==========================================================================   おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 010号 1998年08月25日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── 氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ*パソコン*電話)  とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週平易かつ簡明に解説  してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.Windows 98と、iMacの国内発売について 02.郵政省、「共通情報コンセント」開発へ 03.インターネット国際電話、1年目は低空飛行 04.NECとニッセン、テレビでインターネット通販開始 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.DirectInternet、個人向衛星インターネットで新料金体系導入 02.郵政の「空の電波塔」計画と通産の「低コスト衛星」計画 ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●Windows 98と、iMacの国内発売について ・Windows 98日本語版、販売50万本間近。PC販売も大幅に増加  先月25日に発売したWindows 98の販売本数は、今月末で50万本前後に達する見込 みで、当初目標の3ヶ月で50万本を1ヶ月で達成する勢い。パッケージ別では、アッ プグレード版が9割、通常版が1割。 98発売の影響でパソコン本体の売上も好調で、今年初めて前年比2桁成長を記録。 ・iMacは178,000円で29日に国内発売  http://news.apple.co.jp/product/980819imac.html  http://www.apple.com/imac/  アップルは斬新なデザイン、使いやすさ、必要十分な機能に加え、価格を抑えた 家庭向け新型パソコンの国内投入を発表。米国では事前予約が15万台に達するなど 、極めて好調な滑り出し。 > 皆さんすでにご存知と思いますが、メジャーな話題なので取り上げます。 > Windows 98が予想以上に好調なのは、ここ数年のブームでパソコンの保有母体が > 大幅に増え、それにつれてマニア層も増えたことが第一の要因でしょう。 > 98は95と違い革新的な新機能が盛り込まれたわけではなく、インターネットとの > 統合や、起動時間の短縮、USB(*1)対応など、いわば95の改良版です。 > また発売前からアップグレードはトラブルも想定されるため、慎重にすべきとい > うのが業界の大勢でした。でも恐いもの見たさもマニアの性格。で、案の定トラ > ブル続出でマイクロソフトへの問い合わせが急増、NIFTYのパソコン関連フォー > ラムもこの話題で持切りです。 > 98へのアップグレードは当分見合わせましょう。 (*1)USB(Universal Serial Bus) パソコンをマルチメディア対応にするための外部周辺機器との新接続方式。 キーボードやマウス、モデムなどを一つのコネクタにまとめて接続できるため、パ ソコン背面の複雑な配線接続を簡略化でき、また周辺機器の自動起動や自動環境設 定などの新機能もサポートする。 > iMacについてはさすがというしかありません。待ちわびていたMacファンもきっ > と満足することでしょう。あのデザインだけで欲しくなります。私も使っている > ソニーVAIOの比ではありません。早く実物が見たい!! > iMacがWindowsマシンなら躊躇わず買っていたと思います。でも、いまさら私が > Macを使いこなすのは・・・・ > iMacはアップル復活の切り札に必ずやなるでしょう。 ───────────────────────────────────── ●郵政省、「共通情報コンセント」開発へ  多くの家庭では衛星放送やCATV、電話、インターネットなど、通信・放送機器の コンセントは別々に設置され、接続操作が煩雑、利用できる場所が限定されるなど の問題をかかえている。こうした不便を解消するため、郵政省は各メディアを統一 した配線や接続装置で利用できるようにする「共通情報コンセント」の研究開発を 10月から始める。外部からのネットワークを一本化して宅内に引き込む装置や、様 々な情報を蓄積できるホームサーバー技術も開発する。研究結果は国際電気通信連 合(ITU)の共通情報コンセント標準化への取り組みに反映する。   > 家庭のマルチメディア化の最大阻害要因の一つは配線問題だと常々思って来た。 > 昨年までは一戸建ての自宅に住んでいたため、配線は煩雑さを除けば比較的自由 > が利いた。今の賃貸マンションは新築にもかかわらず全く不自由だ。 > 電話のモジュラージャックが1個しかないため、ネット接続用に15Mものコード > を這わした。TVアンテナは2個あるものの位置が悪い。衛星用アンテナの適当な > 設置場所がないため、ワールドカップを見るため止む無くCATVに加入した。 > この問題の解決に家電メーカーや住宅各社も力を入れているようだ。 > 松下はHII(ホーム・インフォメーション・インフラストラクチャー)と称しグル > ープ7社で専門開発組織をスタートさせた。積水化学はNTTとMJS(マルチメディア > 住宅システム)を共同開発している。 > 郵政の計画の詳細は不明だが、いずれにせよ標準化が不可欠である。こうした面 > こそ行政にリーダーシップを発揮して欲しい。 ───────────────────────────────────── ●インターネット国際電話(*1)、1年目は低空飛行  格安のインターネット国際電話サービスが登場してから1年を迎える。時事通信 によれば、当初は通話料金が既存の国際電話会社の5分の1以下になる画期的サービ スとして業界の関心を集めたものの、現在の市場規模は4,000億円強の国際電話市 場の1%にも満たない。消費者への啓蒙やPRが遅れたのが主因で、当分低空飛行が続 きそうとのこと。 (*1)インターネット国際電話 国内外に接続拠点となるサーバーを設置し、サーバー間の通信にインターネットを 使う仕組み。