========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 013号 1998年09月15日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.ポータルは、検索サイト、プロバイダー、ブラウザーメーカーが拮抗 02.日本IBM、日本テレコム、大日本印刷、電子モールを相互乗り入れ 03.アレン氏(マイクロソフト共同創業者)、CATVを着々と買収 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.メディア王マードックの英名門サッカーチーム買収に暗雲 02.イリジウムの衛星携帯電話サービス、11月に延期 03.CSデジタルで横浜・中日戦をマルチキャスト放映 ★お勧めBOOK 「未来地球からのメール」 エスター・ダイソン著 吉岡正晴訳 集英社刊 ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●ポータルは、検索サイト、プロバイダー、ブラウザーメーカーが拮抗  http://www3.nikkeibp.co.jp/MA/guests/release/980909portal.htm  日経マーケット・アクセスのインターネット利用者調査によれば、ユーザーが起 動時に表示する“ポータルサイト”は、自宅でWWWブラウザーを利用する際は、 ・「検索サイト」(Yahoo!やgooなど):21.7%、 ・「利用しているプロバイダーのホームページ」:20.1%、 ・「ブラウザーの初期設定のまま」:19.0%  (マイクロソフトやネットスケープなどブラウザーメーカーのページ) と、上位3ジャンルが拮抗。以下「空白のページ(未設定)」13.0%、「自分のブック マーク」6.3%、「自分が作ったページ」5.5%、「ニュース系ホームページ」4.6%。 一方、職場や学校など自宅以外で利用する場合は、「学校や会社など自分が属する 団体のホームページ」が37.5%でトップ、「ブラウザーの初期設定のまま」16.7%、 「検索サイト」15.7%と続く。 > 先回の瓦版でポータルサイトを取り上げたが、タイミング良く調査結果が発表さ > れた。「ブラウザーの初期設定のまま」と「利用しているプロバイダーのホーム > ページ」の両者が4割を占めるとは・・・!! > 初心者や利用歴の浅いネットユーザーが如何に多いかの証左。 > 「おじさんの群(むら)」の主旨に改めて意を強くした。 > “おじさん”とは、パソコン・インターネット初心者のことでもある。 > 瓦版読者の皆さん全てがおじさんでないことは言うまでもありません。(^J^) ───────────────────────────────────── ●日本IBM、日本テレコム、大日本印刷、電子モールを相互乗り入れ  http://www.fiesta.or.jp/pipeline/  「モールパイプライン」と名づけたそれぞれ独立した複数のバーチャルモールや ショップの連携サービスを開始。商品名やキーワードをもとに、各モール(*1)の商 品データベース(店舗数79、商品点数6800)をリアルタイムに検索できる。バナー広 告も共同表示。今後参加企業を増やし、商品代金の決済や物流システムでも連携し ていく予定。 (*1) 大日本印刷:イージーギャラクシー、日本テレコム:タウンリンク、 日本IBM:Shop Fiesta、Shop IBM > ここ1年余り、個人や企業が無数の電子商店をオープンした。パソコン、家電、 > 衣料、食品、はたまた非合法品までありとあらゆる物が扱われ、専門店やサイバ > ーモール(電子商店街)、企業間EC(*2)まで百花繚乱だ。 > 一部成功しているサイトやモールもあるが、多くは閑古鳥が鳴いている。 > 相互乗り入れで出展企業数や商品点数が増え利用者の利便性が増し、広告共通化 > による効果も見込めるであろう。しかし現実のショッピングセンターを見ても、 > テナント数や品数の多さが利用客や売上の増大に必ずしも結びついていない。ネ > ット上で健闘している電子商店も“個性的”な専門店が多い。 > 単なる量的拡大だけなら、この「モールパイプライン」も失敗に終わるだろう。 (*2)EC(Electronic Commerce) 一般に電子商取引と訳され、コンピュータ・ネットワーク上で情報を伝達・処理し て受発注、ホーム・ショッピング、電子決済などを行う商取引の総称。 ───────────────────────────────────── ●アレン氏(マイクロソフト共同創業者)、CATVを着々と買収  9月7日付日経産業新聞によれば、ビル・ゲイツ氏とともにマイクロソフトの創業 に参画、今なお二番目の個人株主で豊富な資金力を持つ、投資家ポール・アレン氏 が米西海岸のCATV会社の買収戦略を着々と進めているようだ。 氏は米最大のハイテクエンジェルとして知られ、通信と放送を融合したマルチメデ ィア網の将来性に着目、ここ1,2年CATVやコンテンツ事業への積極的な投資を加速、 この地域のCATV業界で寡占体制を作るのが狙いのようだ。 > パソコンを制覇したマイクロソフトそしてビル・ゲイツの目下の標的はインター > ネット、そして次の標的がデジタル家電であることはもはや自明の理。 > そのためのOSがウィンドウズCEであり、端末がWebTVである。 > CATVに関しても、業界4位のコムキャスト社に出資、最大手TCI社とデジタルSTB( > セット・トップ・ボックス)向けウィンドウズCE搭載で合意、ソニーと関連機器 > 開発で提携したりと、着々と戦略を進めている。 > 共同創業者のアレン氏が米最大のハイテクエンジェルであるとは、浅学にも知ら > なかったし、マイクロソフト創業後の氏の動向についても知らなかったが、今回 > の報道のように両者は奇しくも方向を目指しているようだ。 ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●メディア王マードックの英名門サッカーチーム買収に暗雲  9月11日付日経産業新聞によると、マードック率いる英衛星放送会社BスカイBの 英サッカーチーム「マンチェスター・ユナイテッド」買収(約1400億円)に、ファン が猛烈に反発しているようだ。ファンにとって最大の心配は視聴料のつりあげ。 BスカイBは英サッカーリーグ「プレミアリーグ」の独占ライブ放映権を持ち、過去 に格安の視聴料で加入者を増やした後、一気に値上げした前科がある。 BスカイBは10月に新たにデジタル放送「スカイ・デジタル」を開始する。英政府も マードック氏をけん制し始め、一歩対応を誤るとスカイ・デジタルの不買運動も。 > マードック氏のソフトバンク孫正義氏と組んだテレビ朝日株の買収(後朝日新聞 > 等に売却)や旧JスカイBの設立は、黒船来襲と言われ、その後の我が国メディア > 業界ビッグバンの礎となった。 > 氏はスポーツ支配=メディア支配(視聴率獲得)の下、サッカー、フットボール、 > ホッケーリーグの独占放映権を順次獲得してきた。大リーグ「ロサンジェルス・ > ドジャース」の買収もこの布石との見方が強い。 > 一方、新聞業界でも「金にものを言わせて強引に買収、低俗で商売第一のメディ > アに堕落させ部数を伸ばす」手法で、大衆紙「サン」に故ダイアナ妃のスキャン > ダルやヌード写真を掲載したり、名門「タイムズ」に低俗な株価ゲームを掲載し > たりして部数を大幅に伸ばした。ダイアナ離婚の張本人との悪名も。 > マードック傘下の新聞読者は英国民の4割にのぼるというが、ジェントルマンの > 国はフーリガンの国でもある。マードック神話の終焉は近い!? ───────────────────────────────────── ●イリジウムの衛星携帯電話サービス、11月に延期  http://www.iridium.co.jp/top/main.html  日本イリジウムは、23日に予定していた衛星携帯電話サービスの開始を、ネット ワークの安定性向上のため11月1日に延期すると発表。23日からは世界で2,000端末 を用いて、地上の携帯電話システムとのローミングなど、実際のユーザーの使用環 境を想定した通話実験を行なう。 > 先月頃から、イリジウムのテレビCMや雑誌広告を良く見かけるようになった。 > 端末の大きさや価格、通話料金など一般ユーザーにはほとんど縁の無い商品であ > る。このため広告戦略は、知名度アップによる販促活動の間接的バックアップや > 、親会社DDIの企業イメージアップを狙ったものと理解し、事業者の意気込みを > 感じていたが、肩透かしをくらってしまったようだ。 > 66機の低軌道周回衛星で地球上のすべての地域をカバーするという世界初の壮大 > なシステムの立ち上げには、やはり思いもよらぬトラブルもあったのだろう。 > ビジネスや非常時用途が主なイリジウムは、何よりネットワークの信頼性が要求 > される。11月1日のサービス開始が万全の状態で行われる様期待したい。 ───────────────────────────────────── ●CSデジタルで横浜・中日戦をマルチキャスト放映  9月9日付日経産業新聞によれば、スカイパーフェクTVでスポーツ専門チャンネル を運営するスカイエンターテイメントは、今月下旬の横浜・中日戦を、別角度映像 を複数チャンネルで同時に放映する国内初の「マルチキャスト」放送で中継する。 3チャンネルのうち1チャンネルで通常中継画面を放映、2つのサブチャンネルで「 ベンチ固定アングル」「バッター視線アングル」など別アングル映像で放映。 > 多チャンネルのCSデジタルならではの放送形態として期待されてきた「マルチキ > ャスト」がようやく実現する。野球だけでなく、ゴルフやサッカー、F1など様々 > なスポーツ観戦が一層楽しくなること必定である。 > 他のチャンネルもどんどんトライしてもらいたい。 ───────────────────────────────────── ★お勧めBOOK 「未来地球からのメール〜21世紀のデジタル社会を生き抜く新常識」  エスター・ダイソン著 吉岡正晴訳 集英社刊 \2,940  http://www10.mediagalaxy.co.jp/shueisha/mirai/  http://www.asahi.com/tech/topics/980912esther.html  非常に読み応えのある本である。著者のエスター・ダイソン氏は米国でもっとも インターネット社会に影響力をもつ女性といわれる。副題のように社会、ビジネス 、文化、教育など来たるべき21世紀が実践的に予見され、プライバシーやセキュリ ティ、著作権問題等に関する氏の考えも述べられている。  朝日新聞も12日、ホームページに「印税、出版社なくなる?ダイソン氏に聞くネ ット社会の未来」という氏のインタビューを掲載した。 帯に「本書は種火だ。どれだけ早く自分に応用できるか。それが新しい生き方とビ ジネスの鍵」とあるように、読了後今一度私も考えてみたい。 ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================