============================================================================ おじさんのためのマルチメディア&サテライトマガジン ◆◆◆ おじさん瓦版 ◆◆◆ 第 002号 1998年 6月29日発行 by マイクル渡辺 http://www.micle.co.jp/ ────────────────────────────────────── おじさん瓦版は、氾濫する情報洪水の中から厳選したマルチメディア(テレビ* パソコン*電話)とサテライト(衛星)関連のニュースやトピックスを、毎週、  平易かつ簡明に解説してお届けいたします。 ============================================================================ <<もくじ>> ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- 01.NTT系PHS9社、会社清算承認 02.AT&TがTCIの買収を発表、メディア業界再編が加速 03.バナー広告の効果について、実験結果まとまる 04.ゲイツ会長、パソコンを自動車になぞらえて説明 ---◆先週のサテライトニュースから◆--- 01.河合塾、衛星TV事業にデータ通信機能を追加 02.CS委託放送事業者2社合併へ 03.GrR、スカイパーフェクPCを使ったパソコン向けコンテンツ配信実験開始 04.英ICOグローバル、衛星携帯電話端末をNECと三菱電機に発注 ============================================================================ ---◆先週のマルチメディアニュースから◆--- ────────────────────────────────────── ●NTT系PHS9社、会社清算承認 6月23日のNTT中央パーソナル通信網の株主総会で、NTT移動通信網(NTTドコモ)へ の'98年度中の事業譲渡と、自らの清算が了承されたことで、全国のNTTパーソナル9社 すべてが株主から会社清算の承認を得たことになった。 > 2年前に私が危惧した事態が現実のものとなってしまった。いささかでも冷静に物事 > を見聞き、判断する能力と、幾分かの我が国及び通信業界に対する愛情さえあれば、 > 悪夢のシナリオは避け得たはずである。 > 「稲森氏のあせり」と「大星氏(ドコモ社長)のおごり」、許認可権にあぐらをか > き、適切な業界指導など望むべくもなかった三流官庁・・・。 > そして、通信業界についで放送業界にも悪夢のシナリオが忍び寄る。 おじさん徒然草 http://www.micle.co.jp/zakkn 参照 ”過熱”移動電話市場!!業界にしのびよる悪夢のシナリオとは “混迷”衛星デジタル放送!! ────────────────────────────────────── ●AT&TがTCIの買収を発表、メディア業界再編が加速 米長距離通信最大手AT&Tは24日、ケーブルテレビ会社全米2位のTele-Communicati ons(TCI)の買収で合意したと発表。買収額およそ480億ドル。 MCI Communications(長距離2位)とWorldCom(長距離4位)の合併発表、SBC Commu nicationsのAmeritech買収による巨大地域通信会社の誕生など、通信業界の再編が 急速に進んでいる中で、「ダイナマイト・カンパニー」新生AT&Tが逆襲へ始動。 電話とテレビという史上初の総合サービス会社の誕生だが、成否は不透明との見方も。 > 我が国ではCATV(ケーブルテレビ)はマイナーな存在だが、米国では普及率が6割 > を超えるメジャー産業。TCIも全米で1,440万世帯の加入者を持つ。 > いわば、NTTが民放大手5社のうちの1社を買収するようなもの。先般郵政省がNTTな > ど通信事業者の光ファイバー網をCATV会社に全面開放する方針を打ち出し、NTTも > 最近頓に放送分野へのアプローチを強めるなど、マルチメディア(電話*テレビ*パ > ソコン)を巡る動きから目が離せなくなって来た。 ────────────────────────────────────── ●バナー広告の効果について、実験結果まとまる 日本広告主協会が行なった、実証実験の結果によれば、Webサイト上に設置された バナー広告(*1)のクリック率は、その面積にある程度比例するとともに、GIFアニメ (*2)などを使うことでも上昇する。