既存の国際電話にくらべ割安な料金でサービスを提供できるが、電話 をかける手順が複雑、アクセスポイントが少ない、遅延、雑音など音声品質が劣る などのマイナス面もある。 > AT&T、KDDなど国際通信大手、リムネットなどインターネットプロバイダー、ベ > ンチャー企業など約15社が参入した。私も当時友人から相談を受けたが、否定的 > な見解を述べた。いちいちアクセスポイントに接続し、その後に相手先の番号を > 入力する使い勝手の悪さや、展示会場で体験した通話音質の悪さ等、急速な普及 > は不可と判断したためである。結局友人も取り止めた。このニュースに接し、ほ > っと一安心といったところである。 > 当面、多くの技術的問題を抱える“電話”サービスより、音声品質を要求されな > い“FAX”サービスに活路を見出すのが妥当であろう。 ───────────────────────────────────── ●NECとニッセン、テレビでインターネット通販開始  NECと通販大手ニッセンが、家庭のテレビでインターネット通販が利用できるサ ービスを来月共同で開始する。ニッセンが新たに組織するネット通販会員にインタ ーネットTV端末をレンタルし、NECが運営するBIGLOBE上の通販サイトで商品を 購入する。端末はNEC製の「MULCO」や日本電算機製「iBOX」を月3600円でレンタル する。(月5時間までの接続サービス料含む) > 我が国の通信販売市場は約2兆円強と推定されている。ここ数年伸びが鈍ってい > る中で、衣料品主体の大手総合通販会社(セシール、ニッセン、千趣会など)が > 不振な反面、長時間すわっても疲れない座いす、立体型アイロン台、シルバー向 > け失禁パンツなど独自商品の専門通販や、テレビ、ラジオショッピングは好調。 > インターネットTV端末は相変わらず泣かず飛ばず。 > こうした背景の下、既存通販事業の不振を何とかして挽回したいニッセンの思惑 > と、このままでは不良在庫?にも成りかねないインターネットTV端末を何とかし > たいNECの思惑が合致した故の新サービスか。でも成功しそうにないなぁ。 ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●DirectInternet、個人向衛星インターネットで新料金体系導入  http://www.directint.net/japanese/news/index.html#980812  21日より個人向新料金体系「ターボインターネット・エコノミーサービス」を導 入。月間受信データ量5,000MB(従来は64MB)まで、月額基本料金5,500円。これを超 える場合1MBごとに60円(従来は100円)。契約者に限り受信アンテナ、ボード、ソフ トをセットで49,800円で提供。今年度中に3万ユーザーの獲得を目指す。 > 12月に開始予定のNTTサテライトコミニュケーションの個人向衛星インターネッ > トサービスの料金(基本料金4,000円で、無制限使用可能と言われている)を睨ん > だ新料金制度の導入と思われる。 > この料金体系ならば導入してもよさそうだが、何故かISDN回線では使えない、米 > 国PAS2衛星利用のため国内の他衛星サービスが受信できないなどの問題もあり、 > NTTサテライトのサービス開始まで待つのが妥当だろう。 ───────────────────────────────────── ●郵政の「空の電波塔」計画と通産の「低コスト衛星」計画 ・郵政省、飛行船使う「空の電波塔」2002年以降実用化へ  郵政省と科学技術庁は共同で、高度約20キロの成層圏に通信設備を搭載した飛行 船を浮かべ、テレビ電話や携帯電話を中継させる「スカイネット計画」を本格化す る。飛行船は地上に降ろして保守ができるため、衛星よりもコストが安く、また衛 星より地上との距離が近いため端末の小型化も可能。 成層圏は飛行機が飛ぶ高度よりも高く、大きな気流がないため飛行船が滞空するの に適し、20〜30機の飛行船で日本全国の都市圏をカバーできる見込み。 ・通産省、民生用部品活用による「低コスト衛星」開発を支援  朝日新聞によると、通産省は急成長する世界の商業衛星市場の中で、価格競争力 のない日本の衛星ビジネスを支援するため、自動車などに使われる民生用部品の採 用により衛星の製造コストを下げる新計画をまとめた。民生用部品が熱や放射線、 振動に耐えられるかなどをテストするための衛星を打ち上げ、実証試験を行う。 21世紀初頭に衛星製造ビジネスを3兆円規模の産業に育て上げたいとし、総事業費 約250億円を見込み、まず1999年度予算の概算要求に約30億円を盛り込む。 > 日本が最初の人工衛星を打ち上げたのは1970年で、米国がアポロ11号で宇宙飛行 > 士を月に送り込んだ翌年。以来昨年末までに打ち上げられた日本の衛星は僅か78 > 個、米国は1432個(うち6割は軍事衛星)。この経験の差が価格競争力がない最大 > 要因で、残念ながら航空機と同様、我が国の衛星のほとんどは米国企業に押さえ > られている。 > 先般瓦版008号で郵政の「8の字衛星」を取り上げた。今回の「空の電波塔」、 > 「低コスト衛星」いずれも是非成功させて欲しいが、ドッキング実験失敗など、 > 最近も衛星のトラブルが相次いでいる。彼我の差は如何ともしがたく、敢えて国 > 産衛星に拘る必要はないとも思う。 > いずれにせよ、くれぐれも税金の無駄遣いにならぬよう、関心を持って推移を見 > 守る必要が有りそうだ。 ========================================================================== ◇おじさん瓦版は、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』及びメールマガジン  立ち読みスタンド『Macky!』を利用して発行しています。  配信の停止や配信先の変更は、下記URLでお願いいたします。  『まぐまぐ』http://www.micle.co.jp/kawara.htm or http://www.mag2.com/  『Macky!』 http://macky.nifty.ne.jp/ ◇バックナンバーは下記URLでご覧いただけます。   http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================