========================================================================== おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 006号 1998年07月28日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/mura.htm ───────────────────────────────────── おじさん瓦版は、氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ  *パソコン*電話)とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎  週、平易かつ簡明に解説してお届けいたします。 ========================================================================== <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.CATV用光ケーブル一本で、テレビ・電話・インターネットを一括サービス 02.マイクロソフト社長にバルマー氏就任 03.藤沢市にマルチメディア郵便局開設 04.米連邦取引委員会、メール詐欺12選公表 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.衛星デジタルラジオ放送の著作権使用料で暫定合意 02.HDTV(高精細度テレビ)放送、CSデジタルへも解禁 03.スターチャンネルがBSデジタル放送免許申請へ ========================================================================== ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●CATV用光ケーブル一本で、テレビ・電話・インターネットを一括サービス  http://www.titus.co.jp/news/n_980723.html  タイタス・コミュニケーションズ(*1)が、CATV用光ファイバーケーブルを使い、 我国で初めてテレビ、電話、インターネットを一括して運用するサービス「オール 」を、千葉県柏、我孫子両市で10月から開始すると発表。 放送・通信一体型のサービスをテコに、伸び悩んでいる加入者数拡大を目指す。 (*1)タイタス・コミュニケーションズ 米通信大手のメディア・ワン・インターナショナル・ホールディングズ、米映画制 作大手のタイムワーナー・カンパニーズ、伊藤忠、東芝などが出資し'95年1月に設 立。現在千葉のほか東京、神奈川、群馬など6地域で、CATV事業を展開。 > 米国ではCATV(ケーブルテレビ)は、多チャンネルの専門・地域ネットとして、 > 総合放送・全国ネットの地上波テレビを相互補完、普及率は6割を超える。 > そして、次代の情報通信ハイウェーの主役の座(インフラ面ではアナログ回線か > らデジタル回線への切替、サービス面ではテレビ・電話・インターネットを一体 > 化したマルチメディアサービス)を巡り、通信事業者や放送事業者と激しい競争 > や合従連衡を繰り広げている。 > 最近我国でもCATV局の高速インターネット接続サービスが相次いで開始された。 > 総合商社や鉄道、電力会社など大手企業もこの分野に注力している。 > NTTも通信用光ケーブルをCATV事業者に開放する方針を打ち出した。 > 我国では、CATVは山かげや高層ビルの谷間など難視聴対策の解消が主体で、自主 > 放送を行う都市型CATVへの加入者は400万弱と普及率は1割に満たない。 > CATVが脚光を浴びる日は果たして来るのだろうか!? ───────────────────────────────────── ●マイクロソフト社長にバルマー氏就任  http://www.microsoft.com/japan/info/releases/0722stev.htm  米マイクロソフトは同社の販売・顧客支援担当副社長スティーブ・バルマー氏が 空席の社長に就任すると発表。バルマー氏は、ビル・ゲイツ会長のハーバード大学 時代の同級生で、これまでも実質的な社長業務をこなしていた。 ゲイツ氏はこれまで以上に長期的なビジョンや製品戦略に注力、バルマー新社長に 営業、マーケティング、顧客サポートなど日常業務上の権限を大幅に委譲する。 > マイクロソフトは製品開発より、マーケティングに優れた企業だとよく言われま > す。これを体現してきたのがバルマー氏です。 > 技術開発部門と管理営業部門を二人三脚で担って成功した例は、我国ではソニー > の井深大氏と盛田昭夫氏、ホンダの本田宗一郎氏と藤沢武雄氏が双璧でしょう。 > トヨタは、かつてトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売の二社に別れてモータリ > ゼーション時代を戦い、そして勝ち抜きました。 > 反面、両雄並び立たずの例も数多く見聞きします。マイクロソフトはどっち!? ───────────────────────────────────── ●藤沢市にマルチメディア郵便局開設  郵政省はSFC(慶応大湘南藤沢キャンパス)前に未来型マルチメディア郵便局の 実験局を開局し、運用実験を進める。 無料でインターネットにアクセスできるパソコン端末や、局内のコンピューターと 接続して、はがきや手紙、小包などが届くと、センサーで感知し電子メールで自動 的に受取人のパソコンに知らせる新型私書箱「スマートボックス」などを設置。 今後ATM(現金自動預払機)や切手、はがきなどの自動販売機を車に乗ったまま利 用できるドライブスルーサービスなども導入する。 > 郵便局(全国で約25000局)をマルチメディア時代の「地域の情報受発信拠点」 > にという郵政の戦略が具体的に動き出しました。でもSFC前とはねぇ(^^ゞ > 各種行政手続きの窓口機能、ネットワーク端末や汎用ATMの設置など、競争相手 > は公共料金の振り込み、宅配便の受付などすでに様々なサービスを行っている全 > 国約50000件のコンビニ。 > 小包は宅配便に抜かれてしまいましたね。情報武装が進むコンビニに果たして勝 > てるでしょうか。因みにISDNの最大ユーザーはコンビニです。 ───────────────────────────────────── ●米連邦取引委員会、メール詐欺12選公表 ・起業詐欺   :少ない元手で儲かる商売が始められるとして参加を募る ・バルクメール :DM用アドレスリストや送信ソフトを高値で売りつける ・チェーンメール:同じメールを大量に転送すると大金が入る「幸福の手紙」 ・在宅ワーク詐欺:お金が儲けられると在宅ワーク用の道具を売りつけるが、          出来た品物は欠陥があるとして買い取ろうとしない ・身体コンプレックス詐欺         :奇跡的な効果をエサにダイエット商品や育毛剤を売りつける ・イージーマネー:1日で4,000ドル儲ける方法があるなどと勧誘 ・無料商品   :新会員を紹介すると無料で商品がもらえるネズミ講システム ・投資勧誘   :少ないリスクで大きな利益を保証するとして投資を持ちかける ・ケーブルテレビデコーダー         :契約しなくてもケーブルテレビが見られるとして、実は役に立          たない機械を販売 ・無担保融資  :無担保の住宅融資や保証不要のクレジットカードに勧誘 ・信用回復   :クレジットカードの利用履歴から不都合なデータを消去できる          と偽る ・懸賞詐欺   :もともと安いツアー旅行などを「懸賞に当たったので割引価格          で提供する」と偽って売りつける > 消費者から寄せられた25万通以上のSPAMメール(*1)の実例から選ばれたもののよ > うです。私にも月に一度くらい来ます。皆さんも引っかかることはないと思いま > すが、くれぐれもご用心を。SPAMは読まずに即削除!! (*1)SPAMメール(スパムメール) 宣伝や勧誘等のジャンク(がらくた)メールを、不特定多数に相手の意向を無視し て無差別に大量に送信するメール ========================================================================== ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ───────────────────────────────────── ●衛星デジタルラジオ放送の著作権使用料で暫定合意  第一興商はスカイパーフェクTVで運営する100チャンネルの衛星デジタルラジオ 「スターデジオ100」の音楽著作権使用料として、JASRAC(日本音楽著作権協会) に、2年間で約6000万円を支払う。また、ディスクジョキーの語りを挿入せず音楽 CDをそのまま流したり、曲の詳しい放送時間をFAXで提供したりする家庭内録音を 助長するサービスを止めることで合意。 > 最近音楽CDの売れ行きがさっぱりらしい。 > 先般、同様サービスを提供する「ミュージックバード」も、JASRACと合意し、MD > (ミニディスク)録音対応の74分編成番組を見直すことを決めた。 > この問題の本質は、音楽CDに依存する既存レコード業界が新興勢力(衛星デジタ > ル放送やインターネット)の台頭に危機感を強め、著作権保護を旗印にこれに対 > 抗しようとしていること。パッケージメディア(旧勢力)と、ネットワーク(ノ > ンパッケージ)メディア(新勢力)の戦い。 > 確かに著作権は保護されねばならないが、過度に権利保護に傾くと音楽市場その > ものの成長を阻害する。旧勢力に求められているものは、新時代・新ニーズに対 > 応し得る自らの業態変革に他ならない。   ───────────────────────────────────── ●HDTV(高精細度テレビ)放送、CSデジタルへも解禁  郵政省は、今年度末を目処に、現行テレビ並みの標準画質放送しか認めていない CSデジタル放送事業者に、次世代の高画質放送HDTV(高精細度テレビ)への参入を 解禁する方針を固めた。2000年開始予定のBSデジタルはHDTV中心の方針で、CS放送 番組の充実とHDTV受信機の普及を図るのが狙い。 > 日本独自のアナログハイビジョン計画は急速に進むデジタル化の前に、あえなく > 挫折した。懲りない郵政は自らの省益確保のため、やれBSは高画質だ、CSは標準 > だ、地上波(2003年頃開始)は混成だなど相変わらずの許認可と規制に満ち満ち > た旧態然とした行政を行っている。業界各社も郵政の保護下に安住。 > 欧米にはBS(放送衛星)とCS(通信衛星)の区分などない。地上波のデジタル化 > も目前に迫る。我国のメディアビッグバンは、はるか彼方!!   ───────────────────────────────────── ●スターチャンネルがBSデジタル放送免許申請へ  スターチャンネル(*1)は、2000年開始のBSデジタル放送に参入する方針を固め、 郵政省に免許申請する。高精細度放送を視野に入れ、標準放送で3チャンネル確保 をめざす。BSデジタル放送参入意向を明確にしたのは、既存の民放や日本衛星放送 (WOWOW)系を除き、任天堂・京セラ系の「関西発」チャンネルに続いて2社目。 (*1)スターチャンネル 伊藤忠と映画配給会社の東北新社が出資。米大手映画制作会社4社と新作映画の10 年間の独占放映権を結び、現在はCS放送やCATVを通じて番組を流している。 > 免許申請は今月下旬に始まるらしい。前述のようにHDTV換算では新たに認定され > るチャンネルは6つ。民放キー局5社とWOWOWだけで埋まってしまい新規参入の余 > 地はない。BSの視聴者は1000万を超え、未だ100万に満たないCSよりはるかに魅 > 力的。要するにBSチャンネルは利権そのものなのである。 > HDTVではなくSDTV(標準画質放送)換算では18チャンネル取れる。さてさてどう > さばくか、郵政のお手並み拝見!!   ========================================================================== ◇このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発  行しています。(http://www.mag2.com/)  配信の停止や配信先の変更は、次のページでお願いいたします。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇バックナンバーも上記URLでご覧いただけます。 ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ───────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行◆◆ マイクルコーポレーション http://www.micle.co.jp/ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ==========================================================================