バナーの面積が通常サイズの2倍になるとクリッ ク率は約1.6倍に、3倍で約2.5倍に、逆に2分の1では約4分の3になり、また、GIFア ニメの利用で、静止GIFに対して面積換算で1.5倍、HTMLバナー(*3)では2倍以上の効 果があると確認された。 (*1)バナー広告 インターネットのWebサイト上に表示された広告の総称。バナーは旗、幕の意味。 (*2)GIFアニメ GIFはJPG、BMPなどと同様、画像ファイルのフォーマット(規格)の一つで、ホーム ページ上で多く使われている。GIFアニメは動く画像。 (*3)HTMLバナー 一つのバナーの中に複数の広告情報画面へアクセスできるメニューが表示されている バナー広告 > 日本のネット広告市場は97年に約60億円と、前年の4倍の規模に急成長していると > のことだが、広告効果についての明確な基準や、料金体系や保証内容(広告を載せ > たページを見た数なのか、バナー広告をクリックした数なのか等 )が未確立でビ > ジネスとして成り立つにはまだまだ時間がかかりそうだ。 > 但し、人気のあるアダルトサイトには一般のサイトとは比べ物にならない量のバナ > ーが集まっているのも事実。ブレイクはやはりアダルトから!! ────────────────────────────────────── ●ゲイツ会長、パソコンを自動車になぞらえて説明 サンフランシスコのWin98発表イベントで、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が パソコンの成長を自動車になぞらえて説明。 「かつての自動車は熱心なユーザーは利用できるが、普通の人にとっては使いにくか った。技術的にも未成熟で、インフラも整っていなかった、現在のパソコンも同じ状 況にある」 「技術的には、自動車にシートベルト(1908年)が付き、ラジオやライトなどの電気 機器が装着され(1912年)、オートマチック車が登場し(1934年)、ABSが発明され (1978年)、これらにより現在の自動車が非常に使いやすい乗り物になった、パソコ ンも同じように使いやすい道具になる」 「インフラについても道路の整備により自動車がより使いやすくなったのと同様に、 現在のインターネットの通信速度は非常に遅いが、今後、光ファイバーが利用できる ようになれば、高速のインターネット環境が実現する」 「米国では自動車は発明から80年近くかかって普及率が40%になり、100年以上かけ て70%の世帯が持つようになったのに対し、パソコンは20年で普及率が40%に達して おり、2001年には60%の家庭がパソコンを持っているだろう」 > マルチメディア産業革命への道のりを、「運河〜鉄道〜高速道路そして情報スーパ > ーハイウェーへ」と説明するのは多くの識者がやっている。あえてゲイツがここで > 自動車を引き合いにだした狙いは?? > そう、AUTO PCに他ならない。デジタル家電と同じく、Windows CEをカーマルチメ > ディアの基本OSとすべく虎視耽々!! ============================================================================ ---◆先週のサテライトニュースから◆--- ────────────────────────────────────── ●河合塾、衛星TV事業にデータ通信機能を追加 大手予備校河合塾は、5月より日立のCS通信「HKチャンネル」で授業のビデオ映像 を配信していたが、7月よりデータ通信機能を追加。復習問題や模範解答など生徒が 希望するデータを配信、生徒の家庭での学習に役立てる。専用受信機に内蔵のハード ディスクに受信情報を記録するため、パソコン無しでも利用可能。 FAXや郵送に比べ手間やコストを軽減できるとのこと。 > 大手予備校では衛星の利用がブームになっているようだ。地方の受験生にとって、 > 名物教師とやらの授業が居ながらにして受講できるメリットがあるし、少子化で > 受験生が減り地方展開を図らざるを得ない予備校側にとってもメリットがあるの > だろう。CS放送でも東進ハイスクールが衛星予備校チャンネルを開設しているし、 > 放送大学もBSに加えCSでも視聴できるようになった。 ────────────────────────────────────── ●CS委託放送事業者(*1)2社合併へ 博報堂が主要株主の日本映像ネットワーク(趣味・教養番組等を提供)と、博報堂 ・東北新社が主要株主のスーパーチャンネル(海外のTVドラマなどを提供)が9月1 日に対等合併を予定。