートすることが大切で、いずれ競争によって規格は一本化する」とし、業界によ > る自主的デジタル化を奨励している。 > 未だ郵政の広範な許認可行政下で、横並び体質の抜けきらない我が国業界との違 > いはあまりに歴然! ───────────────────────────────────── ●シャープ、米ヌーボメディア社と提携し、次世代電子ブック端末開発へ  http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/981007.htm   「大画面で携帯性に優れた次世代携帯読書端末の開発」「電子書籍コンテンツのイ ンターネットを通した配信インフラの構築」「欧米市場におけるマーケティング」 の3分野での協力を合意。これにより書籍の電子化を推進し、自然環境への配慮、書 籍流通の効率化などを図る。 > 先般「ブックオンデマンド構想いよいよ始動へ。電子書籍コンソーシアム設立」 > というニュースがアスキーのニュースサイトに掲載された。 >  http://www.ascii.co.jp/ascii24/issue/980911/topic05.html > 電子データ化した書籍を、衛星通信でコンビニ、書店等に設置した受信端末に配 > 信、読みたい書籍を携帯液晶端末にダウンロードして閲覧する仕組みで、来秋の > 実用化を目指すようだ。シャープもこの準備会に参加。 > さて、環境保護のため数年前よりペーパーレスが声高に叫ばれている。 > 風が吹けば何とやらではないが、パソコンの普及は各種マニュアル類の増加など > 製紙業界にとっても追い風となったようだ。 > 私も毎日ネット上で入手した情報をパソコンのハードディスクに保存・整理して > いるが、未だ新聞記事を切り抜きA4用紙にコピー、ファイルに保存している。 > 本、雑誌、新聞・・・まだまだ紙の生活から抜けられそうも無い。 ───────────────────────────────────── ●移動電話市場、減速感鮮明に ・9月加入状況、PHS12ヶ月連続減、携帯も伸び鈍る  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/981007d602.html  郵政の速報によると、9月末加入台数は、携帯電話は前月より82万増え3654万台、  PHSは10万台減り626万台、合計4288万台。総人口普及率は携帯28.9%、PHS5.0%。 ・関西セルラー、cdmaOne純増1万台届かず  新方式デジタル携帯電話cdmaOneの9月の純増台数は計画を大きく下回り、1万台に  達せず。新端末投入、懸賞付きキャンペーン、TVCFの一新等で巻き返しを図る。 ・中国・北陸セルラー、cdmaOneのサービス開始延期  今年12月に予定していたサービス開始を来年3月に延期。人口密集地から開始する  予定だったが、営業地域全体にエリアが広がってから開始したほうが得策と判断。 ・アステル東京、松田聖子を起用し、大規模販促キャンペーン展開  http://www.astel.co.jp/tokyo/news/981006.html  パワーアステルと銘打ち、約10億円を投入し、高感度アンテナ搭載の新端末や、  新情報提供サービスなどをアピール、純金1kgが当たるオープン懸賞等も実施。  20代女性に人気の松田聖子起用で、加入者減に歯止めをかける。 > 移動電話の動向は >  瓦版009号 移動電話7月末累計加入4,100万台突破。PHSは10ヶ月連続減少 >  http://www.micle.co.jp/kawara009.txt 参照 > cdmaOneの動向は >  瓦版008号 新携帯電話サービス「CDMAONE」の出足は目標下回る >  http://www.micle.co.jp/kawara008.txt 参照 > 東京電力など主要株主による566億の追加融資や、880億の債務保証継続で何とか > 生き延びているアステル東京。“東京電話”の東京通信ネットワークによる救済 > 合併に事業再生を賭ける。 > でも、落ち目の松田聖子をわざわざ起用しなくてもねぇ(?_?) > 10日付夕刊フジに「聖子株大暴落。セクハラ訴訟傍聴希望者たったの18人、マス > コミもまばら。6月発売シングルもわずか1万8千枚」「アステル東京のPHSキャン > ペーンで、8日から都内の駅ホームの大看板に起用されているが、PHS業界は業績 > 不振にあえいでいる状況。聖子の現在を暗示しているようでもある」と書かれる > 始末。そういえば、パーフェク何とかというCSデジタル放送事業者も松田聖子を > CFに起用、その後合併した・・・ ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ディレクTV、増田社長解任の舞台裏。ヒューズの狙いはBSとの提携?  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/42205  日経ビジネス10月5日号によれば、ディレク単独で活路を見いだそうとする増田社 長に対し、じり貧を打開すべく合併も辞さない現実路線を主張する米ヒューズの主 導の下で解任が行われた模様。  ヒューズの標的はCSではなくBSデジタル放送。2000年に株主宇宙通信が打ち上げ る予定のCSと次期BSが、出力や軌道位置(東経110度)など主な仕様が同じ。この新衛 星を使いBSとの共用受信機を開発「1台の受信機でBSとCS両方楽しめる」のが狙い。 加入世帯数が少ないため、ディレク自身の負担で既存受信機を総取り換えしてもそ れほど費用がかからない。現在のアナログBS放送視聴世帯約1400万の1割が加入した だけで加入者は現在の10倍。スカイパーフェクは年内にも加入数が百万を超えそう なだけに、受信機取り換え費用が嵩み、BSとの共用化は難しい。  後発を逆手にとっての“ウルトラC”が成功するかどうかは不透明。郵政の同意 など越えねばならないハードルも多いが、実現すれば形勢は一気に逆転、現状では 望むべくもないスカイパーフェクとの「対等合併」が浮上してくる可能性も。  ディレクTVが生き残り、米ヒューズが日本の放送界で一定の地位を獲得できるか。 デジタル放送の世界はなお陣取り合戦の最中にある。 > 瓦版014号 ディレクTV、増田社長が退任。事実上更迭か? >  http://www.micle.co.jp/kawara014.txt  > の舞台裏はこういうことだった。米国大企業と日本のベンチャーという異色の組 > み合わせに日本の大企業も加わり、すでに事業の企画段階から相互不信が渦巻い > ていたようだ。明確な戦略が無いまま開局したツケが加入者の伸び悩み。 > 増田氏はその著「情報楽園会社−TSUTAYAの創業とディレクTVの起業」(徳間書店 > 刊)に「私は衛星からのデジタルシャワーを日本国中に降らせて、テレビの概念そ > のものを引っ繰り返してしまいたいと思っている」と記し、「寄り合い所帯での > 均等責任、多数決採決などということは、とりわけ未知の領域に進もうとすると > きは、必ず問題が起こる。誰かが責任を持ち、責任を持った人間が意思決定をし > て進めていくべきである」とも記した。 > ベンチャーと大企業とは所詮水と油だろうか。それとも氏の夢と情熱が変節した > のだろうか。   ───────────────────────────────────── ●9月末、CSデジタル放送加入者2社で106万に  9月末の加入者は、2社合計で106万件。スカイパーフェクTVは前月末より4万1千件 増の87万5千、ディレクTVは1万5千件増の18万2千件。 > 相変わらず鈍い増加数。前述のシナリオが現実味を増す? ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================