日本映像ネットワークが視聴者の伸び悩みで経営が悪化、合併 による経営基盤強化を狙う。 (*1)委託放送事業者 衛星を所有する放送事業者(受託放送事業者、宇宙通信、日本サテライトシステムズ )に委託して、自社の放送番組を送信させる事業者。番組供給事業者のうち、郵政大 臣から委託放送の免許(直接個人向に放送できる免許)を受けた事業者で、スカイパ ーフェクTVやディレクTVの各チャンネルの放送局。 > 一昨年鳴り物入りで開局したCSデジタル放送だが、市場がブレイクする前に昏迷の > 様相をますます深めている。安易に参入した大手商社はすっかり腰が引け、一時は > ベンチャービジネスの旗手とマスコミからもてはやされ、夢によったベンチャー企 > 業達も瀕死の状況にあえいでいるようだ。 > BSデジタル化に加え、地上波デジタル化も迫る。残された時間はあと僅か。 ────────────────────────────────────── ●GrR(*1)、スカイパーフェクPCを使ったパソコン向けコンテンツ配信実験開始 インターネットで会員制総合モール(仮想商店街、コミュニティ等)「ぷらら」を 運営するGrR、8月よりCSデジタル放送スカイパーフェクTVの衛星データ放送サービス 「スカイパーフェクPC」を使い、仮想商店街の閲覧やゲームソフト・パソコンソフト のダウンロードなどの実験を開始。衛星回線を通じパソコンのハードディスクにデー タを配信、大容量を生かした新しいコンテンツ流通形態のノウハウ蓄積を狙う。 (*1)GrR(ジーアールホームネット株式会社) NTT、セガ・エンタープライゼス、ソニー、日本ビクター、ヤマハの5社が中心となっ て設立されたインターネットプロバイダー&サービス会社。 > CSの生きる道はデータ放送にあり!!私の確信である。 > 要はデータ放送で誰が、何を(コンテンツ)、どんなふうに(配信形態)、いつ >(タイミング)、誰に(ターゲット)、何に(受信端末)配信するか。 > この解を出すこと、これがMICleの事業目的です。(^J^) ────────────────────────────────────── ●英ICO(*1)グローバル、衛星携帯電話端末をNECと三菱電機に発注 2000年8月に全世界をカバーする衛星携帯電話サービスを開始予定のICOが、地上系 携帯電話と併用できるデュアル端末をNECと三菱電機に発注。発注台数は2社合計で27 万台。今年9月にサービス開始予定の「イリジウム(*2)」用端末に比べ、容量・重量 とも半分を目指すとのこと。 (*1)ICO(アイコ) インマルサット(国際海事衛星機構)を中心に40数ヶ国の出資で設立された衛星携帯 電話事業者。我が国ではKDDが中核会社として参画。ICOの社名は使用衛星(12個)の 中高度衛星軌道を指す英文頭文字から。 (*2)イリジウム 米モトローラが提唱した低軌道周回衛星66個を使用する世界初の衛星携帯電話サービ ス。我が国ではDDIグループが中核会社として参画。イリジウムは原子番号の名前。 > 先般、日本イリジウムの料金体系が発表された。契約時事務手数料1万円、基本料 > 月50ドル、日本から北米にかける場合の通話料は4.91ドル。(いずれもドル建て) > 某展示会で端末を見る機会があった。重い、大きい、そして料金が高い。 > 残念ながら我が国では望み薄!! ============================================================================ ◇このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行し ています。(http://www.mag2.com/)  配信の停止や配信先の変更は、次のページでお願いいたします。 http://www.micle.co.jp/kawara.htm ◇バックナンバーも上記URLよりご覧いただけます。 ◇おじさん瓦版の全文または一部の文章を許可無く転載することを禁じます。 ────────────────────────────────────── ◆◆企画・制作・発行 マイクルコーポレーション◆◆ 代表取締役 渡辺朝雄 asao@micle.co.jp 〒231-0011 横浜市中区太田町5-69 山田ビル406 TEL:045-226-1597 FAX:045-226-1598 ============================================================================